紙の本
夢中の世界
2020/11/15 14:12
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢を映像として記録する、近未来の日本にはリアリティーがあります。VRの到来を予言しているかのようでもあり、夢ビジネスの幕開けが近づいているようにも感じました。
紙の本
ストーリーテリングのうまさが光る。
2015/09/29 12:11
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
純粋にわくわくして次が待ち遠しくなる感覚が、作者のストーリーテリングによって導き出される。夢から幽霊(存在していない幻?)が絡んでくるあたりはちょっと怖くなったが、それだけ作者の筆力が確かということでもある。
ただ、最後がすっきりいかない。具体的には書かないが、理詰めに考えると腑に落ちない点が色々あるのだ。曖昧なまま物語は唐突に終わる、といった印象も受ける。確かに、何もかも説明してしまったら逆につまらないのかなあという気もする。でも、後半まですごく調子よく進んだ話なだけに、最後がやや失速したようにも感じた。
紙の本
悪夢ちゃんのリアルワールド
2014/05/18 07:15
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投稿者:坊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマ悪夢ちゃんの原作ということで、読んでみました。設定や登場人物名は一部共通していますが、ストーリー展開は別物で、すごく楽しめました。夢の可視化は現実になりつつあるそうで、それこそ夢物語ではないらしいです。
電子書籍
面白いのに、あのエンディングはない!
2018/12/08 02:31
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢が可視化できる時代、「獏」と呼ばれる夢を読み取る機械は日本では心理療法分野に特化して使用されていた―という設定は、面白い未来ファンタジーだと思います。主人公は「夢判断」を職業とする野田浩章という男性で、ある日この夢読み取り(夢札を引く)技術の初期から被験者として関わって来た予知夢を見る古藤結衣子という女性の幽霊を見るという体験をするところから物語が始まります。古藤結衣子は彼の兄の婚約者でしたが、予知夢の件で世間の注目を浴びてしまった後は浩章の方が兄よりもむしろ親しい関係にあったという少々複雑に絡んで抑制された恋愛感情が、この物語の根底に仄かに流れています。彼女は10年以上前に火災事故で亡くなったことになっている(死体が確認できなかったため)ので「幽霊」なのですが、浩章が彼女の幽霊を見た日に同僚との見に行った先で彼女とかかわりの深かったドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」が不自然にリピートされていた、というこれからの物語の展開を暗示するような不思議な出来事があります。その後で次の仕事の話があり、全国で散発しているらしい小学生たち(常に一クラスのみの生徒たち)が「何かが教室に入ってきた」とパニックを起こし、その後一部の子たちが悪夢を見続けるという事件の当事者の子どもたちの夢札を見ることになります。子どもたちの夢から実際に何が起きたのかを分析しようという試みでしたが、謎は深まるばかりで、そうこうしているうちにある小学校の1クラス全員が担任の先生とともに神隠しに会うという事件が起こります。子どもたちの集団パニックと神隠し、それにちらほらと見える古藤結衣子の影は関係があるのか、あるとしたらどのように関係しているのか、という謎を追うミステリーは非常に興味深くドキドキしながら読み進みました。
が、しかし、これらの謎はまあ、おおよそはファンタジー的に解明されるのですが、そこまでの話の流れにそぐわないような納得しがたい結末が非常に残念です。ページ数の関係で話をぶった切ったのかと疑いたくなるほど、前後の繋がりが希薄で、謎を残したまま暗示的にフェードアウトする感じです。クライマックスまですごく面白かったのに、「え、これだけ?」というエンディングは腹立たしいですね。自分でエンディングを書き換えたいくらい(笑)
紙の本
モチーフは良かった。
2015/08/25 05:21
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投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢札、夢の可視化(メディア化)と子供の頃から実現してみたかったとても面白いモチーフ。
けれど、大規模な事件と個人宅の出来事、なんとなく大風呂敷を回収し切れなかった感が否めない。
集団の怪奇現象か、恋愛ドラマか、分量のバランスを途中で欠いてしまったように感じた。
恋愛ドラマ、見たかったのですが…。
(読みかけのまま1年くらい置いてしまって、少し忘れたままラストに到達してしまった時と似ている感触。)
TVドラマの方は見ていないので、なんとも。
(ドラマのタイトルに違和感が…。藤子Aさんの漫画かと…。)
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人類は夢の映像記憶に成功した.夢を記録した「夢札」解析を行う浩章に,奇妙な依頼が舞い込む.各地の小学校で多発する集団白昼夢,パニックを起こした子供たちに共通する謎の影.時同じくして,10年前に不慮の事故で亡くなった予知夢を見る女性,結衣子.彼女が各地で頻繁に目撃されるようになった.そして子供たちの夢の中にも・・・.戦慄と驚愕のサスペンス.最後まで一気読み必至です.
