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日本国憲法だけでなく、アメリカの独立宣言も、フランスの人権宣言もすべて「空語」である。つまりその時点では達成されていない理想を掲げているのである。したがって憲法が時代に即していないという理由で憲法を改正したりましてや解釈を変えるということはまったく間違っている。
心ある政治家がこの薄いテキストを読んでくれることを願う。
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最近内田先生は政治的な意見活動が多い気がしますが
大丈夫なのでしょうか?少し心配になってきます。
内容的には、護憲という観点から、現在の政治的な
潮流が、法治から人治、所謂独裁に向かっている。
その根源的な流れがグローバル化であり、すべての
ものの公共・行政・政治が株式会社化している。
株式会社(有限責任)の本質と、公共・行政・政治との
相容れないものの事柄の大事さ。
それらについて、一度マスメディアで一般に対して
こういう考え方もあるのだという発信をしてもらいたい
と思います。
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内田先生の本にしては(物理的に)薄っぺらな本ですが、(内容的には)全然薄っぺらではないです。安部政権がやろうとしていることになんの危機感も抱いていない人にこそ読んでほしい。国民がなんだかわけの分からないうちに現政権がいったい何を壊し何をやらかそうとしているのか、見極めなきゃならんなーとあらためて実感。怖いよ、安部政権。
読み終わってつくづく終わったのは、日本人て良くも悪くも島国根性なんだなーと。「戦争の負け方を知らなかった」ということを内田先生は書いておられますが、たぶん歴史上侵略されたことのない日本には戦争の仕方が分かっていなかったってことなのかな、と。全く思考が飛躍しますが、子どものうちの小さいケンカは大事!とか思いました(^_^;)。
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日本国憲法は確かに軽んじられているように思う。
そもそも日本人は憲法というもののリアリティがない、自分事と感じていないのではないだろうか。
それはやはり、憲法が自分たちの手で作ったものではなく、「お上(アメリカ)から与えられたもの」という感覚が根底にあるからではないか。
日本国憲法の重みと正統性を確保するには、自分たちの手で、日本国憲法をさらに素晴らしいものにバージョンアップするしかない。
そうすれば、「もともと日本国憲法はアメリカによって作られたけれども、その後、日本人がもっといいものにした」と胸をはって言えるようになる。
政府与党だけでなく、もっといろんな人や組織が、憲法のバージョンアップ案を出してもいいんじゃないだろうか。
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タイトルを見たときの印象は、憲法には空語という解釈変更の可能性を残した「ズルいもの」がありそれを明らかにしていく本かと思い借りた。
ほんとうは
「アメリカの独立宣言は
自民党改憲案
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本書は、2014年の憲法記念日に神戸市で行われた講演に加筆されたものになります。講演が元になっているので平易な文章ですし、ボリュームも100ページ足らずですので、本を読むのが苦手な人でも読みやすいと思います。憲法を考えるということは、国のあるべき姿を考えるということなのだとよくわかりました。そして、それを考えるのは、一部の人ではなく国民全体でなければならないと思いました。その努力を放棄したときに見えてくるのは、独裁国家としての日本なのかもしれません。
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「通販生活」(2014秋冬号)の表紙で紹介された、「目から鱗~」とあった一冊。読む価値あり、とても面白かった。公務員が憲法違反してどうする、と公務員の安倍君批判。同時に、それをなぜ庶民はやすやすと認めてしまうのかの説明も面白い。
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日本国憲法は空語である。
しかし憲法は理想論で問題なく、国民を実現へ方向付けるものである。そして日本はその空語に実績を与え続けてきている。
そんなふうに読みました。
内田氏がいろんな本の中で語られている「国民国家の株式会社化」がここでも説明されています。
