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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリアル、スナック菓子、清涼飲料、加工肉、チーズ加工品、チョコレート菓子等、加工食品業界の実態を暴く良書。膨大な取材およびインタビュー、綿密なたばこ裁判資料の分析がすばらしく、読んでてとても面白い。著者はジャーナリストでありながら、肥満の原因となる食品を製造している企業に対して一定の理解を示しており、比較的中立な立場を取っている点も非常に良いと思う。
個人的には、消費者に受け入れられようとする企業の並々ならぬ努力が印象に残った。彼らがそこまでして消費者理解に努めているのに、健康な食生活を目指す人や指導する立場にある人は、自分自身であれ、他人であれ過食傾向の人の行動や考え方についてどこまで理解しているだろうか。肥満の人が何パーセント増えたとか、体重が多い人が病気にかかる確率はそうでない人より何パーセント高いとか。そういうレベルの話ではない真の理解が必要なのではないか。
紙の本
なぜ美味しいのか
2020/09/22 18:13
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投稿者:翔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私たちが好んで食べているものは、すべて線密に計算され尽くした上であるものです。良い面もありますが、弊害も多いです。どうしてもやめられない、やみつきになってしまうなど、それも計算済みなのです。食について興味があるすべての人におすすめです。
紙の本
アメリカの食品開発事情
2015/01/28 13:02
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投稿者:ほうすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカにおける食品開発、特にスナック菓子の開発裏話がメインです。
日本とは常識がかけ離れてる部分も多く見られますが、総じて興味深い話でした。
例えば、一般的に健康的なイメージのあるシリアルなどに入ってる成分をしっかり見るとビックリ!とか、本当に健康的なシリアルを作っても売れなかった話などは日米共通です。
ただ、最後に紹介される科学の粋を結集して作った究極のスナックとして、チー○スとド○トスが出てきた時は、アメリカ人の味覚って…と思いましたが。
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糖分・脂肪・塩分の正しくトラップにさらされている実態を克明に暴いたドキュメント。
アメリカの、そしてそれを追う日本の思いやられる歴史と現状、余程の選択眼と知識武装なくしてはとても自己防衛できそうにはない。恐ろしや!!
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ソフトカバーで530P強。ものすごく小さい字のところもあり、読み応え充分……。
「糖分」「脂肪分」「塩分」の三章に分かれていて、ドキュメンタリータッチで真相に近づいていく。加工食品、外食産業花盛りのアメリカの話だけれど、沖縄に住んでいる今、とても他人事とは思えず。
なんにせよ、売る側は買う人の健康なんて考えていないし、自分達が売っている物を食べてもいない(人が大多数)。すごく見下している、というのが率直な感想。
内容的に勉強になったのは、人の身体は「液体のカロリー」を扱うのが苦手、ということ。砂糖も溶けていれば身体に入ってしまう。(個体では、コップ一杯の加糖の炭酸飲料分の小さじ6杯の砂糖は食べられない)
濃縮果汁還元の100%ジュースも、砂糖、コーンシロップ(果糖ブドウ等液糖)と同じ種類の糖分と思っていい。(栄養素は加工過程で抜けている)
私は、「これがないと生きていけない」は好きじゃない。だから、読んでよかったと思う。
