紙の本
人類の脅威
2015/09/23 21:38
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投稿者:ポン吉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒトは決してウイルスに完全に勝つ、所謂、駆逐することはできないが、なんとかアウトブレイクを制御することによって共存することができるかもしれない。この本が出版された当時は夢物語だったが、富山化学の抗ウイルス薬などの登場によって少し希望が見えてきたかもしれない。
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ストーリーの設定はエボラに感染した実験用サルがアメリカに来てしまい科学者や軍隊が制圧するもの。最近ダラスで本物のエボラ感染者がリベリアから入国してしまい現在患者を含める濃厚接触者4名が隔離監視下におかれた。軽微な接触者を含めると100名近くに上る。これがアフリカではすでに1万人近い人が感染し、多くの命を絶った。年内に50万とも100万とも感染者数が膨れ上がると言われる。果たしてエボラウィルスとどう戦うのでしょうか。エボラ制圧剤は現在効能確認中。FDAはアメリカにZMappを推す方向で動き、先手を行った富士フイルムの薬もフランス人医師に適用されその効果が確認されている。また一方で生存者からの抗体を利用した抗体治療も計画されているようだ。何れにせよ余談を許さぬ状況にある。この世界的な危機をこのホットゾーンが的確に生の現場の凄まじさを胸に焼き付けてくれることは間違いない。一読に値すノンフィクション作品
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20年前に出版されたエボラ・ウイルスに関するノンフィクション。
とにかく病状の描写が恐ろしい。恐ろし過ぎて現実の事とは思えないほど。
私が読んでいるのは高見浩(訳)の上下巻のハードカバーですが、つい最近1巻に集約されたものが発売されたようです。
ニュースで他人事のように見ているエボラについて生々しい知識を得ることができるのは間違いないです。
前半はアフリカで発生した主なエボラ株の発生当初の事例がメインでしたが、後半はワシントン州の実験用猿の施設でエボラの感染が見つかり陸軍とCDCが対策するのが中心に。
絶対に直に触れないように、宇宙服と呼ばれる防護服で対応する医師や研究者達の恐怖が、リアルで怖い。
脳も内臓も全ての細胞が破壊され、決裂し、放血し痙攣しながら死んでしまう。感染すれば死亡率9割。
今、現実にじわじわと拡がっている感染を考えると、これ以上無いくらい恐ろしさを感じます。
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約20年前に発行されて夢中で読んだ本が
復刊されていました。
内容をはっきりと覚えていませんでしたが、
読んでいて「怖っ」と思った記憶がやけに鮮明に
残っていました。
いつの間にか手放してしまって読み直したいと
思っていたので、古本屋さんで見つけて買う前に
復刊されていて即買いでした。
見た目も大きく変わっていて、
上下巻ハードカバーではなく、
ソフトカバーで1冊にまとまっていました。
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今世間を騒がせているエボラ出血熱。その脅威をいち早く世間に知らしめた一冊。映画「アウトブレイク」でその脅威をなんとなく知ったつもりだったが、この本を読んで本当の恐ろしさを知った。本書で描かれているのは20年以上前なので医療や検査の体制は進歩しているのだろうとは思うが、その脅威事態はなんら変わらない。なにより本書で共感したところは、エボラがわれわれ人類に何を警告しているのかという最後のくだり。環境破壊などに対する人類への警告ということに関しては妙に納得してしまうところがある。自然を克服したと過信している人類に対して、今のエボラのパンデミックは何を示しているのだろう。我々人類はまだまだ自然の前に余りにも無理なのではないだろうか。
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今から20年前これを読んだ時は、マイケル・クライトンの「アンドロメダ病原体」でも読むような、どこかSFのような、少なくとも他人事であったが、まさか今こんなことになるとは…。アフリカのハイウェイ工事に端を発する未知の凶悪なウィルスが初めて登場した時には、現在USAでエボラの対策にあたっているCDC(アメリカ疾病予防センター)が当時まったく対応することができず、実際に対応にあたったのはUSAMRID(ユーサムリッド:アメリカ陸軍伝染病医学研究所)であったと書かれている。本書は主にそのUSAMRIDとエボラの対決を描いていくものだ。米国のCDCはその後20年で対応が可能になったわけだが、翻って日本はどうかといえば、現在エボラ級のウィルスに対応できる機関も設備もないという…。
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ホットゾーン、30年近く前にその存在を知られ、小規模なアウトブレイクを繰り返していたエボラウイルス、その類縁とされるマールブルグウイルスと共にもっとも厳重な管理を必要とする危険な病原体。
その病原体が出現・潜伏していると考えられているアフリカ中南部でなく北米・ヴァージニア州レストンの実験用サル検疫所でみつかり、確定され、制圧されるまでのノン・フィクション…実質2日で読みきりました。それくらいに食い入るように読みふけった作品です。
この作品から映画「アウトブレイク」の脚本がおこされ、ダスティン・ホフマン主演で映像化されました。小説「アウトブレイク」は読み、映画も3度見てその恐ろしさを感じていましたが、ドキュメンタリー・ホットゾーンを読むと、その恐ろしさが淡々と綴られていて、おどろおどろしいBGMや映像のクローズアップなどがなくてもそのウイルスが十分に恐ろしいものだということが嫌という程に伝わってきました。
