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商品説明
これは作家としての遺言である−。小説界の巨人・筒井康隆が初めて明かす、全く新しい小説作法。「濫觴」「実験」「諧謔」など、今までにあまり書かれることのなかった事柄を取りあげる。『群像』『新潮』掲載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
これは作家としての遺言である――。創作歴60年の筒井康隆が満を持して執筆した、『文学部唯野教授』実践篇とも言うべき一冊。
作家の書くものに必ず生じる「凄味」とは? 「色気」の漂う作品、人物、文章とは? 作家が恐れてはならない「揺蕩」とは?
「小説」という形式の中で、読者の想像力を遥かに超える数々の手法と技術を試してきた筒井康隆だからこそ書ける、21世紀の“文章読本”。豊富な引用を元に、小説の書き方・読み方を直伝する贅沢な指南書です。
小説界の巨人・筒井康隆が初めて明かす、目から鱗の全く新しい小説作法!【商品解説】
目次
- 凄味/色気/揺蕩/破綻/濫觴/表題/迫力/展開/会話/語尾/省略/遅延/実験/意識/異化/薬物/逸脱/品格/電話/羅列/形容/細部/蘊蓄/連作/文体/人物/視点/妄想/諧謔/反復/幸福
著者紹介
筒井 康隆
- 略歴
- 〈筒井康隆〉1934年大阪市生まれ。同志社大学文学部卒業。「虚人たち」で泉鏡花文学賞、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、「わたしのグランパ」で読売文学賞を受賞。2002年紫綬褒章を受章。
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紙の本
その読書量に圧倒されます
2016/01/09 18:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安波茶40 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは評論の部類に入るのだろうか。あるいはエッセイか。
いずれにしても、中学から大学まで夢中になって読んだ作者のひとり。
社会人になってから、なんとなく遠ざかっていたけれど、今読んでも、この人の文章や発想はすごい。
日本SFの黎明期から現在まで、ずっと現役で最前線で活動しているだけあって、各項目の小説作法についての助言は自信満々。
この語り口が苦手な人は、つらいかも知れないが、昔からの読者としては、「おお筒井節、衰えてないなあ」とうれしく読了。
「序言」で、遺言のつもりで書いたというように、結構書きたい放題な印象もあるが、実作を目指す人にはたくさんのヒントがある。この本読んでいると、何だか自分も小説を書けるような気がしてくるのだった。
「色気」「破綻」「実験」「異化」などの各章で事例として挙げられている小説が読みたくなる。そんなブックガイドとしての性格も持った本。楽しく読み、かつ勉強にもなった。
紙の本
小説を書く作法を教示してくれる書です!
2018/11/30 11:31
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、小説家として人気のある筒井康隆氏の作品です。同書は、「凄み」のある表現とはどんな表現だろう、ということなどを考えながら、小説で表現される独自の作法について詳細に語られた内容となっています。特に、これまでになかった新しい21世紀の時代の作法なども紹介されており、非常に面白い中身となっています。
紙の本
創作の極意と掟
2015/08/30 22:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルだけで判断すると「作品を書く上での注意事を集めた書籍」と思う向きもいるかもしれないが、実際は筒井康隆が、これまでの著作で得た知見や文壇の裏話、古今東西の名作についての知見を記した、評論というかエッセーに近いものである。当ブログでも紹介した「小説講座 売れる作家の全技術 」とはまた違うもので、著者も本書の中で「これは単なるエッセーだ」といっている。
「序言」を含めて、本書は全31テーマで構成されているが、一読して思ったのは、著者は膨大な量の小説を読破しているんだな、ということ。「売れる作家」でも大沢在昌は
「自分は高校までに1,000冊を読破した」
と語っているが、筒井はこれだけの大家になるまで、どのくらいの書籍を漁ったのだろうかと思うと、なんだか空恐ろしくなってくる。裏を返せば、これだけの大家になるためには、古今東西の名作を読破する必要がある。つまり、高校の日本史・世界史の歴史に出てくる「名作」といわれる作品を読破するのは必要最低条件であり、さらに文学史上に多大な影響を与えた作品についての詳細を把握する必要がある、ということである。
今まで意識していなかった項目が並び、その文例をあげて開設しているという点では、異色のHow To本というべきだろう。ただしこの手の本は、一度通読しただけで理解することはなかなか難しい。「ああそうか」と思えるまで、何度も繰り返して読み込まないと、理解するのは難しいのではないかと思う。作家を目指す人はもちろん、本を読み解きたいと思っている人は是非読んで損はないと思う。同時に、筒井康隆の文学観がいろんなところで垣間見えて、興味深い一冊になっている。
電子書籍
ウルトラおじいちゃん
2015/08/22 22:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:邪馬台国 - この投稿者のレビュー一覧を見る
電子書籍で購入しましたが、紙書籍の方も装丁が良くて捨てがたいです。筒井さんの手広さと歳を感じさせない物腰の軟らかさとユーモラスな雰囲気は憧れます。
紙の本
創作上、作者が心掛けていること。
2020/06/21 14:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「創作の極意と掟」とあるが、これは作者が考えていることで、掟といっても文章の書き方はかくあるべしとか、日本語としてこれが正しいといった内容ではない。基本、小説は何を綴っても自由であると作者は述べている。
所謂文章読本ではない。