紙の本
様々な思い
2020/12/18 12:02
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投稿者:がんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み進んでいくうち、あの頃の様々なことが思い起こされ、話の世界に集中することを邪魔してしまった。
それぞれに感じるることは違っていても根底は一つの出来事。
いろんな思いを抱えながらも、新しい年はやってくる。
紙の本
守る難しさ
2015/10/22 22:36
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
阪神淡路大震災から20年の節目を考慮しての連作短編だが、この人の持ち味からは最も遠いのではないか。氏の作品はほとんど読んでいるが、次第に雑になってきた気がする。じっくり腰を落ち着けて、良いものを残さないと…
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悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない――南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? 〝喪失〞から、物語は生まれる――。
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阪神淡路大震災からちょうど二十年目のその日に出版された一冊である。二十年という月日が、物語にするために必要だったのだと思うと、胸に迫るものがある。直接的、間接的に、大震災で負った傷を背負って、逃げるように、あるいは祈るように、南の島にたどり着いた女性たちの、いままでとこれから、そして圧倒的ないまが描かれている。悲しみや苦しみを忘れ、捨て去るのではなく,認めて受け容れられてこそ、次のステップに臨めるのだと教えられる気がする。少しずつリンクする彼女たちの人生。僅かでもかかわることで、互いのこれからに良い影響を与え合っているようにも思えてほっとする。ここからが始まりなのだと思わされる一冊である。
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心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために-。「死」に打ちのめされた彼女たちが辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? 『小説新潮』掲載を書籍化。
楽園
同棲中の女子大生(腕に大火傷の跡あり)がトンガを尋ねる。神戸の震災で死んだ双子の片割れの墓を葬るために。彼氏がおいかけてくる。
トンガは先生が海外派遣した場所。楽園の写真を見せてくれた。
母は教育学の大家。5歳の時、台所で天婦羅油をかけられ火傷
。地震で片割れが死んだ時、母が言った。「何であなたなの」自分は死んだことにされた。火傷は地震が原因。
5歳でも記憶は鮮明。
約束
トンガで教師をする日本人女性。現地もじょじょに理解。陽気な音楽を流す葬式に出席して文化の違いを知る。優等生の婚約者が遊びにくる。婚約破棄を告げる
できすぎる彼氏を批判(人を褒めない)したら、首を締められた。身の危険。DV?
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奇しくも、21年後の1月17日に読了。「震災の話はナシにして下さい。わたしは被災地の内側を知りません。だから、震災を語れる資格はないのです」トンガ人の死生観「悲しいのは別れであって、死ではない。むしろ、生きていくことが試練であって、私たちは毎週日曜日に教会に通い、イエス様のお声を聞かせてもらう練習をしたり、同じ世界に住むのにふさわしい人間になるために日々、鍛錬を積まねばならない。つまり、死とはイエス様と同じ世界に住むことが許されたという証で、喜ばしいことなのだ」
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阪神大震災とトンガを舞台にした物語。
震災の辛い記憶と南国トンガの雰囲気が対照的。
短編集のようであり、少しずつ繋がるストーリーで、最後にそうくるのか!となる。
イヤミスじゃない湊さんも良い。
湊かなえ 小説
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4作からなる連作。楽園を探しにトンガタプ島へ向かった主人公。震災をめぐるお話。
「震災のおかげで」は思ってはならない。震災の時の友達とのやり取りが読んでいてつらかったです。冷静になって考えると戻ってやり直したいと思ってしまいそうです。思い出したくない過去になりそう。
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長編かと思って借りたら短編集でありました。最近よくあるこのパターン(笑)
全4編「楽園」「約束」「太陽」「絶唱」
イヤミスではなく社会派ドラマ?いつものような毒家があまりなかったです。
それぞれが過去のトラウマから、新たな気持ちで前進していこうという前向きな本。個人的には暗い話も好きだけど、湊さんの「物語の終わり」が読んでいてすがすがしかったので、著者についてはこういうテイストの方が好きかもしれない。
特に印象に残った表題作の「絶唱」
未曾有の震災が起きて、周りの誰よりも一番乗りで安全な場所へ避難した主人公。
あの頃も今も北海道に住んでいる私にとっては、遠い地で起きたことであり、どこか他人事でした。
被災者の気持ちをわかりたいなんておこがましいし、主人公のことも非難することもできません。
もし、あの時こうしていれば…と過去を振り返ったところで本当にそれが正しいのかもわからない。
余震もある中で、生死をわけるかもしれないのに他人のことを気遣う余裕もないかもしれない。
主人公を家に読んだバイト仲間の女の子も、「力になりたい」という気持ちの他に打算はなかっただろうか。
でも時間をかけて迎えに来てくれて、温かいご飯と安らげる寝床を提供して、主人公が休息が得られたのも事実で…。
矛盾するけど、全員の行動や意見に納得してしまう、そんな作品でした。
他の3編も、心揺さぶられるほどではなかったけど、トンガという国に想いを馳せてみたりなんかしちゃいました。
全体的に良かった!
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湊さんが実際に阪神大震災に遭われたのかどうかは
わからないけれど、
この物語を書けるようになるまでには、
20年という歳月が必要だったのでしょう。
大きな災害が起こるたびに、私たちは被災者を思い
何もできないことに傷つき、
何かできたとしてもなぜか自己嫌悪に陥り、
誰かを責めたり責められたりして
それでもやっぱり自分のできることは何なのかと
いつもいつも問い続けてきたように思います。
全編から震災の記憶から立ち直ろうとしている人を見守る
湊さんの優しい眼差しが、
そして最後の章からは
湊さん自身の二十年を経てもなお抱き続ける悲しみと
小説家としての決意のようなものが伝わってきて
胸に深く沁みました。
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トンガが舞台の連作短編4編。出版日付からもわかるように、登場人物達は阪神淡路大震災を経験しており、著者もまた同様だそうで、その深い思い入れを感じました。この人には珍しい、イヤミス度0の読後ほっこり感がたまりません。
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阪神淡路大震災とトンガを繋ぐ短編。どの話も繋がっている。湊かなえさんの自伝的要素があるのかなと思ったり。
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南の島トンガと、阪神淡路を経験した人との、連作集。
相変わらず、読みやすくてサクサクと進む。
構成がスッキリしてて良い。
楽園・・・生き残ったまりえちゃんと、双子のお話。
約束・・・理恵子先生の過去のこと。
太陽・・・杏子さんの過去と現在と未来。セミシさんは尚美さんの旦那さん。
絶唱・・・作家になった千晴の震災時のこと。
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いつも通り。一本の話をいくつかの視点から書いて、最後に手記でだらだら情報を流しておしまい。
もはやミステリーですらない。ただの日常話。
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死に打ちのめされた私を救ってくれる人がいる。
「ごめんなさい」という言葉に逃げずに
ちゃんと正面からプラスの感情を伝えることができるようになったことで、
あの時に救ってもらえた高原くんへ同じように
自分も誰かを救える存在になりたいと願えるようになった気がする。
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阪神大震災とトンガ、著者の実体験に基づくもの?
湊さんの作風とちょっとずれる作品ではありますが、この作品を世に出すことで、著者のトラウマみたいなものを昇華させているのかもしれません。
死は悲しむべきものではないなんて、いい文化です。