- カテゴリ:一般
- 発売日:2013/12/18
- 出版社: 文藝春秋
- レーベル: 文春学藝ライブラリー
- サイズ:16cm/473p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-813009-0
紙の本
指導者とは (文春学藝ライブラリー 雑英)
チャーチル、ドゴール、マッカーサー、吉田茂…。第二次大戦後の時代を率いた世界の指導者たちの素顔とは? 権力の栄光と挫折を知り尽くした米大統領だから書けた、20世紀リーダー...
指導者とは (文春学藝ライブラリー 雑英)
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商品説明
チャーチル、ドゴール、マッカーサー、吉田茂…。第二次大戦後の時代を率いた世界の指導者たちの素顔とは? 権力の栄光と挫折を知り尽くした米大統領だから書けた、20世紀リーダー論。〔1986年刊を基に、原著の第8章を割愛して、再編集〕【「TRC MARC」の商品解説】
アメリカ大統領を筆頭に、世界各国の最高権力者が退任後に回想録をよく残します。その多くは自己賛美に終始するものもですが、本書はそうした単なるメモワールとは違います。初めての大統領選挙での敗北、悲願だった最高権力の座を掴み取るも、ウォーターゲート事件で失脚――ニクソンほど、権力の栄光と挫折を知り尽くした人物は、20世紀には見当たりません。そのニクソンが、じかに対面し、交渉し、そして親交を結んだ同時代のリーダーたちが、英国首相・チャーチル、仏大統領・ドゴール、ソ連のフルシチョフ、さらにはマッカーサー、周恩来、アデナウアー、そして吉田茂でした。
そうした世界の傑物たちの姿を描きながら、ニクソンが導き出す「リーダーの条件」は説得力に満ち溢れています。
本書の413頁以下に「指導者の資格について」は必読です。こんなくだりもあります。
〈・指導者は、いつ闘うべきか、いつ退くべきか、いつ初心を貫くべきか、いつ妥協すべきか、いつ発言し、いつ沈黙すべきかを知らねばならない。
・指導者は、広い視野を持つと同時に、明確な戦略と目標とビジョンを持たねばならない。
・指導者は、全体を眺め、一つの決断と他の決断との関係を見極めなければならない。
・指導者は、先頭に立つべきだが、支持者が随いて来れないほど先頭であってはならない。〉
これは、政治の世界のみならず、あらゆる世界に通用するメッセージではないでしょうか。1986年に小社より刊行された単行本は広く話題を集めましたが、長らく絶版状態にありました。今回、満を持しての復刊です。【商品解説】
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見事な指導者の筆
2015/09/02 07:39
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは驚くべき傑作である。
ニクソン氏は米国大統領として残念な政治キャリアの終り方をした方で、大統領選においてケネディと比較された「テレビ映りの政治」の始り時点から、どこからか印象のよろしくないかたである。ニクソン氏が毀誉褒貶にとむ政治キャリアのなかで、このような一冊を書きあげていたことは知られていたが長らく絶版で入手困難であったものをよく文庫で復刊してくれたものだ。
翻訳も妙手であり、読みやすい。
明瞭、大胆に世界を動かす政治家とは、どうあるべしか、国の指導者になった人たちは如何に決断しているかを、その一翼を担った人がここまで書きあげる力量があることをはっきり示したいる。
自叙伝はどこか生存者や故人の名誉を慮って曇る。オーラルヒストリーはその限界を取り除く試みだろうけど。それ以外ではまことに貴重な語りである。指導者の悩み、意志、国を動かす振る舞い。決然たる指導性が描かれる。一人称視点はまったくぶれない。資料や結果の是非、アト知恵の限界を論評する政治学では不可能な筆である。