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食べるものを 売らんが為に、こんな風に作って、売る、組織も会社もサイテー。そういう物を購入しないように 気をつけなくては・・・
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「脂肪です」
「糖分です」
「塩分です」
「出たな、余分3兄弟っ」
なんていう飲料のコマーシャルを思い出した。食事や間食での
摂取量に気をつけないと体に悪影響を及ぼす余分3兄弟。
この余分3兄弟をふんだんに使用しているのがアメリカの加工
食品だ。本書はアメリカの加工食品会社が商品に仕掛けた
巧妙な罠で、消費者を過食へと導く行程が描かれている。
文明かが進めば進むほど、人々は食事に時間をかけなくなって
行く。料理をする時間さえ惜しむほどだ。するとどうなるか。手軽に
食べられるインスタント食品やスナック菓子が喜ばれる。
そこには大量の脂質・糖質・塩分が含まれている。それが人々の
食欲を満足させる。満足させるだけならいいが、「もっと食べたい」
との欲求を起こさせる。
アメリカの加工食品がよく分からないので特定の商品についての
話は理解出来ない部分もあったが、加工食品の実態と食品会社
がいかに消費者の健康なんて考えてないかが描かれていて少々
ぞっとする。
ポテトチップスを例に取ると理解しやすいかもな。日本では食べ切り
サイズの小袋も販売されているけれど、あれだと「食べ足りない」と
感じる時があるんだよね。
だからって、大きな袋を開けて途中で食べるのを止めるのも難しい。
実際、本書を読みながらポテトチップスを食べていたのだが、危うく
1袋を空けてしまうところだったもの。気付いて片づけたけどね。
そんな食品加工会社の上級役員たちが自社の商品は食べないよう
にしているなんてなぁ。健康に良くない商品を売っているという自覚
はあるんだろうね。
一応、食品会社も商品の見直しはしている。余分3兄弟を減らした
商品を売り出した。ところが、売り上げが伸び悩み、株価が下がり、
ウォール街から「もっと売れる商品を作れ」と尻を叩かれる。
そして振出しに戻る。悪循環だよな。
それにしても、アメリカ人の食卓はシリアル、冷凍食品、スナック
菓子だけで成り立っているのか?いや、忙しいと食事を作るのが
面倒ってのは分かるんだ。分かるんだけど、手料理って大事じゃ
ないのか。
日本のスーパーに並んでいる「麺つゆ」。私はあれでそうめんや
うどん・そばが食べられない。だって、どんなに薄めても甘いの
だもの。大量に出汁を取って冷凍しとけば、それほど面倒じゃ
ないんだけどな。
日本もいつかアメリカみたいな食生活になって、余分3兄弟が
はびこるんだろうか。
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砂糖、脂肪酸、塩化ナトリウムは、人の味覚を依存症にしてしまう強い力があり、かつ(現代の摂取状況では)体に悪い、という話
加工食品を食べないという対策しか無いかも
厚すぎる。長過ぎる。なんで500ページも必要なの。
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それでも、おいしいモノを求めるか?
世界に展開する食品系企業は、食べものを扱う企業ではない。
彼らの主たる商品は、欲望。
食品業界は、人々の心地よさ、購買意欲を徹底的に研究した工業製品のエサを作る。
我々の健康ではなく、彼らの利益を最大限にするよう、厳密に調整された精密産業である。
糖分、脂肪分、塩分は、人間の本能、ソウルに働きかける麻薬だ。常習性はあるが、その危険性は摂取する我々自身に向けられるため、危険ドラッグのように規制されることはない。だが、明らかに、世界的に展開する食品企業の商品は、静かに、そして慢性的に、われわれ人間の身体、生活を破壊する。
それでもあなたは、まだ、あのピーナッツバターを食べ続けるのか?
あの、砂糖にまみれたシリアルを食べ続けるのか?
舌触りの良い脂肪の豊富な合成食品、本能に働きかける当分、そして過度の塩分を摂り続けるのか?
