紙の本
読みやすさに技アリ
2016/07/16 12:57
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投稿者:平良 進 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2010年期の格差問題を精緻にしてきているピケティの警世の書、をダイジェストしている。平易に問題をまとめているのでその意味でも星五つ。
格差は確実に進むので、持てる階層が、持たざる階層への想像力を欠く事態が出来するとの指摘は貴重なんである。
紙の本
いいたいことは分かります。
2015/08/17 12:30
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投稿者:ブックン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピケティの入門書ということですが決して気軽には読めません、
読んだところでためになるのかどうか
ピケティを理解するにはネットで検索したほうがいい気がします。
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久しぶりに勉強のカテゴリを入れた笑
知り合いに勧められて。「日本人のための~」でなくこっちなのは何故かと問うたら、「どちらでもピケティ思想のアウトラインは掴めるが、こちらの方がプラスの見方を提示しているから」とのお答え。覚悟して読んだのでなかなか考えさせられる。
前半はピケティ思想のアウトライン説明。後半はそこから発展してアベノミクス批判。批判の部分はなかなか強烈で、読む人を選ぶかも。
批判という営みの難しさは、やはり感情と切り離せない部分だろう。感情が切り離せないと問題も切り離せないよね。感情だって格差による大きな問題の一つてあるなら、開き直ってもいい気がする。
あとこういう批判でよく感じるのは優先順位の認識と、長期的な視点が共有出来ていないこと。中、低所得者層の消費拡大とその経済効果による経済成長の目測が見えづらいから、いかほど優先すべきかわかりづらいというか。格差に苦しんでる人は今を生きてるって言われると苦しいけど。何を優先すべきなんだろう。何から戦えばいいのだろう。どっちもやる中間案を模索すべき?
こんなことをぼやぼや考えた。この本で一番の白眉は、他への想像力の枯渇に警鐘をならしていることではないだろうか。問題の本質はそこな気がする。たぶん勧めてくれた人も、僕に最近そういうケがあることを婉曲に教えてくれたんじゃないかな。そう思いつつ自戒の念を抱きながら読み終えた。
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21世紀の資本。
本屋で目の当たりにして、諦めた。
こりゃ読めね。買って満足するやつだ。
隣に置いてあったのが、この本。
原典を読んでない私には、適切な要約がされているのかは判断がつかない。
とはいえ、平易な文章で書かれていて、あっこんな感じな事をピケティは言ってるのね、とわかった気になれた。
とりあえず、方向性だけでも知りたい。でも原典は厚いし高いし数式だらけだし、敷居高い。
そんな、私みたいな人には凄く価値が有ると思います。
後半は、ピケティの主張を鑑みながら、日本の現状について書かれています。
結局はピケティの主張を本当に適切に抽出しているのかはわかりませんので、他の入門書も読む方がベターだとは思いますが。
原典は厚いし。
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世間で話題の「ピケティ」について、がちがちの経済論ではなく読み物として読めるものを、と思って購入。
ピケティの論理はシンプルで、「このままだと格差が拡大するから、『所得税への累進課税』と『世界的資本税の導入』をせよ」というもの。資本が親から子へ受け継がれることで富の集積が進むこと、経営者の高額報酬などが話題にのぼっている。著者はそれを日本の現状に当てはめ、アベノミクスについて論じているが論じ方はやや弱い。日本における格差社会の現状ってどうなっているんだろう?と疑問が残る。ただ、国の政策は官僚や政治家、経営者など上流階級の人間が決めているため、上流階級に優位になっているという指摘はその通りかもしれない。
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「格差批判はただの嫉妬」そのように受け流されるままとしていては格差が社会政策上の論点にさえならない。努力すれば報われる、という精神論に帰結させ切り捨てることなく、まずは格差批判と「そねみ」を峻別すること。格差が極端に広がることは社会の他のメンバーへの想像力を失わせ、貧困に対する有効な措置を阻んでいく。