初刊行された1995年当時、読めないままでいたものが、2014年の西アフリカ地域での史上最大最悪のアウトブレイクを受けて復刻改定されたので読んでみました。いま迫りくるエボラ出血熱について、改めてその脅威を知る上で、読んでよかった作品です。
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エイズ発祥の歴史、世界中に広がった経緯を学べる本。
広まるエイズに立ち向かう医師の姿を過去の蔓延フェーズ毎に記載されている。より現場感を出すように表現にリアルがあることが印象的で、読んでいると引き込まれる感覚を得る。
医師の姿を見ると「人命」と「自分の生活バランス」について考えさせれる書籍であった。
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20年前に書かれた作品とは、知らなかった。また、アウトブレイクを観たのだが、内容を覚えていない。私ってアホですね〜。エボラの恐ろしさがひしひしと感じられる。増え過ぎた種は、減らされるのかも。
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現在も西アフリカ中心に広がる強烈な伝染病、エボラ出血熱。
本書は、1980年ザイールで発生したエボラの流行。そして、1983年にアメリカ国内で発生した実験用猿に端を発するエボラ掃討作戦について、書かれたノンフィクション。
映画”アウトブレイク”は、本書に描かれるアメリカ国内での掃討作戦が原案となっている。
1983年の作戦では、幸いエボラは人間に害をなすことはなかった。しかし、次のアウトブレイクが、人間にとって無害である保証はまったくない。
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エボラ出血熱は、バイオセーフティレベル(BSL)4。
これがノンフィクションで、20年前の本だとは驚きです。
夢にまででてくるぐらい、強烈な描写にリアルさを感じました。
同じフィロウイルス科に属しているマールブルグ・ウイルスとエボラ・ウイルス。
エボラは空気感染や飛沫感染はしないといわれていますが、読み進めるとさまざまな疑問がわきあがります。
対岸の家事ではなく、世界に蔓延してもおかしくはありません。
最善を尽くし収束に向かわせる上で、任務を遂行する人たちは訓練もありますが、最悪の事態を想定し備えて挑む。
エボラに立ち向かう人の、家族への心情も詳細に書かれています。
その想いを胸に秘め立ち向かう姿に、支える側なら何ができるのか、フッと頭を過ります。
やたら怖がるよりも、危機意識の高さを持って最悪のシナリオにならないように自分が発症したらを想定したり、考える機会を得る一冊です。
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2015.3 この本がノンフィクションということに戦慄。新聞で国内でエボラ疑惑、という記事を他人ごとに読んでいたけれど恐ろしい事なんだと認識。本当に怖い。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB16896560
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エボラがどのように発見され、広まっていったかを学べる。
どれだけエボラが危険か、過去どのように人々がエボラに立ち向かってきたのか、緊迫感漂う文章で引き込まれる内容だった。
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日本の首都・東京。その郊外にある動物施設で動物たちが次々と
謎の病気に罹患したとしたらどうだろう。
明らかに感染症。もしかしたら人間にも感染するかもしれない。
1989年、アメリカの首都ワシントンの郊外に位置するレストン。
実験用の猿を輸入する業者の管理施設に突然現れたのは、致死率
90%と言われるエボラ出血熱だった。
感染が人間に拡がればパニックは必至。施設内だけでウィルスを
制圧せよ。アメリカ陸軍と疾病予防センターが共同で行った
制圧作戦の顛末を描いたのが本書である。
2013年末のギニアから始まり、現在も西アフリカで続くエボラ
出血熱の爆発的拡大に伴って約20年前に刊行された作品の復刊。
前半は1967年に初めて確認された患者等、いくつかの感染者の
症例が詳細に綴られている。これが怖い。とことん怖い。
致死率90%、特効薬なし。感染したら確実に死に至る。エボラ
出血熱に対してはそれくらいの知識しかなかった。
生きながら、人間が崩壊して行く。ウィルスは体内のあらゆる
ところへ入り込み、増殖し、人間をウィルス爆弾に作り上げる。
そして原因不明の大量出血で死に行く感染者と接触した人々の
体を介し、人間の体を乗っ取りながら拡大して行く。とんでも
ない野郎じゃないか。
世に悲惨な死に方は数々あれど、エボラ出血熱で死ぬのは
勘弁して欲しい。自分どころか、周囲の人間も巻き込んで
しまうのだから。
尚、本書後半のレストンの制圧作戦の話では猿の間では空気
感染もあったようだ。ただ、このエボラ・レストンに関して
は人間には感染しないようだが、今後、ウィルスが変異した
ら…と思うとぞっとした。
西アフリカでのエボラ出血熱はヨーロッパやアメリカに飛び火
している。日本にも現れないとは限らない。その時、日本では
どのような封じ込め作戦が取れるのだろうか。
人間の持つ科学を超えたウィルス。以前はエイズもそうだった。
エイズもエボラも、アフリカから来た。それは人類に対する
警告なのではないかと著者は言う。
熱帯雨林の奥で静かに棲息していたはずのウィルスを、人間が
そこに入り込むことで外の世界へ広めてしまったのだろうか。
20年前の作品とは思えないほどに新鮮な驚きと恐怖を与えて
くれた秀逸なノンフィクション。だが、接続詞がわりに「で」
を多用するのに違和感があった。話し言葉なら許容範囲なんだ
けどね。