電子書籍
ワーク・シフトと比べて
2015/02/04 11:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:philia - この投稿者のレビュー一覧を見る
率直に言って前の本より劣ります。
まず、未来についてのメッセージ性が比べ物になりません。
本書では個人が対象ではなくて、企業が対象になっているのですが、「ごくふつうの」企業の未来本程度のインパクトしかありません。
示される事例やデータ等で、ワーク・シフトと差が付いているとは思いませんので、やはり、企業をテーマにしたことの結果でしょう。
著者は、おそらく個人の分析のほうが向いているのでしょう。
投稿元:
レビューを見る
ワークシフトを読んでからのほうがよさそうだけど、未来企業は「レジリエンス」を備えなければならない、ってことのよう。
投稿元:
レビューを見る
『ワークシフト』で一躍有名になった、リンダ・グラットン教授の「企業版働き方本」。三つの領域でレジリエンスを高めよというメッセージである。
(領域1)内なるレジリエンスを高める
(領域2)社内外の垣根を取り払う
(領域3)グローバルな問題に立ち向かう
具体的なメッセージの一つひとつは、すでに多くの経営論で紹介されているものも多いが、事例を丁寧に重ねているので理解しやすい。ただ、他の方の書評にもあるように、「レジリエンス」がメインコンセプトでありながら、その意が日本人にポンッと馴染むものにまで昇華されていない感がある。
しかし、「サステナビリティ」というタームがそうであったように、今後の社会のなかで「レジリエンス」とは何であるのか、と考えるヒトが増えていくと、自然と理解が深まっていくのではないかと期待して待つ事とする。
個人的にメモを多く残した項目は下記の通り。
「第四章 精神的活力を高めるため」に、企業はなにができるのか。とくに、一律的な採用から、60歳前後でのリタイヤまで、一本道としてのキャリアラダーを前提とした「就社文化」が、いかに自然なリズムに外れるかを考えさせられる。
また、「第六章 よき隣人としての行動規範」では、地域社会に思いやりを発揮する企業としてのあり方が紹介されている。そのなかで、唯一日本企業の事例として「ヤクルトレディ」が取り上げられている。一見、非生産的に思える「高齢者に話しかけ、手助けをする」という見守り行為を、会社が思いやりのある行動として、正当に評価している」からこそ、ヤクルトレディが命の救出者となった事例が生まれたとしている。
また、地域社会への貢献には、「疲れを残さない働き方」が欠かせないとして、「労働時間が長くなると地域社会における社会的な行動が減る傾向にある」との社会学研究を引き合いに出しつつ、フレキシブルな働き方や疲れを残さない仕事の進め方の奨励も、企業が取り組むべきテーマとしている点も興味深い(BTやデロイトのフレキシブル・ワーク事例を引用)。
「地域住民の即戦力となるスキルを高める」活動について、教育格差の広がるインドで、インフォシス、タタ、ウィプロなどが協力しあい、若年層のスキルギャップを埋めようとする試みは、日本型職能システムの限界を克服する処方箋にも思われた。
投稿元:
レビューを見る
私は、企業とはこれまで、どれだけ口では「社会のため」、「Sustainability」、「環境が大切」、「お客様の喜ぶ姿のため」とは建前を言ってみても、結局、究極的には利益の極大化のため、反社会的な行動も屁理屈で「正義」に見立てて、また、社会に責任を転嫁して活動するものかと思っていたが、実際にはそうではなく、建前ではなく信念として行動すべきとが良くわかった。今後の参考になる、有意義な読書だった。
以下、印象に残った言葉を・・・。
・失敗は素晴らしい企業をつくるための金鉱。リスクにあえて挑む。
・精神的活力を高める。生活の自然なリズムに逆らって全力で働くようになると、精神的な余裕が失われ、洞察力を深めてイノベーションを起こすためにじっくり考えたり好きなことをしたりする時間がなくなる。
・才能と多様性の宝庫である女性たちを失うことで企業が失うものは大きい。
・ベビーブーム世代にとっての仕事は30年間の短距離走だったが、この先60年間仕事をするかもしれないY世代の従業員にとってはマラソン。
・終身雇用制度が崩壊するのを目の当たりにした世代は、自力で仕事人生を切り拓いていく必要があった。我々は、70代や80代まで働き続けなければならない。
・従業員と経営陣自らが仕事や働き方についての考え方を改める。
・個人の活力は組織が成功するための「燃料」。
・勤務時間の20%を非主力事業に費やす。その余裕を作り出す。
・個人がやるべき仕事を決めるだけでは意味がない。複雑な協働を実現するには活発なコミュニケーションがきわめて重要。
・相手が信頼に足る人物でないことがわかるまでは信頼する。
・絶えず自分の能力を磨き続ける。
・人間が思いやりを持って協力しあえるものであると経営陣が信じていれば、その前提に基づいて経営していく可能性が高く、そのために従業員たちは協調し、他人を信頼しやすくなる。
・幸せとは、自律、自己革新、つながり(関係と数の深さ)、ビジョンと意味(自分自身よりも大きなものの一部となること)の四つで決まる。