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ドラマの悪夢ちゃんは1~2回見たんだけど、かなり内容違ったのね。
月の裏側系だったんだ。
わりとちゃんとホラー的な。
うーん、でもラスト気になるな。
主人公の奥さんはどうなったのかとか。
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好きな作家さんは何人かいて、それぞれに独自の世界観をもっていらっしゃいます。精神的な世界を描いた作品の多い恩田陸さんの最新文庫本も、とても不思議でとても興味深い一冊でした。
■夢の世界を描いた一冊
今回ご紹介するのは恩田陸さんの「夢違」という一冊。夢を映像化して見られるようになった世界が描かれていますが、夢を映像化されることの怖さがジワジワと忍び寄ってくる一冊です。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女はー。悪夢が現実に起こるのを、止めることはできるのか?戦慄と驚愕の新感覚サスペンス!
恩田陸さんの作品は現実と非現実の境目が曖昧なものがいくつもあって、読見終えた時に「結局どうなったんだろう?」と結末が分かりにくいものもあります。
今回ご紹介している「夢違」もそんな作品のひとつで、物語の中で発生する事件や出来事の明確な結末が示されているのではなく、読者自身が読み終わってからこうだったのかなと推測するような感じの終わり方をしています。
そういう意味では、読んだ方によっては物足りなさを感じるかもしれませんし、逆に「夢」が持つ不思議さを身体中で感じる方もいらっしゃるかもしれません。
私は「夢は外側から来る」という言葉や「誰かを夢で見るのはその人があなたに会いたいからだ」という言葉が妙に心に残って、自分自身の夢に対して深々と考えてしまうような読後感を覚えました。
恩田陸さんの作品の中では、個人的には「ライオンハート」が大好きです。時空を超えて愛情が連綿と続いていくという内容ですが、独自の世界観と次々と現れては消えていく過去と未来が混沌として続いていく内容には引き込まれてしまいました。
物語の中の出来事を通じて自分自身の内面を見つめてしまう一冊。今回読んだ「夢違」はそんな一冊だと思います。
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夢を記録し映像化することができるようになった時代、それを解析する夢判断を職業とする浩章の元に奇妙な事件が舞い込む。小学校での集団パニック、そして神隠し。その周辺には亡くなったはずの結衣子の影が。彼女は予知夢を見る者として注視されていたのだった。
次から次へと奇妙なファクターが沸き上がり、それに翻弄される様が実に怖かったです。しかもその全てに明確な理由や正体が述べられる訳でないので、翻弄されっぱなしになる怖さがあります。この感覚は恩田陸独特のものでしょう。風呂敷を広げたまま終わるというのが、こんなにも怖さを引き出すのかと思い知らされました。どうなるか判らないという怖さを残して終わるのが何とも言い難い読後感を残します。
他人の夢や白昼夢、監視カメラの映像などに現れる結衣子の姿というのも怖さを引き立てます。ある種のホラークイーンのような存在なのかも。実際には夢からの解放を願う悲しさが増しますが。
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心理ホラーとでも呼ぶべきなんだろうか。
夢を可視化することができるようになった時代。そこで起こる夢を介した不可思議な出来事。
それにはかつて予知夢をみることができた女性が関わっているようで。
心理学は短大時代も大好きだったので、こういうホラーは好きです。ラストシーンが泣ける。
そして恩田陸さん、あなたもキングがお好きなのね(笑)
ミストネタが出てくるとは思わなかったわぁ!
