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- カテゴリ:一般
- 発売日:2014/04/27
- 出版社: 東京創元社
- サイズ:20cm/313p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-488-01011-9
紙の本
Q 上
一五五五年、欧州ではないどこかの街。主人公が密偵Qの遺した手記を読む。「ローマの支配を覆して農民や炭鉱夫のユートピアを建国する」という主人公と同志たちを陰で操り、その夢を...
Q 上
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商品説明
一五五五年、欧州ではないどこかの街。主人公が密偵Qの遺した手記を読む。「ローマの支配を覆して農民や炭鉱夫のユートピアを建国する」という主人公と同志たちを陰で操り、その夢を崩壊させた宿敵の手記を読みながら、血塗られた闘いの日々と死んでいった仲間を回想する。宗教改革の、主人公の、Qの時代の幕開けだった。全世界で100万部突破!本国で著者の正体はエーコではないかと話題を呼んだ作品。【「BOOK」データベースの商品解説】
16世紀、民衆のユートピア建国を目指す主人公たちを陰で操り、彼らの夢を崩壊させたのは誰か。主人公は密偵Qの遺した手記を読みながら、血塗られた闘いの日々と死んでいった仲間を回想する…。【「TRC MARC」の商品解説】
主人公と同志たちの夢を陰で操り崩壊させた密偵Qとは何者なのか。『薔薇の名前』+『ダヴィンチコード』+〈007〉。著者の正体はエーコではないかと話題を呼んだ超大作。【商品解説】
著者紹介
ルーサー・ブリセット
- 略歴
- 〈ルーサー・ブリセット〉ボローニャを拠点に活躍する4人のイタリア人。
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紙の本
謎の作者による中世ドイツの宗教戦争
2018/05/06 23:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者が正体不明ということと、エーコばりの内容だという点が気になって読んでみた。
先にあとがきを読むと、作者はあらゆる権威に対抗するために正体を隠し、ルーサー・ブリセットという通称をつかうことで、この運動に共感した芸術家たちの集団だという。
内容は今まであまり注目をあびることのなかった中世ドイツの宗教改革の裏面史とでもいおうか。世界史で習ったルター、カルヴァンだけではない、下層の民衆の切実な改革・闘争の物語である。狂言回しの役割も演じる主人公は、作者のように偽名を使い続け本名は不明である。各地で巻き起こる熱烈な運動を前にして、アジテーターのような予言者たちと行動をともにし、武装蜂起が失敗すると逃亡・潜伏を繰り返す。
一方これら改革派をつぶそうと、守旧派であるカトリック側は虎視眈々と密偵を送り込む。この密偵が一体誰なのかが物語のもうひとつのテーマにもなっているようだ。
常に改革派の一歩先を行き、情報操作や工作もお手のもの、この密偵が「Q」だ。
読んでいるとあまりにも主人公たちの行動が無謀すぎて今ひとつ共感できにくい。
なんど叩きのめされても、場所とメンバーを変えて再び立ち上がるエネルギーは一体どこからでてくるのだろう。