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いやー、面白かった。値段と本の厚みが妥当でないと思ったけど、買って良かった。内田樹の著書に外れなし。安倍政権による憲法改正論を受けて、憲法のあるべき姿を提示し、政府の株式会社化を憂う。
憲法がどういった立ち位置のものであるか分かった。一言でいうと、理想だ。あるべき姿、まだ見果てぬ理想、いつか当たり前の未来になると信じて追い求めていくべき姿。国民自身が制定し、政府や役人の暴走を防ぐもの。国民自身が理想を語ったもの。だから公務員に憲法遵守義務はあっても、国民に遵守義務は当たり前にないという話はすっきり通った。自分達で決めたものは、わざわざ書かなくったって自分達で守るでしょ、というスタンスなのだ。
その現行憲法を安倍政権は崩し、自分達に都合の良い憲法を制定しようとしている。国民自身に憲法の遵守を求める(つまり、憲法を遵守しない国民は憲法違反となる)。流動性の高い人間、グローバル社会に適応しナショナリズムを持たない人間を良いものとし、グローバル企業化を進める。
大飯原発の再稼働は、企業の圧力によるものだった。だがもし大飯原発を再稼働したことによりまた原発事故などがあったとしても、企業は責任をとってくれない。株式会社は有限責任、国家は無限責任なのだ。首脳の首をすげ替えて終わりではない。国は続く。国民は、先祖の犯した罪をいつまで経っても問われることになる。
祖国に誇りをもつのは悪いことじゃない。愛着があるのは「ふつう」のことだ。世界のどこにでも赴任できて、一生日本の地を踏まなくても全く構わない、そんなグローバル人材に成ることを国家として求めるのはおかしい。
私がそうだが、現在、そして将来のことを考えるのに、「ストック」、つまり今あるもののことを考えない。豊かな自然、豊富な水、温泉や神社仏閣 、伝統芸能、食文化エトセトラ。今あるものを見ないで、自分にないものばかりを追い求めている。当たり前にあるものは気付きにくい。なくなって初めて大切さが分かる。もっともっとと際限なく追い求めていく。それが悪いことばかりだとは言わない。発展に寄与してきた面もあるのだから。でも、今で十分、今でまんぞくしている人に「もっと上を目指せよ」と罪悪感を植え付け発破をかける功罪もある。今あるものに、感謝せよ。
日本は、戦争について負けたときのことを考えなかった、負けしろを検討しなかった、負けたあとに再建するための神話をもっていなかった。この体質は今もって続いているように思う。予想しないこと、失敗、間違いがあるのが当たり前とする風潮を世の中に感じられない。自己責任論は、失敗を許容しない、できない。失敗しても自己責任、誰も助けてくれない。そんなリスクは、一人で負ってられない。
人は失敗するものだ。だからといって、みずみず失敗への道へ歩んでいくのを見過ごすことはない。なんと言えばいいのだろう。難しい。失敗の可能性を許容しつつも、理想に向けて、今を犠牲にせずに、いつかの未来を夢見て歩んでいく。
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今年の初めに樹さんが講演されたその記録。
あーなるほど。憲法ってそう読むのね。とか、
これまでの歴史にそういう背景があったのね。とか。
自分の学の無さを通関させられたとともに、
やっぱり今の社会の流れはマズイよなー。
という率直な感想。
どうしようかなーってなる。
なんとかしたいよね。
今回の衆議院選も自民が圧勝やったけど、
なんとかしてこのグローバリズム兼チープなナショナリズムの流れを変えたい。
そんな想いをつのらせました。
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ブログに掲載しました。
http://boketen.seesaa.net/article/410847872.html
奇妙な表題と、憲法を侮蔑するものを首相に抱く日本の現実。
本書は、2014年5月3日の憲法記念日に、神戸市で行われた兵庫県憲法会議主催の集会で内田が行った講演だ。100ページに満たない、ちょっとしたパンフレット程度のボリュームの本。小一時間で読める。
安倍晋三は自国の憲法を「みっともない憲法」(2012年、当時自民党総裁)と言い放って首相になり、今回の総選挙で長期政権の体制を築いた。安倍以外にも、公務員でありながら憲法遵守義務を公然と踏みにじる発言や行動をする政治家、地方自治体首長、官僚たちに日本は席巻されつつある。
「憲法の空語を充たす」という奇妙な表題で内田が言っているのは、GHQが作った100点満点の憲法を「これは私たちの憲法だ。作ったのはGHQだが、実りある、実効ある憲法に私たちがする」という主体として名乗りをあげましょう、ということに尽きる。