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21世紀の資本が日本でもベストセラーになっていますね。その入門書として書かれた1冊ですが、本質を簡単に理解するためには非常に良い本だと思います。
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ピケティの『21世紀の資本』を解説(考えのきっかけとしている?)している本。
ピケティの説の批判は多い、みたいな表現が何回か出てくるんだけど、この本の方が批判が多いんじゃないかと思ったくらい、強烈でした。笑
ホリエモン批判、格差問題(女女格差、一部の高収入者を低収入者が支える社会)、高収入者が牛耳る政界…etc
強烈な論調すぎて、あれ?ピケティって結局なんだったんだっけ?となってしまう。
やっぱり本人の著作から読むべきだった…
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「21世紀の資本」の原本を読んだから、言えることかもしれないが、解説本として簡潔にまとまっており、原本を読む暇がない人にはこれだけでも、ある程度の理解はできるだろう。この本で良いのは、日本の格差とアベノミクスについて、ピケティの立場から論考しているので、目の前のこととして理解しやすい。最後に、できることより、今、必要なことをしようと行動提起されているのが、希望が持てるところである。
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メリトクラシー(業績主義)によって高額な報酬を得ると、それは資産化され、資産からの収益と、高所得によってどんどんと格差は広がる。
欧州の資本と所得の比率
19世紀末〜WW1前…6.7倍程度
WW1頃…3倍程度
WW2後…2倍
2010年…5倍
数値が高いほど、資産が多く格差がうまれやすい。欧州の場合大戦前は、世襲による資産の受け継がれた。
日本
1970年…3
1990年…7
1995年〜2010年…6
イタリアに次ぐ高い資本の集積度
勉強になった箇所
•ビルエポック
19世紀末〜WW1前の時代を呼ぶ。 フランス語で良き時代の意味
•メリトクラシー…業績主義
•顧客情報を出さないで有名なスイスの銀行も最近はアメリカからの要請等で開示傾向にある。
・スウェーデンは富裕層への高い課税で福祉を充実、平等化をすすめてきた。
所得税の累進課税
全世界での資本税 純資産への累進税
資本税は国際機関でも提案されてる
10億ドル以上の資産家の1%の課税
1225人うち400人アメリカ2012年
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ピケティという名前は聞いたことはありましたが、彼が何を考えているかはこの本を読むまでは全く知りませんでした。広告等には彼の主張が書かれていて、これからの新しい考え方で、ネットを中心に広まっているのでしょうか。娘は知っていました。
遅れていた私は、ピケティの入門書を読むべく本屋を歩いていたら、丁度良いタイトルを持った、この本に出合いました。ポイントは、格差が広がる社会には未来がない、持続ある成長を求めるには、格差は一定内に抑えておくべきだと感じました。
所得税を多く取ることは労働意欲を無くすとマスコミがずっと言ってきたのを真に受けてきましたが、この本に解説されているように、ある一定以上の給料になっても税金でとられてあまり変わらないから高収入にこだわらない、という考え方も私は理解できました。
現代の日本でも、バブル前に就職した人たちが私の年齢辺りを境に、まだ多くの人が働いています。一方で、失業率が高く、かつてのような就職のできない若者が多く存在している、歪な構成になっていると感じます。
やりすぎは良くないとは思いますが、日本においても格差を是正して、安定した社会を目指す工夫が必要であると思いました。
以下は気になったポイントです。
・lこの本は経済の専門家ではなく、日本の格差の現場を取材してきた目を生かすことで、ピケティの格差論が、平場の私達に与えてくれる視点や解決策を解き明かすことを目指した(p7)
・国民所得のうち、資本が稼ぎ出す所得がどれぐらいかは、資本の集積度に収益率をかければわかるというもの(p21)
・資産から上がる収益は、過去の記録からすると、4-5%程度に落ち着く、お金の貸し借りをするとき、4%程度に落ち着いているから(p22)
・成長率が低い社会では、富の中の資産の比重が非常におおきくなり、資本は集中度を増すし、少子化はこれに拍車をかける(p24)