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「何が欲しいかという人々の言葉に基づいて製品や広告を企画する物は、まったくの馬鹿者だ。」クラフト、ネスレ、ケロッグ、ゼネラル・ミルズ、ナビスコという食品大手企業や穀物メジャーのカーギル、ADM、コカコーラ対ペプシ、マクドナルドを始めとするファーストフードにコンビニのジャンクフード。彼らによって安くて高カロリーで手軽な食品は消費者に届けられる。健康的な食事が讃えられ、肥満や高血圧といった生活習慣病が問題になるというのにどうやって食品会社は売り上げを伸ばしていっているのか。
この本の原題はそのものずばりSALT,SUGAR,FAT。やめられない、止まらないこの魔力的な力に花を添えるのが色々な規制をかいくぐった広告や包装や商品イメージだ。合成着色料、保存料、異性化糖、精白糖に精白小麦、トランス脂肪酸と言った名前は身体に悪い食べ物として人によっては異常に気をつける。さらには上海の食品会社であった様な消費期限の問題や中国だと成長ホルモンなどもよく話題に上る。それらと同等以上に健康に対して被害があるのに思ったほどには敵視されていないのが「塩、糖分、脂肪」なのだ。
糖分を摂ると脳の報酬系、いわゆる快感回路を直撃する。最初は糖分により多幸感が得られるのだが依存症化すると糖分を摂取しないことに我慢ができなくなる。ニコチン中毒や薬物依存も同じ報酬系に働きかけているのだ。人間は糖分が多い味を好きだと感じるようにできているが、あるレベルを超えると魅力が減退する=飽きるようになる。この最適な「至福ポイント」を研究し尽くした食品業界の伝説的なコンサルタント、ハワード・モスコウィッツは炭酸飲料は飲まないし、健康に気をつけパンを食べる量も控えめにしている。
1800年代から1940年までの間朝食用シリアルにほとんど糖分は入っていなかった。コーンフレークを発明したケロッグ博士は砂糖に禁欲的だったのが1949年にポスト社(ゼネラルフーヅ)が砂糖でコーティングしたシリアルを発売すると瞬く間に他者にも拡がり、仕事を持つ母親にとってはシリアルは手間がかからない便利な朝食だった。1975年にアイラ・シャノンという消費者が立ち上がり78種のシリアルの成分を調べたところ1/3は糖分量が10〜25%で1/3は50%近く、最高で71%が糖分だった。このキャンペーンに打撃を受けた食品会社は品名からシュガーを外し、ある程度糖分を抑えはしたが「集中力が増す」「フルーツの香り」と言ったイメージ戦略に切り替え、ヘビーユーザーに狙いを定めて商品を届けている。有名なコカ対ペプシ戦争で一敗地にまみれたコカコーラはダメージを負ったのか?実は両者とも売り上げを伸ばしている。
脂肪も糖分同様に報酬系に働きかける。しかも糖分と違って脂肪にはこれ以上必要ないというポイントが存在しない。酪農業界が低脂肪乳のキャンペーンに使った手も見事で、元々3%程度の脂肪分を2%や低脂肪と表示していかにも身体にいいイメージを植え付けた。米国人は現在チーズの類いを1人あたり年間15KG食べているがこれは1970年代の3倍にあたり、炭酸飲料でさえこの間の増加は2倍どまりだ。
15KGのチーズのカロリーは成人一人の1ヶ月分の必要カロリーをまかない、飽和脂肪酸は推奨される年間上限の50%、3.1KGにもなる。チーズは単独の食品としてだけでなく、ピザ、サンドイッチやありとあらゆる加工食品に使われている。クラフトが開発した冷蔵せず何ヶ月も日持ちする工業的に処理(といっても暖めてかき混ぜることなのだが)したチーズは模造チーズやら何やらの食欲を失う名前を退け、「プロセスチーズ」としての地位を確立した。
脂肪分を減らそうとした消費者が牛乳の消費量を減らしたのに対し、連邦政府は買い取りによる価格維持政策を続け脂肪分を取り除いた牛乳を販売し続けるとともに、大量に余る脂肪分をチーズとして供給した。レーガン政権が牛乳への補助を打ち切ろうとした85年農務省はマーケティングが不得手な牛肉産業と酪農業者に変わり、牛乳100ポンドにつき15セント牛が売買されるたびに1ドルを天引きで徴収しマーケティング費用に充てるプログラムを用意した。牛肉のマーケティング費用は年間8千万ドルを超え、一方で農務省が健康的な食生活をプロモーションするための費用は年間650万ドルだった。しかもこの費用は脂肪だけでなく、塩分や糖分のカットも訴える勝ち目のない戦いだ。
牛肉の消費を推進するもう一つの武器が悪名高い「ピンクスライム」。元々ペットフードなどの製造に回されていた最大70%と脂肪分の多い肉を遠心分離機にかけ脂肪分を分離させる。そして食肉工場で他のクズ肉と混ぜ合わされ、殺菌のためアンモニア処理をすると出来上がるのがピンクスライムだ。脱脂牛肉の原料として使われるのは解体中に糞便が付着しやすく大腸菌汚染の怖れが他の部位よりも高い。ピンクスライムはさじ加減を間違えると強烈なアンモニア臭か大腸菌のいずれかが残るが1ポンドあたり3セント節約できるのだ。
