紙の本
鈴木智彦って人は…もう…
2016/01/17 14:20
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投稿者:カーネル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヤクザ専門ライターを自称する鈴木智彦氏が、福島の原発に潜入とのことで、期待して購入。
ヤクザとのいつものやり取りは少なめだが、原発潜入の切っ掛けとなった 地震直後の暴力団の支援物資搬入のくだりが印象深い。暴排条例くそくらえって感じの被災者とヤクザの人間臭さがいい。
また、原発、放射能関連の鈴木氏の勉強ぶりもさすがである。
そして、実はビビり故の虎ノ門病院での血液採取。これはもっと一般人も知っていて良いのではないかないか、と思う話。勉強になった。
原発内部の話も興味深いが、原発作業員の日常が、本当に日々の生活の延長以外の何物でもないというある種の異常さに、少々頭が混乱した。
ヤクザと原発の共通性を指摘する声の真実味は、実際に作業を経験した鈴木氏により裏付けられたように思う。
鈴木智彦氏の危なっかしい今後も想起できる一冊か。
紙の本
暴力団専門ライターが東日本大震災後の東京電力福島原子力発電所に潜入ルポしたノンフィクション
2022/11/08 12:12
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投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
3.11の東日本大震災による東京電力福島原子力発電所事故のあと、暴力団があらゆる手を使って人手を集めて福島第一原発の除染作業を行い、そこから除染作業員や東京電力の協力会社からピンハネしているという噂を聞いた著者がツテを使って自ら原発作業員になって潜入ルポするというノンフィクションである。
暴力団対策法の完全施行以降、反社会的勢力とみなされた暴力団が衰退する一方で、東京電力福島第一原発の除染作業等に深く関わって堅いシノギになっている実態を浮き彫りにした。
紙の本
福島第一原発の作業現場の事実を作業員となって潜入し報告した突撃ルポ
2016/07/14 17:57
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
暴力団関係の取材を得意とする著者が、実際に福島第一原発での作業員として現場に潜入し、その実情を伝えたノンフィクション。福島第一原発の現場作業への作業員派遣絡みで暴力団がいかに関わっているのかという点に著者が着目して、実際に自ら作業員として雇用されて現場に入ります。
暴力団との関わりに関しての記述は書名の割に少なく、それよりも本書の読みどころは2011年の夏ごろの福島第一原発で働く作業員の日常や、作業の様子です。
作業を進めるために形骸化する除染のルール、作業員に現場の状況に関して緘口令を敷いたり、作業員にまともな放射線防護教育を実施しない下請け企業など、報道されない様々な実情が描かれています。
本来守られるべきルールや安全が形骸化している様子は誰もが「それはおかしい」と感じるはずです。しかしそうでもしないと作業が進まないという矛盾した状況に、原発の事故が他の災害や事故とは全く異なる種類のものだという事を考えさせられます。
専門用語などもほとんど出てこず、あくまで専門知識のない「一般の人」の視点で記述されているので、読みやすいです。
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地震発生年の夏に、実地にて作業した結果をルポしたもの。まさに潜入記。そして帯に煽られつつ読み、確かに修羅場であると理解。やはり、というところも多々あるが、予想を超えるところ多く、驚く。4年たった今も、あまり多勢は変わっていないようなので、まだまだそのままで復旧とはいかないのだろう。難しい問題、本当に。
線量より汚染が重要、造血幹細胞移植等、いままであまり言われていなかった?ことを本書で初めてしったことは大きいかも。ほんとになんにも原発、放射能について知らない、ということを知る。BBシリーズ等でいくつか初心者向け原発技術の本があるので、ちょっと読んでみることに。
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福島原発の作業現場への潜入ルポ。現場で働いている人たちの背景が見え隠れするのだが、プライバシーの問題があるせいか、少し中途半端な気がする。
もっと色々な事実を入手していることは想像に難くないが、あくまでもライターの域を出ていなくて、ジャーナリズムになっていないのが惜しい。
また、ヤクザが原発をシノギにしている情報に触れても、さもありなんと納得してしまう。これは、日本のムラ社会構造に慣れきってしまっているせいであろうか。東京電力を始めとする福島原発の現場で起きている事についても、詳らかにされない事実があるであろう事は、日本中が感じている事だと思う。
福島の復興を邪魔する気もないし、風評被害にあっている人々がいることも事実であろうが、本当に何が起きていたのか、そして今も何が起き続けているのかをジャーナリズムの視点で語って欲しかった。
この本が翻訳されて海外で読まれれば、日本が時代遅れの隠蔽社会であるという理解をされるであろう。著者の主張がそこにあるとすれば、何が問題なのかをもっと掘り下げて欲しい。
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前半は,原発にどう暴力団がかかわっているかというところに焦点があてられているが,著者が原発で働き始めたあたりから,原発での作業の実態が浮き彫りになってくる。東電やメーカーが明らかにせず,マスコミも明らかにしない事実ばかりが出てくる。
