読割 50
紙の本
新訳ハムレット (角川文庫 Shakespeare Collection)
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ――」デンマーク王子ハムレットは、父王を亡くした。王位には今や王の弟であるクローディアスがつき、その妻にはハムレットの母であるガー...
新訳ハムレット (角川文庫 Shakespeare Collection)
新訳 ハムレット
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ――」
デンマーク王子ハムレットは、父王を亡くした。王位には今や王の弟であるクローディアスがつき、その妻にはハムレットの母であるガートルードが収まっている。
こうした現実を前に憂いに沈む王子ハムレットは、従臣から、父の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現われるという噂を聞く。
噂を確かめに向かい、果たして父の亡霊に出会ったハムレットは、実は父を毒殺したのはクローディアスだったと告げられるのだった……。
父の亡霊に導かれたハムレットは、殺人を共謀したクローディアスとガートルードへの復讐をとげるため、気の触れたふりをしてその時をうかがうが……。
四大悲劇のひとつであり、シェイクスピアの不朽の傑作長編戯曲を、現代日本におけるシェイクスピア研究の第一人者とされる訳者による、正確にして格調高い、読みやすい名訳でお届け!
【翻訳 河合祥一郎】
1960年生まれ。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。現在、東京大学教授。イギリス演劇・表象文化論専攻。日本シェイクスピア協会会長(2019‐20年)。著書にサントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』(白水社)『シェイクスピア 人生劇場の達人』(中公新書) 、『心を支えるシェイクスピアの言葉』(あさ出版)など。角川文庫・角川つばさ文庫で『不思議の国のアリス』『ドリトル先生』『ナルニア国物語』シリーズなど児童文学新訳も刊行中。戯曲に『国盗人』『家康と按針』『ウィルを待ちながら』『不破留寿之太夫』(文楽)などがある。
シェイクスピア作品は、そもそも舞台の脚本であるゆえ、台詞に独特の韻を踏んでいるのが大きな特徴。新訳シェイクスピアのシリーズでは、その原文が持っているリズムを日本語でも味わえるように、こだわり抜いているのが最大の特徴。読み易く、かつ格調高い、画期的新訳となっている。舞台や朗読で聞くと、その良さをさらに体感できる。それぞれの作品を読み解く渾身の解説も必読!【商品解説】
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
Forget-me-not
2004/04/25 02:16
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すなねすみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
The rest is silence:ハムレット最期の言葉。殉死を禁じられた親友ホレイシオはThe Tragedy of Hamlet, Prince of Denmarkを新王フォーティンブラスに対して語り始めようとする→「お話しすることになるのは、淫らで、血腥い、人の道に悖る行ない、偶然の裁き、意図せぬ殺人、狡猾に企まれた卑劣な死の罠、そしてとどのつまりは、陰謀は失敗して、企んだ者たちの頭上に落ちたすべての顛末、正しくお伝え致しましょう」(←粗筋代わりになる?)
*ほとんど皆殺しである。ポローニアスもオフィーリアもガートルードもクローディアスもレアーティーズもハムレットも、勿論ローゼンクランツとギルデンスターンも。
『ハムレット』の四つの翻訳本(福田恆存訳、小田島雄志訳、松岡和子訳、河合祥一郎訳)の感想から……「かっこええなぁ」と思うのが福田訳、「読み物として洒落てるし、知的な刺激に溢れてて、すっごく好きやなぁ」と思うのが松岡訳、小田島訳は「大御所の翻訳だし正確なんだろうけど……小田島さんの顔写真ってハムレットっぽくなさすぎるしぃ(偏見)」。
で、約一年前に刊行された河合さんの『新訳ハムレット』。正直「松岡訳が決定版!」と思っていたから、『謎解きハムレット』で楽しませてくれた(&アップダイクの『ガートルードとクローディアス』の訳者でもある)河合さんだとは言え、どんなもんやろか……最初は「う〜ん、やっぱり、松岡さんに較べて泥臭い感じなんだよね」と不埒な考えに捉われていたが、ある台詞をきっかけに、完全に河合版『ハムレット』の虜になってしまった(みたい)。
Ophelia:最近はお心のこもった優しいお言葉を何度もかけてくださいます。
Polonius:お心のこもった? ぶっ、まるで子どもの言い草だ。
危ない目に遭ったことのない世間知らずもいいところだ。
それで、その、かけてくださるお言葉とやらを信じているのか。
Ophelia:わかりません、お父様、どう考えたらいいのか。
Polonius:では教えてやろう。自分は赤ん坊だと考えるのだ。
かけてくださるのは掛け捨ての贋金。それを見かけに騙されおって。
かけがえのないわしの娘だ、自分をもっと高値で賭けろ、
さもないと----こう洒落のめしてばかりでは品位に欠けるが
----わしに阿呆と掛け声がかかる。
ポローニアスの洒落のめし具合が絶妙である。ちなみに、松岡訳は…「よし、教えてやろう。自分は赤ん坊だと心得ろ。お前が本物と思っているお言葉はとんだ偽金だからな。もっと自分を大事にして高値で売るんだ。さもないと----我ながらまずい洒落だが----バカ安で売れば、バカを見るのはこのわしだ」
*今でも僕は、読み物として楽しめるという意味では松岡さんの訳が一番だと思う。でも……芝居をやったことのある人間としては、やっぱりこの河合さんの訳は……すごく演りたくなる……おいしい台詞っていうか、言葉が生きてる……で、この小洒落た駄洒落おじさん振りを女性が日本語に移し変えるのは至難の業なのではないかなぁ。
*****
訳者あとがきによれば、この作品は狂言師・野村萬斎さんとの血で血を洗うが如き闘いの中から生まれたようである。→「多忙極まりない萬斎氏が、台本の最初から最後まで、すべての台詞を一行一行声に出して読み上げ、ダメ出しをし、じっくりと磨き上げてくれたのだ。……台詞のリズム、響き、意味、解釈にわたって、いわば>をするようにして、台詞を練り直し、鍛え直し、文字どおり萬斎監訳と称すべき実に贅沢な上演台本ができあがったのである」
芝居は高いけど、あの小さな芝居小屋の熱気は他では得がたいものである。で、この本。河合祥一郎&野村萬斎、ふたりのプロが火花を散らして作り上げた「芝居小屋」を僅か500円で堪能できる。煙草を二箱我慢してでも、買うべきである。(芝居が癖になっても知らんけど)
電子書籍
いい翻訳家は、いい作家だ。
2016/04/11 17:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:千巻良人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
名訳でした。数年前にシェークスピアを読んだときは、言い回しがいまいちでやめてしまいました。一度、名作を読むのを諦めた方も再チャレンジしてみる価値があるかもしれません。青空文庫でもシェークスピアは読めますが、私は、お金を出して、この翻訳家の作品を買いたいと思います。
紙の本
新訳
2020/10/26 08:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェークスピアの戯曲の新訳で、新鮮な驚きがありました。ハムレットだけでなく、いろいろな翻訳を読んでみたくなりました。