紙の本
人間の尊厳への想い
2015/09/19 06:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とっとこクー太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまりに有名な児童文学なので,読んだつもりになっていましたが,実は初めて読みました。ドイツの寄宿舎で過ごす少年達の日常が生き生きと描かれていて,読んでいて楽しい。読み進めながら,時折「自由と規律」(岩波新書)という本に書かれていたイギリスの学校生活のことを思い起こしたりしました。
物語の底流には,作者の人間の尊厳への想いが詰まっているように感じました。
紙の本
クリスマスに読みたい名作
2021/01/02 16:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あかぴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスマスを題材にした物語はたくさんあるけれど、中でも「飛ぶ教室」は私のおすすめ。
ドイツの寄宿学校(ギムナジウム)を舞台にクリスマス劇「飛ぶ教室」の稽古に没頭する少年たち。
そんな彼らに巻き起こる心温まるクリスマスストーリー。
登場する少年1人ひとりが主人公。
クリスマスに心温まる作品をゆっくり読んで見ませんか?
優しい気持ちになれますよ。
きっと大切な人のことをもっと愛しい気持ちにさせてくれます。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAICHI - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めてエーリヒケストナーさんの本を読ませていただきました。とても面白く、子供達のリアルな悩みが描かれていて感動しました。
紙の本
作中作「飛ぶ教室」に興味津々。
2014/12/23 16:21
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森羅万象 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぜひとも戯曲を読んでみたい。
本作品は群像劇。
これだけ多くの個性を書き分けたものだ。
クリスマスイブ前に読むべき児童文学だ。
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実は読んだことがなかったケストナー。児童文学ってこうだった、と思い出させてくれました。本当は大人・子供の線引きなんて必要ないのかもしれません。子供の頃の体験を忘れてしまった大人と、忘れていない大人。そっちの線引きの方が正しいのかも。
個性豊かな生徒たちと、子供と対等な大人たち。冒険も、生真面目な主張も、読んでいてとても楽しいのだけれど同時に苦しくもなります。自分の力ではどうしようもないことに必死に足掻いてもがいて悩んでいた頃。理想は破られ、教えられた価値観は絶対ではないとわかり始める時期を経て、逃げを打ち諦めることを覚えて今の自分に成り果てている、その現実を突きつけられるようで。正義先生や禁煙さんのような大人になりたいと思っていたはずなのに、ほぼ真逆を行ってますからねぇ…。ありがたいことにケストナーはそんな自分にも改心(?)の余地を残してくれています。物語の登場人物にはなれないけれど、この物語いいよね、と思える部分が自分にも残ってることに気づかせてくれる。赦しをもらえたようで、クリスマスの時期に読むにはぴったりの一冊でした。
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少年たちの成長を楽しく読んだ。前書き(二つも!)と後書きがあることで楽しさ倍増。同時に私は子どもたちにとって良い大人だろうかと反省も。
ただ、それぞれの登場人物に感情移入できるようになるまで、私は導入部を何度かなぞらなくてはならなかった。海外文学を読むとき、私は大抵その文化と名前に戸惑うので、冒頭から躓くことが多いのだ。一度目は目の滑るところはあえて飛ばして、グッと来るところから世界に入り込み、もう一度頭に戻ると納得できることが多い。
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20141203
新訳とのことでなんとなく買い。
挿し絵が原作で好みだったので。
クリスマスですし。
そんなに違わないけど、ちょこちょこ違う感じ。
いろおとこテオドール(笑)ちょっと笑った。
この話は本当に好きで、こういう友情に憧れた。
しかし私は女の子だったので無理だった!