塩分はドレッシング、ソース、スープといったありとあらゆる商品に大量に投入されており、低脂肪・低糖食品さえ例外でない。2012年の研究によると赤ちゃんは生まれた時から喜ぶが塩分はそうではなく、塩分を与え続けた子供は大きくなるとより塩分を好むようになる。塩味の好みは後天的に獲得する物なのだ。ハーブやスパイスを使えば塩分を控えめにしてもおいしい商品はできるが一番の違いはコストだ。
糖分や脂肪にも言えることだが低コストで高カロリーで消費者に好まれる味でしかも原料として安い。これを拒否するのは食品メーカーにとっては売り上げ減と利益減を意味するためそう言う決定はなかなかできない。だからこれまで何かが悪者になるとその成分を減らし、こっそり別の成分を増やしてきたのだ。スナック菓子に含まれる塩分量は増え続けここでもヘビーユーザーに狙いを付けている。不規則な食事習慣をスナックで補う人が増え手軽で高カロリーで塩分たっぷりのスナックやファーストフードが食事の代わりになって行く。
中国が安いエネルギーを必要としとうとう我慢できなりつつある大気汚染にも関わらず石炭を燃やし続けるようにアメリカの貧しい家庭では食事の手間を省くため安いカロリー源としてファストフードやスナックが食べられ続ける。ネスレのように同じだけの至福感を糖や脂肪や塩分を減らして得られる様な製品の開発を続ける企業もあるが、これまでのところはそう言う取り組みはあまり成功してこなかった。どうやらちゃんとした食事を食べられるということが贅沢なことになってしまっているらしい。
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加工食品にしかけられている、数々の罠。
糖分、脂肪、塩分はもちろん、広告から店頭における配置まですべてはメーカーの利益追求のため。
メーカーの重役の多くが、自ら手がけた商品を避ける食生活を心がけているという事実から、いかに加工食品が身体によくないものかがわかるというものだ。
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サブタイトルは「食品に仕掛けられた至福の罠」、糖分、脂肪、塩がどれだけ人を至福にするだろうか。加工食品の多くは、たいていこの3つが大量に含まれている。
どれだけの甘さだったら人は幸せになるか、という至福ポイント、なる言葉まで生み出して、当分の含有を正当化するメーカー。脂肪をたくみに隠そうとするメーカー。塩分は、糖分や脂肪と違って健康志向とされるメーカーでも結構使う。この三点から逃れるのは困難だ。
それぞれが人体にどんな役割を果たすのかは、まあ今さら言うまでもないが、組み合わさるとちょっとやっかいになったりする。脂肪は糖といっしょになることで、脳が過食を検知しづらくなって、加工食品はますます売れる。
とにかく、いかに人々を過食させるか、ということに尽力する人々のストーリーである。読むと気持ち悪くなってくるよ。アメリカ人の朝食がいかに甘くなっていったか。食後に読んだら本当に吐きそうになった。
食品業界は消費者のことを気にかけるのではなく、ライバルに勝つことが至上なのである。そのために、この三種の神器が活用されている。食料品店は地雷原だ。
けれど、地雷をさけて、何をどのぐらいの量食べるのかを決めるのは自分自身である。地雷の見分け方とか、地雷を踏むとどうなるか、という話より、いかにしてメーカーは地雷を正当化しばらまいているか、というお話でした。
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塩分、糖分、脂肪分
日本の食品メーカーも、これと似たり寄ったりのことをしているんだろうなあ。
日本も、働くお母さんが増え、子供との食事に加工食品が増えたら、肥満や糖尿病の子供が増えるだろうなあ。
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http://blog.goo.ne.jp/nakamana825/e/ee7f808138cb5cb63d4fa5b444a9c696
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恐ろしい、、、の一言。健康 に配慮した原材料にすると商品としては健康的になるものの、全く売れなくなる。株主たちから元に戻せと言われる。人々が熱狂して買う商品と言うのは、「至福ポイント」を満たした商品。ドーパミンがたくさん発生するような快楽を覚えるおいしさまで砂糖や脂肪や塩の組み合わせた商品。 本書を読むと、今まで以上に添加物の入った食事ができなくなる…