わたしにはこの内田の考え方こそ、正気な、まともなものとうつる。
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一体いつまで安倍政権は続くのだろう。
自民党改憲草案の文は、ほんとに生理的に合わない。
体調が悪くなりそうだ。
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内容としては、首肯できる点もあれば、首を傾げざるを得ない点もありますが、いつもながら情理を尽くして語る内田先生の姿勢には頭が下がります。
憲法といえば、改憲派、護憲派があるわけですが、どちらに属していても、双方にとっての反対派を、情理を尽くして説得しようという人に残念ですがこれまで会ったことがありません。
それどころか、この人はまず自分の党派があって改憲派、護憲派を決めているのであって、そもそも日本国憲法を読んだことがないのではないかと邪推してしまうこともしばしばです。
なんて偉そうに言っていますが、実は私自身も日本国憲法を虚心坦懐、熟読したのは昨年が初めてです。
いやはやなんとも、あいすみません…。
本書は昨年5月3日の憲法記念日に、神戸市で行われた兵庫県憲法会議主催の集会で行った講演に加筆したもの。
ブックレットでわずか95ページですから、あっという間に読了しました。
内田先生はまず、日本国憲法について「本質的な脆弱性があった」と述べ、こう自説を展開します。
「先の戦争にあまりにひどい負け方をしたために、戦争が終わったあとに、敗戦責任を引き受けることのできる主体を立ち上げることができなかったという歴史的事実が憲法の本質的脆弱性の起源にある」
立憲主義の原則があるにもかかわらず、当今の政治家や公務員が憲法を軽んじる動きが顕在化しています(本書にその例がいくつも出ています)。
その原因を、そもそも日本国憲法の起源において「私が憲法を制定する」と名乗る主体が生身の人間として不在だったという原事実に求めるのは深い洞察であるとともに、皮肉といえるかもしれません。
ただ、だからこそ、この制定の主体がなかったことを原因とする憲法の「空語」を私たち日本人自身が充たそうという内田先生の主張は、なかなか気宇壮大ではありませんか。
今の国家の統治者が「株式会社の論理で政治を行っている」かどうかは私には判断できませんし、「日本のシンガポール化趨勢」というのも必ずしも理解できませんが、たとえば自民党改憲草案で「居住・移転および職業選択の自由」について規定した22条に対する解釈は慧眼だと思いました。
まずは、ご覧いただきましょう。
・現行憲法「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」
・自民党改憲草案「何人も居住、移転及び職業選択の自由を有する」
同草案は現行憲法と比べ、基本的人権を制約することにその特徴のひとつがありますが、この22条だけは無制限の自由が保障されているのです。
これについて、内田先生は「間断なく移動し、住むところを変え、職業を変え、所属組織を変えるプロテウス的な変身を繰り返す人間こそグローバル資本主義社会に最適化した個人のありようである、と彼らが信じていたからです」と私見を述べています。
おおお、何と。
ナショナリズムを呼び起こしながら、国民国家を解体するという、かなりアクロバティックなことをやろうとしているわけですね。
この機会に自分の立場を申しますと、私は潜在的な改憲派といえるかもしれません。
現行の憲法よりも���れた憲法ができるなら、変えるに如くはないと考えています。
憲法は不磨の大典ではありませんし、手を触れるのは一切まかりならんというのはあまりにも頑な態度と思います。
ただ、昨年、日本国憲法を熟読して、正直言って「文章が美しいなぁ」と思いました。
英文を和訳したため「翻訳調でけしからん」と批判する向きもありますが、翻訳調なのがただちに悪いわけではありません。
たとえば、これは別のところで書きましたが、日本最古の聖書訳(ヨハネ福音書)にはこう記述されています。
「ハジマリニ カシコイモノゴザル。コノカシコイモノ ゴクラクトトモニゴザル。コノカシコイモノハゴクラク」
翻訳調の最たるものだと思いますが、言葉がある種の霊性を帯びて読む者に文字通り神々しさを感じさせます。
村上春樹さんは若い頃に米国文学に相当入れ込み、文体が翻訳調であることで知られていますが、それが彼の評価を貶めているどころか、むしろ魅力として名声を高めることに寄与しています。
私は変えない方がいいと思うな、ホント。
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2時間で読めます。多くの人に読んでもらいたい本です。