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暴力団といい、原発といい、非常に難度の高い部分への潜入に頭が下がる。こういう著者はもっともっと脚光を浴びるべき。良書。
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情報自体の稀少性は疑うべくもないが、その価値を減じてしまう文章の粗雑さが残念でならない。前後の文章の関係性が不明瞭な個所が多々あり、文意を正確に把握できない。それが臨場感のある文章であり、ルポルタージュの醍醐味ということなのだろうか。
筆者自身も本書の中で言及している通り極めて特殊な環境下で「今なら完全なる情緒不安定で、自己陶酔の極みだったと理解できる」との記載から、ある程度自覚的だったのだとは思うが、本書全体を通して感じたのは筆者自身の強烈な自己陶酔だった。
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横綱のみ大砲さんの言うように文章が粗雑すぎて、せっかくのルポの価値を半減させている。
いまの私たちの生活が様々な物の犠牲の上に成り立っているということを今一度認識し、この先どう進んで行くのがベターなのか、立ち止まって考える必要がある。
マスコミも思考停止ているような現状に、体当たりして取材した著者の勇気には敬意を表する。
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「闇営業」という言葉でヤクザさんの本が目につき再読。
ヤクザさん、なくならないよ。必要悪だもん。
しかし、終章読むとため息しかない。
最近、福島第一の報道、見かけません。
汚染されている事に、私達は気づかされたとしても、何もできない。化学の技術の発展を祈るのみです。
潜入ルポしてくれたから読めましたが、お身体大丈夫何でしょうかね?
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【原発はヤクザにとって「最大のシノギ」】暴力団専門ライターが作業員として福島第一原発に潜入したルポ。そして用地買収や作業員派遣で原発に食い込むヤクザの実態を暴く。
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福島第一原発に作業員として潜入した体験談と他の作業員への取材が読み応えがあった。2011年の夏ごろの現場の実情を伝える貴重なノンフィクション。
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暴力団関係の取材を得意とする著者が、実際に福島第一原発での作業員として現場に潜入し、その実情を伝えたノンフィクション。福島第一原発の現場作業への作業員派遣絡みで暴力団がいかに関わっているのかという点に著者が着目して、実際に自ら作業員として雇用されて現場に入ります。
暴力団との関わりに関しての記述は書名の割に少なく、それよりも本書の読みどころは2011年の夏ごろの福島第一原発で働く作業員の日常や、作業の様子です。
作業を進めるために形骸化する除染のルール、作業員に現場の状況に関して緘口令を敷いたり、作業員にまともな放射線防護教育を実施しない下請け企業など、報道されない様々な実情が描かれています。
本来守られるべきルールや安全が形骸化している様子は誰もが「それはおかしい」と感じるはずです。しかしそうでもしないと作業が進まないという矛盾した状況に、原発の事故が他の災害や事故とは全く異なる種類のものだという事を考えさせられます。
専門用語などもほとんど出てこず、あくまで専門知識のない「一般の人」の視点で記述されているので、読みやすいです。
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著者が原発で働く描写が生々しい。
訴訟を免れるため、実際に3日だが鳶職を経験したそう。
原発付近にはダチョウがいる。
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2014(底本2012)年刊。
新春原発3部作のトリ(嘘)は、裏社会系ライターが身と命を削り、フクシマ事故現場の処理作業に潜入した取材録。
東電や大手、また自衛隊など公務員と、現場作業員との待遇面での格差が浮き彫りに。著者の経歴が為せる技は、現場作業員を集めるルートの要としての裏社会、シノギとしての原発(地元合意の取り纏めと反対派活動の抑止・制圧他)等の解読。
確かに叙述の踏み込みは隔靴掻痒。裏社会が主で、原発への焦点合わせは甘く感じるものの、それでもなお得難いレポでしょう。
田舎→村社会→濃密な人間関係のため情報秘匿。そして隠蔽。この関係性が成立するのは都会ではなく田舎であり、原発立地が田舎に遍在する要因とみる。
やや短絡的ではあるが、原発内の労働者への直接取材が難航し、かつ著者の立場があからさまになった途端、態度が豹変した同僚・上司からも伺える。
また、問題意識としては、測定される放射線量だけでなく、低レベル放射線を持つ大量の汚染物質の持続的な拡散、吸入・摂取に無頓着だった点、その基準値を震災後変更し、今まで問題とされた事態を社会的に問題なしとしてしまった、のみならずそもそも線量測定も杜撰だった可能性が示唆される。
◆一方の裏社会。警察対応の厳しさは西高東低。そして、東低の要因として、表権力に張り付いて、その応援団を構成するのが裏社会だとの構図を指摘する。とはいえ、裏社会が原発労働者を集めるために利用する場所が大阪西成あいりん地区というのが、なかなか振るっている。