・私達が慣れしたんで来た格差の小さい社会は、18世紀から300年間のトレンドの中で、極めて例外的な60年間にすぎない(p26)
・年間国民所得に対する私的な資本の割合は、日本は2010年で6年分、バブルに7年分をつけていた時期に迫っている(p33)
・副作用なしで格差を解決する決めてとしてピケティが提唱するのは、所得税への累進課税の引き上げ(p42)
・所得税を最初に導入した英国では、1798年、フランスとの戦争を前に戦費の調達に迫られて導入した(p48)
・日本は、正規と非正規、男性と女性、働き手の属性による格差が大きい社会(p53)
・マクドナルドでは、名ばかり店長の訴訟後、店長との労使紛争を解決できるフランチャイズ方式への切り替えを推進した、そして現場力低下(p56)
・最高税率の引き下げが、高い報酬にこだわる人々を生み出し、利益を従業員に回すよりも株主配当、役員高配当に声が強まっている(p74)
・成長戦略の柱といわれる、1)解雇の金銭解決、2)新しい労働時間制度、3)限定正社員制度、4)労��者派遣法改定、の改定に対して危機意識が高まっている(p90)
・働き手がどのように時間に縛られているかの創造力を失っている人々がいる(p93)
・1970年代までの、男性が威張れる相手を探して結婚する「上昇婚」の世界は遠のき、同じ階層同士、業績主義による資産を持った世襲的中流以上の結婚が意思決定層になっている(p103)
・高等学歴在学率において女性が男性よりも低い国は、韓国や日本など、多くない。これが、女性の低学歴化、非正規化、貧困化を促進する一因となっている(p110)
・純金融資産保有額が1億円以上の富裕層、5億円以上の超富裕層の合計が、2013年で100万世帯を超えた(p113)
・オールオアナッシングの考えではなく、中間に多くのやり方があることを理解すべき(p123)
2015年4月5日作成
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地主社会から管理職社会へ 「業績至上主義」が広く浸透したことで、不合理とも言えるほど巨大な報酬格差が正当化され、その妥当性への疑問が封じ込まれてしまっているのは、深刻な問題です 格差は今後も拡大する ピケティは、もし、100万ユーロ未満の純資産は免税とし、100万~500万ユーロは1%、500万ユーロ超は2%といった低率の累進税をEU全体に導入するとしたら、この地域の人口の約2.5%がこの税の適用対象になると試算しています 日本は4つの賃金階層に分かれた。株式階層、ボーナス階層、サラリー階層、お小遣い階層 貧しい国から先進国への移民は、国際間の格差の縮小の一つの解決策ではあると指摘している 貧困は直視しないで放置していると増大する
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ピケティ入門という名前だが、内容はピケティの本当に軽いダイジェストと、ピケティの名前を借りたアベノミクス批判、格差社会批判となっている。
副題に「21世紀の資本の読み方」と書いてあるだけに、原著にもう少し忠実なほうがよいと思った。
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2015年12月4日読了。トマ・ピケティの『21世紀の資本』を解説する本だが、筆者の力点は「いかにアベノミクスが格差を広げているか」を弾劾する後半部分にあるようだ。資本格差による恩恵を受けている側はもちろん格差のある現状を変えることを望まないので、格差は広がる一方で、また資本力による発言力があるために政府や公的機関がそれを是正することも難しい、ということは理解できた。アベノミクスにも色々な見方があるのだろうが、「富める者から富む」トリクルダウン理論を採用している限り、格差が是正されることはないようだ。マルクスが夢見たように、金も力もない99%の面々が、数を頼みに声を上げて世界を動かすか、それか世界大戦が起きて超インフレ・資本への課税が実現しない限り、この世界は変わらないのかもしれない・・・。
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ピケティの話はほぼ3分の1程度で、導入部分にしかない。
考えさせられるところは多いものの、ほとんどがアベノミクス批判で占められており、既視感がある感じが否めない。
やはり、原典を読むことが大切。
政策提言としての、全国同一最低賃金の話や、外国人労働者への差別が根底にある限り、家政婦制度は奴隷労働と化すという批判は説得力のあるものだった。
ちょっと左寄りすぎる気がして、とっつきにくいところもある。流石朝日新聞というところか。