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恩田さんの最後のはっきり結論がでないあたりはおなじみ。
ファンタジーともミステリーとも言い難いこの感じはなんて表現したらいいんだろう。
個人的には、テーマとなる「夢」について、この小説が何を語っているのかもう一度読みなおしたい。
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悪夢ちゃんの原作。この本、ハードカバーで出たときから気になってて、期待してたけど、ちょっと思ったのと違った。もっと濃いものを期待してたから、ちょっと残念。
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TVドラマ「悪夢ちゃん」の原作ですが、こちらは、大人向けでシットリ苦しいストーリーです。
(予知夢と主人公の名前以外あってない)
夢をビデオで撮れるかぁ、実現しそう。。。
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よくもわるくも恩田作品。
夢を映像化することができる世界。
それを分析する主人公…
なんてユニークな設定!
あらすじを読むだけでわくわくしました。
東京から岐阜、名古屋、奈良…と
ストーリーの中で主人公たちが
いろんなところへ行くので
小旅行気分も味わえます。
赴く理由や目的がヘビーなので
観光どころじゃないですけどね。
恐ろしい予知夢や悪夢、神隠しにタイムスリップ、
不気味に蠢く怪しい影、監視カメラや窓に映る幽霊…
ホラー要素が満載で、ぞっとなる場面がいくつもあります。
登場人物たちは連日の悪夢や怪奇現象、
そして職業病である“夢札酔い”に悩まされているのですが、
この本を読んだ自分が今日から悪夢に魘されそうです。
オチはなんとも言えない曖昧さ。
解決されない謎が多すぎてもやもやが残ります。
『終章 夢違』について。
三月十四日、月曜日。あの春に。
嫌な夢をよい夢に変えてくれる夢違観音。
ふたたび出会い、触れ合う二人…。
もしこれが現実世界での出来事なら
不自然な点が多いうえ、バッドエンドな気がしてなりません。
(特にハッピーエンドを求めているわけではないのですが)
たとえばこれが現実ではなく夢の世界での出来事で、
両者もしくは浩章か結衣子どちらかの夢に
ふたりがアクセスしたとするなら…
浩章の夢の場合
既婚者なので、奥さんのことを考えると
いくら初恋の人が相手とはいえちょっと嫌な終わり方。
集団的無意識の一部となった結衣子に介入されたのか?
そしてそのまま連れて行かれたのか?
結衣子の夢の場合
今まで悲惨な予知夢しか見てこなかった彼女の
最後(晩年)に見ていた幸せな夢の内容が、
このラストシーンであればいいなと思います。
とは言っても、さすがに自分の夢の世界に
他人を取り込んでしまうのは…うーん…。
それが無意識だったとしても、怖いものは怖い。
P256~257に書かれているエピソードが
この夢の予知夢だったのかな、と。
夢の予知夢ってのも不思議な話ですが。
久しぶりに恩田さんの本を読んだのですが、
「そうそう、恩田さんといえばこの感じ」
…と再認識しました。笑
近頃読んでいた他の作家さんの本はほとんど
ラストまでに伏線をきっちり回収して
すっきり終わるお話が多かったので、
余計そう感じてしまったのかも。
読んでいてなんとなく
『球形の季節』を思い出しました。
都市伝説や神隠しからの連想?
あと『ネクロポリス』も。
八咫烏が出てきたからかな。
それにしても人面八咫烏って怖すぎる…。
なんにせよ、とにかく恩田さんの作品は
境界線があやふやで不透明な世界に行き着くお話が多く、
オチもはっきりせずにもやもや終わるのがデフォルト
…と言っても過言ではないので、
そういったものが苦手な方にはお���すめできません。
すこし癖のある、幻のような曖昧な世界に浸って、
雰囲気をたのしむにはもってこいだと思います。
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夢って不思議。見ているときは泣いたり笑ったり苦しんだりしているのに、ぱっと目が開いた瞬間にどこかへ消えてしまう。かすかに残るのはちょっとしたドキドキや涙のあと。
夢を記録して自分や他の人が見れるように出来るなんて!!ちょっと不思議な感じ、そこまで視覚化しなくても……。
実際に見た気憶を視覚化して犯罪捜査に使う漫画を思い出した。う~ん 題名と作家名が出てこない、なんだか悔しい