・企業が効用や市場ばかりを基準にすると、本来は高く評価すべき行動や考え方の多くが無意味なものとされてしまう。
・企業戦略で人間の動機を全て市場価値に左右されるものとして扱い、あらゆる活動を貨幣化しようとすると、他人の役に立ちたい、思いやりのある行動をとりたいという従業員の自然な思いは高く評価されなくなる。
・人材を育てる。口を開けて完成品を待っていても、なにも得られない。
・サプライチェーンや社会全体を見据えて、企業の責任を果たす。形式ではなく。
・企業の責任は、工場や事務所の中にとどまるものではない。
・イノベーションを生み出すには、従業員同士・経営陣同士、互いに敬意を払い、共通の目標を持つ。人材を投入して時間をかける。
・外部も含めた協力体制を築く。
・現状維持は、破滅への道。静かな死。
・リーダーに必要なのは、知行合一。
・リーダー(もちろん、従業員一人一人にとってもだが)には、自分なりの経験や人脈に基づいた世界観・思想・価値観・ストーリーに基づいて、自らの言葉で話せる力が必要。
・地位と権力は個人として学ぶために欠かせない率直で深いフィードバックを得る機会を大きく妨げるおそれもある。
・人脈とは、自分の視野を広め、世界により良きものを伝えるためにある。それは結果的・間接的に、意図しない形で長期的な利益をもたらす。自分の身勝手なビジネスチャンスのためにあるのではない。
・人は安らかな生活から飛び出すもの。
・リーダーとなるものは、全人格を仕事に生かすことが望まれる。それはビジネス外の知識や思想、情や価値観が問われる。
・リーダーと同時に、我々一般のフォロワーの重要性も非常に大きくなる。
・大きな成功を収める人とは、人生のなかで自分とは違う人々に手を差し伸べる機会をつくる人。
・学び続けること、グローバルな視野を身に付けて偏見を捨てること、自己啓発を怠らないこと、そして、人脈を築くこと。
・さまざまな人が世界中で自分とはまるで違う分野の仕事に取り組んでいるという、当たり前の事実を知ること。
・人々を満足させて幸福にすることが知性が目指すことのできる最も大切な目標。企業は世界を良くするために人々の力を結集させることができる。
・私たちは分岐点に立っている。明らかになっていない、企業の潜在能力を引き出す必要がある。
・従業員と雇用主の関係は、「親子関係」から「大人対大人」の関係になっていく。労働者はこれまで以上に責任を負うことになり(指図する親がいない)、同時にその選択の結果をこれまで以上に受け入れなければならない(守ってくれる親がいない)。
投稿元:
レビューを見る
内なるレジリエンスを高める。
社内と社外の垣根を取り払う。
グローバルな問題に立ち向かう。
知性と知恵、精神的活力、社会的つながりは毎日の行動によて増幅され、威力を発揮するようになる。
投稿元:
レビューを見る
★2014年10月31日読了『未来企業 レジリエンスの経営とリーダーシップ』リンダ・グラットン著 吉田晋治訳 評価B
The KeyーHow Corporation Succeed by Solving the World`s Toughest Problems
今、そしてこれからの現代社会が直面する環境問題、食糧問題、エネルギー問題、国際紛争、等々の山積みの解決困難な問題に対し、グローバルな企業とその経営者、従業員が、その解決策を見いだし、突破口となる可能性を論じた著作である。
読後感としては、私の頭が固いのか、とても高い理想論が語られていたと正直に感じた。少なくとも、この本の中には、日本企業はヤクルトレディーしか登場しなかったし、語られているような仕事以外を世界的な問題に取り組むことを奨励する日本企業は聞いたことがまだない。その意味では、日本のグローバル企業と呼ばれる大企業は、真の多民族の働く、多様性をもったグローバル企業にはなっていない。
文中に登場した欧米、新興国の企業群は、最先端であることは間違いないだろう。残念ながら、日本企業は遅れており、世界貢献を視野に入れた懐の深い活動は始動されていない。今後、強まるであろう若い人々の世界に貢献しつつ、自らの生活も向上させていきたいという二つのある意味相反する目的には、まだまだ応えられるレベルではないと言わざるを得ない、と痛感させられた。
故に、この本の評価は、おのずと日本の読者には訴えず評価も低いままなのではないだろうかと考える。
もし、今後、この本が日本の読者にも大きく取り上げられて、前作のWORK SHIFTのようにベストセラーになるならば、日本企業の真のグローバル化も意外と近いと思える。
投稿元:
レビューを見る
【由来】
・「経営戦略全史」P311、からのamazonでの著者つながり
【期待したもの】
・レジリエンスってキーワードでも興味アリ。また、この著者の「ワークシフト」も読みたいと思ってるので。
【要約】
・
【ノート】
・
【目次】
投稿元:
レビューを見る
