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商品説明
日本の政治家・官僚は真の国益を考えているのだろうか。尖閣諸島をめぐる日中の内幕を、実在の人物を数多く登場させながら、これほど鮮明に分かりやすく読ませた本は、これまであったろうか!!【「BOOK」データベースの商品解説】
2022年、外交官・西京寺大介は、尖閣諸島の扱いで外務事務次官に真っ向から反対し、外務省から追い出されるか否かの瀬戸際にいた…。外務省元官僚によるノンフィクション・ノベル。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
孫崎 享
- 略歴
- 〈孫崎享〉1943年旧満州国生まれ。東京大学法学部中退。外務省入省。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。2002〜09年まで防衛大学校教授。著書に「独立の思考」など。
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書店員レビュー
小説 外務省
ジュンク堂書店那覇店さん
大反響を呼んだ「戦後史の正体」から2年、この本もやはり「みんな知っている」と思われていることを別角度から映し出すという意味で、事実を立体的に描き出しています。政治的に邪魔な人間を排除する「人物破壊」という驚くべき手法や、「ジャパン・ハンドラー」というものの存在など、表には出てこないけれど知っておきたい、一歩踏み込んだニュースの読み方が身につく良書です。
紙の本
外務省の中身
2020/09/03 11:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の孫崎は最近でもテレビで見かけることがある。外務省のキャリア外交官で、本省局長や大使経験者であるが、外務省の方針に反旗を翻していた。とくに日本の対米追従政策に我慢がならなかったようだ。キャリアの外務官僚でありながら、次官、OBらの米国派の厚い壁に堂々と立ち向かうというのは自殺行為だと思うが、外務省にも不満を持つ人が少なくないということかもしれない。
本書の登場人物は通常の小説とはやや趣が異なっている。主人公は架空の人物であるが、これは孫崎の仮の姿であろう。孫崎は実名で小説に登場している。実名で登場する幹部もいれば、仮名と思われる幹部もいる。本書のスコープは外務省全体であるが、中でも尖閣諸島に関する日中間の争いに焦点を当てている。著者は尖閣については田中角栄、周恩来会談の時点で課題として扱わないという合意があったことを主張したいようだ。
丁度民主党政権のときに石原都知事が都民の税金で尖閣を買い上げるという提案をし、実際に募金活動まで行ったことは記憶に新しい。そこでときの野田内閣は強引に国有化してしまった。これで火がついて中国政府がプロデュースしたデモ行動によって、中国に進出していた日本企業の施設や商品が膨大な損害を被ったわけである。
その先ぶれとして中国は漁船を利用した。漁船を海上保安庁の巡視艇にぶつけてきて、海保は漁船を拿捕し、船長を逮捕した。この際の政府の対応にも一貫性がなく、国民の大きな批判を浴びたのであった。
小説はそのすべてを明らかにはしていないが、かなり具体的な材料を出して記述している。外務省は国民からは離れた存在なので、日常的に何を行っているかは分からない。課長補佐級の主人公が日々どのように動いているかは覗けるので、興味深く読んだ。
日本政府が、その逐一を米国にお伺いを立て、米国がNOといえば、何もできないというのでは、それが真実ならば限りなく属国に近い。大統領がオバマからトランプに代わり、アメリカ・ファーストを掲げる政権になった結果、米国の力は急速に低下し、とくに安全保障に関しては世界の警察官を務める実力を喪失しつつある。
そういう点ではわが国独自の外交政策は、中国の進出を見るまでもなく、これからの政権に必須の宿題だと認識させられた。
紙の本
小説外務省 1 尖閣問題の正体
2018/01/03 00:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:在外邦人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
すべての日本人が知るべき事柄でありながら正しく伝えられておらず、小説家ではない外交官が止むに止まれず執筆したその心情がヒシヒシと伝わってくる著作だ。興味深く、明快に、分かりやすく日本外交の実情を描いている。難しい事柄を高校生にも理解出来るよう説く力量には、いつもこれぞ頭脳明晰な人の手に成るものと感嘆させられる。小説の形態を取らざるを得なかった事情は察するに余りある。
紙の本
純粋な小説としてはちょっと
2016/03/13 23:43
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
孫崎氏のフォロワーとして彼の著書も何冊か読んでます。尖閣問題もなぜこの時期に突然出てきて騒がれているのか妙にうさん臭く感じていたので興味があり、小説という形態をとるこの本を手に取ってみました。色々とすっきりと納得のいく観点、すなわち『戦後史の正体』ですでにおなじみの「従米」か「自主路線」かの対立軸があり、尖閣問題再浮上は「従米」で、日米軍事同盟推進のための駒に過ぎないという位置づけで説明されており、理解しやすかったです。孫崎氏自身も登場し、割と重要な役割をはたしているところなどは笑えますが、その辺は「ご愛敬」ということで許せる範囲だと思います。
ただ、ドキュメンタリーではなく、小説という形の良し悪しには議論の余地があると思います。外務省の異端児、左遷を怖れず自分の意見を述べる主人公西京寺大介というキャラは魅力的で、一種のカタルシスを読者に与えるのですが、純粋に小説としてみた場合、ストーリー展開は今一だと思うし、結末も中途半端な終わり方のように感じます。
紙の本
ごっちゃ
2016/05/26 11:58
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは小説なのか?小説であってほしい。フィクションなのかノンフィクションなのかごっちゃになってしまう。
元外交官だったからこそかけた一冊であり、多くの大手出版社が出版を断ったからこそ現実感みたいなのを感じてしまう。
小説としては、筆者が作家ではないので拙さみたいなものは感じたが、内容は面白い。