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紙の本
先生のお庭番 (徳間文庫)
著者 朝井 まかて (著)
出島に薬草園を造りたい。依頼を受けた長崎の植木商「京屋」の職人たちは、異国の雰囲気に怖じ気づき、十五歳の熊吉を行かせた。依頼主は阿蘭陀から来た医師しぼると先生。医術を日本...
先生のお庭番 (徳間文庫)
先生のお庭番
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商品説明
出島に薬草園を造りたい。依頼を受けた長崎の植木商「京屋」の職人たちは、異国の雰囲気に怖じ気づき、十五歳の熊吉を行かせた。依頼主は阿蘭陀から来た医師しぼると先生。医術を日本に伝えるため自前で薬草を用意する先生に魅せられた熊吉は、失敗を繰り返しながらも園丁として成長していく。「草花を母国へ運びたい」先生の意志に熊吉は知恵をしぼるが、思わぬ事件に巻き込まれていく。【「BOOK」データベースの商品解説】
「草花を母国へ運びたい」 阿蘭陀から来た医師しぼると先生の意志に、熊吉は知恵をしぼるが、思わぬ事件に巻き込まれ…。日本の草木に魅せられたシーボルトと若き植木職人の、国を越えて生まれた信頼と情熱の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
舞台は長崎の出島。15歳で修行中の庭師・熊吉はオランダ商館への奉公を命じられた。仕える相手はシーボルト。なんと更地に薬草園を作れという。熊吉はそれでも工夫を重ねて見事な薬草園を仕上げ、シーボルトと妻のお滝の信頼を得てゆく。四季折々の草花に魅入られたシーボルトは、熊吉に日本の自然の豊かさについて説き、どこの国でも同じだと思っていた熊吉は驚かされる。土と草花を通して人のぬくもりを描いた、感動の職人小説にして成長小説。【商品解説】
著者紹介
朝井 まかて
- 略歴
- 1959年大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。コピーライターとして広告制作会社に勤務後、独立。2008年「実さえ花さえ」で第三回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し、同作でデビュー。近著に「すかたん」「花競べ」。「恋歌」で第150回直木賞受賞。
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紙の本
新たな分野
2015/08/25 11:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あんこパン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者を知ったのは、単行本の「実さえ花さえ」。この本で「花師」という職業を初めて知り、その繊細さ、細やかな仕事ぶりに大変興味を持った。以来、著者の作品は読み続け、今回の作品も、庭師のお話で、実在した人物が出てきたり、知った土地が舞台だったりしたこともあり、とても興味深く読んだ。著者の作品を読んでから、通りすがりに庭の剪定をしている植木屋さんを見かけると、つい立ち止まって、その仕事ぶりに見入ってしまうときもある。
紙の本
江戸時代の日本人のすばらしさ
2016/02/14 13:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
草木、花、自然を愛でるっていいなあ。昆虫もそうだけれど、自然と一体になって生きようとしていた近世の日本は素晴らしいと思う。誰かに誉められたいからとか、出世したいとか欲よりも与えられた役割に疑いをもたず全うすることができていた日本人は、シーボルトが感じていたように、わたしも立派だし抜きん出ていると思う。やはりあの時代の日本は世界一に近い民度だったんだな。明治に入り欧米文化に触れ、自然を征服しはじめてから狂ってきてしまった。その恩恵をうけて生きているわたくしなのだけれど。また原点に戻れるなら戻りたいものだ。
紙の本
朝井まかて 時代小説
2023/12/17 16:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
シーボルトと言えば、大概の方が知っている有名な幕末の外国人ですが、そのシーボルトが住む出島のお屋敷で草花、植木の面倒をみる一介の植木職人(見習い)の目から見た「しぼると」です。
主人公はその植木職人の少年です。
懸命に「しぼると」の願いにこたえようと奔走し、精進する姿がいじましくも健気に写りました。やがて、あの「シーボルト事件」に巻き込まれていきますが、彼の取った行動とは。
彼は、大人になっても心は、この本の表紙のように、いまだに「しぼると」先生のお庭にたたずんでいるのではないでしょうか。
紙の本
草木を律儀に本当に愛した人は
2021/03/13 04:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
長崎出島シーボルトの薬園を管理した園丁の話。単に草木や植木を管理育成した職人の話ではなく、そこに絡む園丁熊吉、奥方、使用人おるそん、しぼると先生。これらの人々を中心に「シーボルト事件」そして最後はしぼるとの娘以祢との交流。その土地の風景を思い浮かべるまでの丁寧な書き方で物語は進む。読み終わって涙腺がゆるみながらも安心感と清涼感を感じるのはなぜだろう。草木の名前、養生、育て方、運搬方法まで。その草木を海外へ紹介するため生きたまま船で運送するための努力。その努力の基にあるのは。「与えられた仕事だけをこなし、己で知恵を絞ろうとしたことが無い。誰にもそれを要求されないから」「やぱん人は商人は品物に誇りを懸け、職人は傍に誰の目がのうても精魂込めて働く・・・・」今の時代にもあてはまる。
電子書籍
出島の花園
2020/07/09 11:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本史にその名を残すオランダ医師と、無名の庭師との交流に心温まります。鎖国の時代に翻弄されながら、それぞれの運命を辿っていく後半の展開も劇的です。
紙の本
日本の自然について考えさせられる。
2019/10/28 16:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末、ジーボルト(このごろはシーボルトではなくこうなったようだ)が日本に滞在した間に出島に作った薬草園の庭番となった少年が主人公。幕末の情景、ジーボルトの人間関係を著者らしい視点で切り取っている。小説は普段あまり読まないのであるが、「日本植物誌」などジーボルトの日本の自然へのかかわりには興味があったので読んだ。
花や樹木に興味のある人はそれなりに面白いのではないだろうか。茶をバタビアで栽培するために送る話では「椎の実などを保存する方法」を庭番になった熊吉が教える。これはジーボルトの「日本植物誌」の説明にも出てくる。森で「カエデの実がついていなければ葉だけではわからない」木を見つける話などは、木の見分け方を覚え始めたころの「これはなに?」と一生懸命観察した気持ちを思い出させてもらったりもした。本国へ「生きたまま」送る工夫を様々にした話も、当時の日本の技術が感じられて面白かった。
西洋の「自然のとらえ方」、日本の自然の特徴。日本の中だけ見ていてはわからないことを「異人」との触れ合いの中で考えさせてくれる。
人間描写の良さは著者の特異なところなのだろう。なぜ子供もできたのに一人で日本を出ていったのか。その時、それまでお滝さんの気持ちなど人間模様も想像をかきたてられるものだった。