内容が難しく正直ぜんぜん呑み込めていない……非常に読みごたえありました。企業が社会的意義を持つことの重要さについて、かな?(実際には重要だよどころの書き方ではなく、それが使命であり本質でないなら未来は悲惨だぞくらいの文脈だった気がする)短期的視座にとらわれず、世界全体の持続性や発展のための協働を説く本。この考えが標準となるよう、市民として労働者として行動しなくてはと思う。
投稿元:
レビューを見る
「レジリエンス」という言葉を詳しく知りたいと思い、手に取った一冊。名著「ワークシフト」で知られる経営学者が、個人・組織、地域社会、さらには世界全体のレジリエンス(回復力、耐久力、復元力など)を高めるために、企業やそのリーダーが成すべきことをまとめた提言書。
著者は企業のレジリエンスを3段階に分類している。1つは企業内部であり、多様性のあるネットワークと従業員の精神的活力によって、知性や知恵を高めることが課題である。次に社内外の垣根を取り払い、バリューチェーン上の全てのステークホルダーや地域社会と共生することが重要だと説く。最後に企業のレジリエンスは貧困や環境など、今日の世界が直面する課題の解決に資するものだと主張する。
著者の問題意識の根底には、「ワークシフト」でも語られた様々なマクロ環境の変化に加え、「行き過ぎた資本主義」が多くの社会的問題に繋がり、ひいては企業に対する信頼が低下し続けているとの危機感がある。企業が自らのレジリエンスを高め、これらの問題を解決するためには、リーダーシップも、”フォロワーを活かす”スタイルに根本から変えねばならない。「短期業績vs持続可能性」という”永遠の課題”に今一度、真正面から立ち向かう気概のある企業人にとっては必読の書。
投稿元:
レビューを見る
前作の『ワーク・シフト』から攻守所を変えて、今度は企業側がどのように変化し成長すべきかを、回復力、適応力、復元力といった意味で使われる「レジュリエンス」をキーワードに説く。企業のレジュリエンスを「従業員の知性と知恵をを増幅し、精神的活力を高め、お互いの結びつきを深める」、「地域のことを考え、サプライチェーンの末端まで配慮した活動」、「企業がその資源を活用しグローバルな課題に取り組む」と定義して、この三領域を実例を紹介し、リーダーシップにもその価値観のバージョンアップを迫っている。
事例として紹介されている日本企業に「ヤクルト」があり、「ヤクルトレディを組織して地域に住む高齢者に目配りをするという明確な使命を与えることは、同社が地域社会とのつながりを強めるうえで重要な役割を果たしてきた」とあった。何でも、創業者の代田稔氏は「本当の健康とは身体的な健康だけでなく、良い精神、健全な社会、文化的な幸福が備わってはじめて得られるとの思いで、乳酸菌シロタ株の飲料を開発した」とのことです。
昨今、企業は自社の利益だけではなく世界をよりよくするなど社会貢献が求められています。大手企業ならある一定の貢献はやっていますが、創業時から主たるビジネスにしっかり組み込んでいたのは、ヤクルトがその先駆けだったのではないだろうか、素晴らしい!
投稿元:
レビューを見る
「ワークシフト」のリンダ・グラットンの最新作。
ワークシフトが想像以上に面白かったこともあって相当期待していたけど、残念ながらその期待を大きく下回る内容だった。
もしくは自分にとって内容が高度だったからかもしれないけど、なんか読んでいてもしっくりこなかった。
「レジリエンス」っていうストレスからの回復だったり、適応力だったりっていうのはよく分かるんだけど、なんだかな。
結局何が言いたいんだっていう感じ。
レジリエンスの3つの領域では①内なるレジリエンスを高める②社内と社外の垣根を取り払う③グローバルな問題に立ち向かうが
挙げられていたけど、要は社内の活力を高めて、社外とのつながりを大切にして、地球規模の問題を解決しようっていうことなのか。
腑に落ちなかったので☆は2つ。
投稿元:
レビューを見る
企業がレジリエンスを高めるための3つの領域を提唱し、領域ごとの方法を事例を交えて説明してくれる。ただし、主張と事例が淡々とかつ入り交ざった印象が強く、単なる好事例のご紹介にも見えてしまう。読み終えてから、あらためて序章に戻り、「著者が主張したかったのは、何か」を考えたが、「あれもこれも大事」という総花的な印象だけが残った。
投稿元:
レビューを見る
Resilience
不確実性の増す世界において、もっとも重要な能力は「レジリエンス」である。
レジリエンスという言葉のおおもとの意味は、「負荷がかかって変形したものが、元の形状に戻る力」である。これが転じて、ストレスからの回復力、困難な状況への適応力、災害時の復元力、といった意味合いでも使われるようになった。
投稿元:
レビューを見る
ワークシェアの作者が書いた新作です。今後の企業の成長戦略を考えた時、非常に参考になる点が多い1冊でした。経営者向けの1冊です。
投稿元:
レビューを見る
世界の名立たる企業の長期的かつ世界にとって役立つことは何か、グローバルな対応をする上で、どのような取り組みを行っているか紹介されている本だった。
取り組みを実行するためのリーダーシップとは生涯をかけて学び続けることになる。
グローバルな問題はそれほど困難でもあるが、また未来にむかって進む企業になるには必要なことであることが詳細に書かれていた
内容的には私には少し難しかったかも…