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宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト どこから来るのか、なぜ起こるのか (ブルーバックス)
著者 村上 敏夫 (著)
謎に満ちたガンマ線バーストの発見のドラマから書き起こし、なぜ長い期間にわたり理解されなかったのか、世界中の研究者を巻き込んでの長い大論争を紹介。ガンマ線バーストと相対論が...
宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト どこから来るのか、なぜ起こるのか (ブルーバックス)
宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト どこから来るのか、なぜ起こるのか
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商品説明
謎に満ちたガンマ線バーストの発見のドラマから書き起こし、なぜ長い期間にわたり理解されなかったのか、世界中の研究者を巻き込んでの長い大論争を紹介。ガンマ線バーストと相対論がどのように関わっているのかも説明する。【「TRC MARC」の商品解説】
宇宙で最大で最強の巨大な星の爆発、“宇宙のモンスター”ガンマ線バーストとはいったい何か? 数千億個の星からなる銀河よりも明るい大爆発は、どこで、どのように発生するのか? 長い論争の果てに下されたその結論に科学者たちが困惑した理由は一体? ブラックホールとの関係、宇宙の歴史、生命大絶滅との関係……。宇宙物理学で今もっとも注目される現象をひもといていく。(ブルーバックス・2014年3月刊)
ガンマ線バーストは、電磁波の一種であるガンマ線が大量に放出される「宇宙最大の爆発」のこと。数千億の星を集めた銀河よりもずっと明るく輝く想像を超えた大規模な爆発です。最近では恐竜の大絶滅の原因ではないかという説もあります。
ガンマ線バーストの発見は、米ソ冷戦下におけるアメリカの核爆発探知衛星による偶然の産物でした。どこかの国が核実験をしたために起きたものだと考えられ、秘密裏に研究が進められました。地球ではなく宇宙で起きたことが分かり、情報が公開されてからも、たった数十秒しか続かない短い現象を詳細に観測することは難しく、長らく謎の現象とされてきました。
研究が進展したのは、発見から30年たってからのこと。ガンマ線バーストが起きてから数日間、X線や光を出すことがわかったのです。その光を観測したところ、その起源は、数十億光年もの遠方だとわかりました。これほど遠くで起きるにも関わらず地球でも観測できるほどの大爆発だったのです。
また、はるか遠方で起きることから、ガンマ線バーストによって宇宙の起源が解明できるのではと言われています。数十億光年の距離を光が旅するには数十億光年の時間がかかります。つまり、遠くから来るガンマ線バーストをみることは、数十億年前の宇宙をみることでもあります。様々な場所から届くガンマ線バーストを観測すれば、宇宙はどのように始まったのか、最初の星はどのように生まれたのか、謎に包まれた暗黒の時代を照らし出すことができると考えられているのです。
では、この爆発を起こしたのは誰だろうと、犯人捜しが始まりました。観測の進歩によってブラックホールとの関連や、巨大な星が死ぬときに発生することも明らかになりました。しかし、犯人が見つかっても、ガンマ線バーストがどのように起こるのかは分からなかったのです。
たった1個の星の起こす爆発が、どうして数千億の星を集めた銀河よりも明るく輝くのか? そのエネルギーはどこから来るのか? 観測結果が集まっても研究者たちはそれをうまく理解できなかかったのです。その謎をとく鍵は相対性理論にありました。
巨大な爆発はどこでどのように起こるのか? ブラックホールや相対性理論はどのようにかかわってくるのか? 宇宙の起源や生物の大絶滅との関係は? 宇宙物理学で、今もっとも注目される現象を、第一人者が繙いていきます。【商品解説】
目次
- 第1章 ガンマー線バーストの発見と性質
- 第2章 ガンマ線バーストの観測競争と大論争
- 第3章 本命の登場
- 第4章 ガンマ線バーストの理論
- 第5章 宇宙の一番星を探す
- 第6章 ガンマ線バーストはいたるところに登場する
著者紹介
村上 敏夫
- 略歴
- 〈村上敏夫〉1947年愛知県生まれ。名古屋大学大学院理学研究科博士課程中退。理学博士。金沢大学名誉教授。専門はX線ガンマ線宇宙物理学。
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大爆発
2014/10/11 18:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙での特大の爆発現象、と言われた場合、誰もがすぐ思い浮かぶのは「超新星爆発(スーパーノヴァ)」
超新星爆発(スーパーノヴァ)を解説した本を読めば、少なくとも想像が追いつかないくらい、もの凄い現象だ、という事くらいは分かる。
が、その超新星爆発を超える現象が「ガンマ線バースト」と呼ばれる現象。
超新星爆発(スーパーノヴァ)の中でもブラックホールができるほどのものは、区別され、「極超新星爆発(ハイパーノヴァ)」と呼ばれる。
爆発の規模の違いで区別されるのだが、その違いは、文字通りの意味での「桁違い」
超新星爆発(スーパーノヴァ)の段階で、想像力がギブアップしているので、「とんでもなく凄い現象」としか認識できない。
ガンマ線バーストは、極超新星爆発(ハイパーノヴァ)でブラックホールができる時の「産声」だそうだ。
突然、現れ、あっという間に終わるのだが、瞬間的にとはいえ、その明るさは全宇宙の星の明るさを合わせたものより、明るくなるらしい。
これ以上ないくらい、迷惑な産声。
ガンマ線バースト自体は1967年頃には発見されていたが、原因が分かったのは約30年後。
その強力なエネルギーと、発生時間の短さが原因究明の最大のネックだった。
本書では、ガンマ線バーストの解説と、その原因が解き明かされる歴史を解説したもの。
専門的になる部分は、歯が立たなかった。
が、科学者がガンマ線バーストの原因を解き明かす歴史は、二転三転して面白い。
天文学者の多くが支持しなかった説が最終的に正しかったなど、なかなかドラマチック。
遠い世界でのことであるガンマ線バースト。
が、人間の体に使われている、鉄より重い元素、金属はガンマ線バーストと共に作られたかもしれないらしい。
だとすると、何も知らずにガンマ線バーストの恩恵だけ受けていた、という事になる。
さらに地球も極めて弱いガンマ線バーストを起こしているそうだ。
(「ガンマ線バースト」とは区別され、「ガンマ線フラッシュ」と呼ばれる。)
台風や前線の上空で、数ミリ秒のガンマ線フラッシュが発生するらしい。
その発生の仕組みは、今でも謎。
雷の放電とは、時間的に一致しないとか・・・。
ところで、本書の最後で紹介されていたが、ガンマ線バーストを使って、宇宙の「一番星」を研究するための人工衛星が計画されているらしい。
名前はガンダム(GUNDAM:Gamma-ray burst for Unravelling the Dark Ages Mission)
http://astro.s.kanazawa-u.ac.jp/~yonetoku/hiz-gundam/index.htm
やはり、アレのファンだったのだろうか。