憲法を改変する、ということを首相はじめ堂々と発言して久しいですね。
第九条を止めて、「戦争をすることもできる国」にしたいみたいですね。
この本は、講演で内田樹さんがしゃべったことをベースにして作られたようです。内田樹さんの本の作り方の一つですね。
神戸市で行われた、「憲法を守ろう」的な集会での講演だそうですが、
●神戸市がこの会に協力してくれなかった。
という状況から話が始まります。
「憲法を変えよう」とする自民党安倍政権勢力の、破たんしているところ、矛盾しているところを、どんどんと指摘します。
破綻とか矛盾とか言う以前に、「なぜ」「誰の為に」というところですね。
そして、「多くの人はピンときていないんでしょうが、憲法改変を許すと、エライコトになりますよ」ということを判りやすく説明してくれます。
そして、どうしてそうなっているのか。
結局は、「アメリカ覇権主義的な、経済利潤優先のヒエラルキーの暴走」である、と。
その過程として、あまりにも金額的な成果主義に満ちた、「株式会社的な考え方で国家が運営されること」という指摘。
これは、別の本で内田さんが書かれていた、
「長い長い時間が経たないと、成果なんて判らないものごと」
と、
「すぐに数値で結果が出るものごと」
を混同してはいけない、というお話と似ていますね。
そこからさらに、「グローバル企業化」していく国家運営は、「国民国家、国土で暮らす人の幸せ」と、究極、相反してしまうことを述べられています。
内田さんは、「憲法を盲目的に守るべきである」という風には言っていません。
また、「日本固有に作ったものだから守るべきである」という不毛な出自論もしていません。
「70年と言う長い歳月、日本の軍隊は外国で殺人を行っていない。これは世界史的に物凄く奇跡的なこと」
ということの価値をどう考えるのか。
叫ばれている「経済再建」ってなんなのか。
数値や株の値段が上がること。経済という人質をとり、「戦争できる国家」を作っていくのは、誰の為なのか。
そもそも、今、僕たちの目の前で行われている政治は、ほとんど、「独裁」である。という視点。その理由。
そして、この本に書かれている視点を、全く国民に提供できないテレビ報道。
テレビニュースを信じてはいけません。
冗談じゃなく、信じられない報道、ニュース番組の作られ方だと思います。
報道にも言論にも抑圧が始まっていますね。
それを弾圧に変えて、法の正義の下に裁くことができるようになるように、憲法が変えられようとしています。
安倍さんの考えに反対することが、「違法」にすることができるように、憲法が変えられようとしています。
2時間で読めます。
この本を、一人でも多くの人に読んで欲しいです。
ほんとにたまたま、並行してアメリカ現代史の本も読んでいるのですが、怖いくらい相互に照らして良く判る印象でした。
かもがわ出版さん、パチパチ。
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神戸市と神戸市教育委員会の公平な態度に注視する
憲法は誰のためにあるのか。守らなければいけないのは国民ではない。国という運営機関、政府である。
憲法がどうのこうのという問題よりも今の日本が日本であり続けるために何をすべきかという事の方が大切だと思う。根本的にこの国はグローバル社会という名のもと日本人としての土台となりうるあらゆるものを放棄しようとしているよう感じる。そこまで日本という国が住みにくいのならとっとと外国に出て行ってもらって構わない。本当にこの国を良くしようと考える人たちは二番、三番とたくさん控えている事だろう。確かに一時的な繁栄は落ちるかもしれないがグローバルという膿を出す期間だと思えば大したことはない。
日本という国はそんなにも依存を必要としている国なのだろうか。豊かさはもうすでにいやというほど手に入れている。しかしその豊かさというものを扱う精神が狂っているだけだその流れにこの憲法改正問題が現れているとしか思えない。
憲法学者に用事が増えるというのは良い時代ではない
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99条 天皇又は摂政および国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ
憲法遵守義務が課せられているのは公務員だけです。一般国民には憲法遵守義務は課せられていません。18
自民党改憲案 102条
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない
衆院と参院が違うロジックで、違う立場で、違う視点から政策の適否を検証する。そのためのシステム
ねじれているのが常態なのです。 63