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紙の本
こちらあみ子 (ちくま文庫)
著者 今村 夏子 (著)
あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれ兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応な...
こちらあみ子 (ちくま文庫)
こちらあみ子
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商品説明
あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれ兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。書き下ろし短編「チズさん」を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】
【太宰治賞(第26回)】【三島由紀夫賞(第24回)】純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した表題作と、「ピクニック」、書き下ろし短編「シズさん」を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 「こちらあみ子」「ピクニック」「チズさん」解説 町田康「「ありえない」の塊」穂村弘
収録作品一覧
こちらあみ子 | 7−121 | |
---|---|---|
ピクニック | 123−207 | |
チズさん | 209−225 |
著者紹介
今村 夏子
- 略歴
- 1980年広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞。「こちらあみ子」と改題、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で2011年に三島由紀夫賞受賞。2017年『あひる』で河合隼雄物語賞、『星の子』で野間文芸新人賞を受賞。2019年『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞。
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書店員レビュー
あみ子色の世界
ジュンク堂書店福岡店さん
"「読むと、きっとあみ子のことが忘れられなくなる」という帯コメントに惹かれて頁をめくれば、そこには本当に忘れがたい少女がいた。
こちらが勝手に痛みを感じてしまい、都合の悪いもののように、見て見ぬふりをしたくなるくらい、ずっとその心は子供のまま、鈍感で繊細だ。
文章からはいつかの帰り道にあった土や草の匂いがたちこめ、この感覚を知っているという妙な既視感におそわれる。
かわいそう、わずらわしい、伝わらない、というかなしいおもい以外に、特定することができないきらきらしたものがわきあがってきて、なんだかもうたまらない。
物語の筋でなく、その有様に、ただただ唸らされる。"
紙の本
受け取り方は三者三様
2020/05/16 15:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たにぐち - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで抱く気持ちは、人それぞれだと思う。あみ子にある種の共感を抱くような人もいれば、あみ子へ嫌悪感を抱く人もいると思う。この本を読んで、人はもしかしたら自分に対する嫌悪や悪意を敏感に感じ取ることによって空気を読むということを学び、「常識的に」振る舞うことができるようになるのかなと考えた。あみ子は自分に向けられる嫌悪の視線や悪意を全くといっていいほど感じ取ることができない。だからこそ、あみ子は純粋無垢に育ったのかなと思った。私はあみ子が怖いと思った。
紙の本
逸脱
2022/02/26 16:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はち - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうとって良いのか、、、あみ子の逸脱は憧れを感じるくらい。あみ子のように自由に思うままに生きてみたい!
紙の本
あみ子がいとおしい
2019/09/04 23:09
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第161回の芥川賞を獲得した作者のデビュー作が「こちらあみ子」。少し変わったタイトルだが、母親に誕生日祝いに買ってもらった玩具のトランシーバーからきている。読み始めは、ほのぼのとした祖母と暮らす少女の物語なのかな思っていたのだが、どうして彼女が両親と離れて祖母と二人暮らしをするようになったのか、そのことを彼女は気が付いているのだろうかと考えていくと、この子(あみ子)のことがたまらなく気になってしまう。こんな小説もあっていいんだなと感動してしまった。「ピクニック」も心に残るというより突き刺さる作品、七瀬さんはいい人だけに余計に辛くなる
紙の本
あみ子の愛おしさが刃のように刺さる
2016/10/26 09:19
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:390 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも純粋でまっすぐなあみ子。読み進めるうちに「あみ子はそのままでいいんだよ」と応援してしまう。あみ子が大好きになってしまう。…無責任に。あみ子はまっすぐに生きているのに、それだけなのに、日常は歪んでいく。なぜか周囲の人々は傷ついていく。そして、あみ子への愛おしさが「刃」となってこちらに向かってくる。小さな頃、無知で残酷な子どもだった自分の姿が思い出される。愛おしいのに痛い――。
紙の本
爽快なまでのすれ違い
2021/06/08 00:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:redon - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ピクニック」「チズさん」は忘れがたい人物造形を見せるも、何となく腑に落ちない部分があった。
他方で表題作は冒険的ながら明快。あみ子というはみ出しものと、周りの人々のすれ違いを描ききっていっそ爽快である。きっと驚くので、表題作だけでも読んでほしい。
紙の本
こちらあみ子
2017/11/04 12:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomtom - この投稿者のレビュー一覧を見る
併録の「ピクニック」は謎の集団心理みたいなのが描かれてて、印象的でした。職場の新人の恋バナに皆が引き込まれていって…。
その新人はちょっとおかしな、クセが強いオバサンって感じなんだけど、周りも過剰なほどノっていくんですよねぇ。
芥川賞候補の常連さんみたいですけど、受賞は時間の問題でしょうか。
電子書籍
心がざわざわする話
2017/10/25 19:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
みんな切ない。
子を失った傷が癒えぬままあみ子の行動に心を病んだ母。
破綻した家庭で誰とも向き合おうとせず淡々と過ごす父。
幼い頃から大人の気遣いをし、妹を思い、戦うことを選択した兄。
望まない一途な思いに追い詰められたのり君。
あみ子の真剣に触れて言葉を飲み込んだ坊主頭の少年。
自分の思いだけに素直に生きてきたあみ子は「知ること」に決めて、大人になった。
最初に読んだときは嫌な気持ちになった。二度と読みたくないと思った。
二度目に読んだとき、少し好きになった。
何度も読み返した。
読むたびに少しずつ好きになる気がする。
紙の本
不思議な味
2017/07/10 23:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
あみ子がヤバいのです。前歯が3本ない。お腹が空いたら下校する。好きな同級生の名前を知らない。授業中に歌い出す。学校や家族から見て見ぬふりをされ、それでも気にせず生きている。
そんなあみ子の生き方を首をかしげながら読んでいると、逞しさとは何かを教えられている気がします。
町田康さん、穂村弘さんのダブル解説付き。また癖のある二人を解説に選んだものだ…
紙の本
相手のいないトランシーバー
2015/08/23 09:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
心がざわざわします。社会は学校は異物を排除する、そのくせ一番を競わせる。無垢は周りを傷つける?人はそれを恐れるのか、だからといって裁かれる必要はないのにゆるそうとするやさしさは見当違いで押し付けがましい。誰も悪くはない、誰もが相手に無関心なだけ、そして無垢な彼女すら自分に向けられた視線に気が付かない。相手のいないトランシーバーが全てを象徴していました。
紙の本
なかなかない着眼点の短編集
2017/08/24 12:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よしけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の周りにいたら、ちょっと対処に困ってしまう。そんな女性を正面から捉えた、なかなか稀有な短編集です。読んでいるうちに、なんだか本当にいたたまれない気持ちにさせられることが多く、読み終わるのに大きなエネルギーを要しました。自分の性格によるものなので、一般的に読んだ皆さんが同じような感想を持つとも思いません。その点において、controvercyな主題を取り上げた作品と言えるでしょう。