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- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2014/04/02
- 出版社: 山川出版社
- サイズ:21cm/125p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-634-47484-0
紙の本
サイバー・イスラーム 越境する公共圏 (イスラームを知る)
著者 保坂 修司 (著),NIHUプログラムイスラーム地域研究 (監修)
イスラームという教えはインターネットをどのように変質させていったか。また、インターネットはイスラーム社会やイスラーム教徒をどう変質させたのか。「アラブの春」における事例な...
サイバー・イスラーム 越境する公共圏 (イスラームを知る)
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商品説明
イスラームという教えはインターネットをどのように変質させていったか。また、インターネットはイスラーム社会やイスラーム教徒をどう変質させたのか。「アラブの春」における事例などを通して、その化学反応の過程に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
保坂 修司
- 略歴
- 〈保坂修司〉慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻は湾岸地域近現代史、中東メディア論、科学技術史。日本エネルギー経済研究所研究理事。著書に「イラク戦争と変貌する中東世界」など。
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書店員レビュー
インターネットとイスラームの関係を概観する
ジュンク堂書店ロフト名古屋店さん
インターネットが世界に及ぼした影響は計り知れない。もちろんイスラーム世界もまた例外ではない。本書のタイトルであるサイバー・イスラームとは仮想空間、すなわちインターネットなどのサイバースペースにおけるイスラーム共同空間全般のことを指す。かつてはイスラーム世界ではコーヒーショップなどで議論が繰り広げられていたが、現在ではその舞台がネット上にも展開されている。こうした不特定多数の人々が議論を繰り広げられる空間…公共圏がもたらす社会・政治への相互作用を検討するのが本書の目的である。
インターネットとイスラームと言われれば、まず挙げられるのがいわゆる「アラブの春」と呼ばれる民主化運動であろう。フェイスブックやツイッターといったSNSが大規模デモの動員に寄与し、独裁政権を打倒する大きな原動力となったとする見方である。
ところが本書の筆者はそのような見解に疑問を呈する。いわゆる「アラブの春」が起こった時点で、該当国のネット・SNS利用状況は当局の統制・規制もあって非常に低い水準となっている。それよりもデモが同心円状に広がっていること(ネットが原因であれば同時多発的に発生する)、ネット・SNS利用状況からアルジャジーラなどの従来のメディアが果たした役割も大きいのである。巷間で語られるネットメディアが「アラブの春」を先導したと断言するには検証が必要である。実は明確な証拠がないのだ。
いわゆる「アラブの春」以降、各国のネット・SNS利用率は向上傾向にある。成長過程にあるサイバー・イスラームがイスラーム諸国に与える影響はますます大きくなる。本書はそんなイスラームとインターネットに焦点を絞って論じてくれている。全編通して他のイスラーム関連本ではなかなか見られない話題が多い。特にバーチャル・インティファーダやサイバー・ジハードなどを取り上げた第2章は印象的である。多種多様なテーマから掘り下げていく「イスラームを知る」シリーズとして面目躍如の一冊である。