みたいな。
でも男の子の中でも理想化されたものなんだろうな。
今読むと大人の友情とお母さん大好きはちょっと微妙に感じてしまったけどやっぱり泣ける。笑
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ドイツの日本で言うと小学生くらいのGradeにあたる寮生活下の少年たち(そしてかつての少年たちも)の友情譚と勇気を巡る物語。まごうことなき汚れもないjuvenile小説であり、青春(この小説の登場人物は其れにはちょっと幼い?)を描いた物語が大好きな自分には楽しんで読めた。それにしてもマルティンという少年の魅力、ビビリであることをコンプレックスにしてるウーリーの見せた勇気と成長、禁煙さんと道理さんを巡る温かな物語と言ったら!少しも汚れのない物語が眩しかったよ。
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名作とは何度読んでも面白い作品である。しかも新訳となると、同じなのだけど違う味わいを楽しむことができるという喜びがあります。もちろん前の方がよかったということもあるでしょう。新しい方が味わいやすいということもあるでしょう。どちらもそれぞれの味わいを楽しむことができる。そんなものもあるでしょう。
数多くある『飛ぶ教室』の中でも、読みやすさと味わい深さは随一かも知れません。新しいのだけれどクラシカルでもある。それは少し古めかしい言葉遣いが為されているから感じるものなのかも知れません。それが作品世界に融け込み、世界の入口を広げてくれます。
ケストナーの作品の中でも一番好きなものであり、子どもと接する大人の必読の書だという想いは、この何度目かの再読で益々大きく感じられました。(因みに『窓ぎわのトットちゃん』も必読の書だと思っています。)子どもを子ども扱いはせず、かと言って見離しもせず。きちんとした「大人の目」で書かれた子どもの物語なのでしょう。子どもたちが活き活きと描かれているからこそ、大人の役割を強く感じる。そこが素敵なのです。
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冬休みを間近にひかえた、ドイツのとあるギムナジウムの寄宿舎で暮らす子どもたちの物語。
前書き(ちなみにこのお話、前書きが二つあります)からココロをつかまれました。ケストナーが、彼が"ゴットフリート"と名づけたクジャクチョウに話しかけるシーンや、エドゥアルトという仔牛と触れ合うシーンがとても楽しいのです。
お話の本編は寄宿舎に住まう少年たちの友情物語…というとそこらにありふれているお話のようですが、私はとても好きです。文章に飄々としたユーモアがあって、クスクス笑ったところもたくさん。"禁煙さん"、"道理さん"、"いろおとこテオドール"とか、あだ名のネーミングセンスが抜群。
将来ボクシングでチャンピオンになる夢をもつ大食漢でケンカも強いマティアスと、臆病な自分がいやでマティアスの強さに憧れるウーリとの友情には、読んでいてこちらの心も優しくなる気がしました。
訳者あとがきもとてもよかったです。
うちの子どもにも読ませたくなりました。
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子どもは何も考えていない、という考えに真っ向対立した作者
また、前書きで、「夏にクリスマスの話を書くのは難しいが、不可能ではない」とあり、
それがナチス統治下にこのような話を書くことは不可能ではない、という意味だと知り、作者はすごい人だと思った
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子供に勇気と優しさを与えてくれる。大人に童心を蘇らせてくれる。先生の生徒への体当たりの接し方が自分の昔の先生を思い出させる。模索しながら成長する子供をよく表現している。2019.3.7
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小川洋子さんのラジオで紹介されていました
小学生の時、ケストナーのお話だいぶ読んだと思います
まあ当たり前とは思いますが 作者の背景とか全く知らなくて……
今回ものすごく面白くて面白くて一気に読みました
そして読んだ後 重くなりました
訳者の池内紀さんの文が好きです
あとがきもよかったな
≪ 時代超え メッセージ届け 飛ぶ教室 ≫
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ブクログのツイートで見て、何となく手に取った本
エーミールとか、タイトルは何度も目にしていたのに、読んだことがありません
それをすっ飛ばして他の作品を読む事になるとは(笑)
一部分からない部分(月の授業の部分)がありましたが、良いお話でした
これからも思わぬ出会いを楽しみにしています
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面白かった!子どもと大人を描く物語が大好きなのだけれど、どちらかというと、子どもから大人へ変わっていく過程の真ん中の時期を描いたものが好きだと思っていました。でも、このケストナーの飛ぶ教室は、子どもと大人の真ん中の生徒たちを描きつつ、子どもと大人の立ち位置ははっきりと分けて描かれています。それもまた面白い!
この物語のすてきなところは、なんといってもベク先生の存在。自分が子どもであった時期にこんな先生の出会えたならそれはとても素晴らしいことだと思うし、大人と呼ばれる歳になった今読んでみると、子どもたちに寄り添える、こんな大人でありたいと思わせてくれます。あまり歴史的な知識はないのですが、これが第二次世界大戦のナチス政権の管理と統制の時期に描かれ読まれたことに、意味があるのではないかと思いました。
5人それぞれの優しさや葛藤がエピソードのそこここに織り込まれていて、どの子もとても愛しく思えます。
子どもは小さな大人であるとよく言いますが、子どもの心を忘れない大人であるケストナーの作品をもっと読んでみたくなりました。