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著者が人格者すぎる!
2015/10/19 12:46
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投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、人間的に驚くほどハイレベル。
日本の支配においても、利益になる部分を取り出し、それを台湾の発展に確実に結び付けています。
対立するより、協力することを選択した結果だと思います。
日本も同様に考えるなら、「憲法をアメリカに押し付けられた」などと言わず、役立つところを取り出して利用すべきでしょう。
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李登輝氏と戦後台湾の歩み(台湾入門書)
2015/02/01 09:22
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災時の多額の義捐金以来、台湾は「世界一の親日国」と日本人も認識しています(31ページ)。ただ、何故親日国となったのかや台湾の戦後の歩みまで理解している人は、あまりいないのではないでしょうか。私もそうでした。本書を読めば、全て氷解しますし、併せて、李登輝氏の波乱万丈な半生を知ることもできます。台湾入門書として必読の書です。
李登輝氏は親日派として有名ですが、京都大学に進学していたとは驚きました(44ページ)。実兄は海軍特別志願兵として出兵し、マニラで戦死。靖国神社に祀られているとは二重の驚きです(55ページ)。また何の後ろ盾もない中、台湾の総統を務めたというのは、並大抵のものではなかったでしょう(83ページ)。
台湾人は「日本精神(勇気・誠実・勤勉・奉公・自己犠牲・責任感・遵法・清潔)」を大事にしているとのことです。李登輝氏をはじめ、台湾人の方が日本人よりも「日本」を理解しているのかもしれません。八田與一等々の台湾で名の知れた日本人と比べ、大和魂を忘れ武士道からは程遠くなった「現代日本人」を、台湾の方々は物足りなく感じていることでしょう。それにしても、震災で台湾から受けた恩義に対する民主党の礼を欠いた対応は、「日本精神」からかけ離れていて、今でも呆れますし、恥ずかしいばかりです(184~191ページ)。
その台湾も、今重要な岐路に立っているようです(第3章)。台湾は日本が国境を接している国の中で、胸襟を開いて分かり合える唯一の国です。日本は同じ民主主義国家として、また大切な友人として、しっかりサポートしていくべきと思いました。それには、独立国家として認め、国交を樹立して、普通に交流できるようにならないものでしょうか。「反日」で結束を固め、尖閣から沖縄まで我が物にしようという野望を露わにしている中国に、何の遠慮が必要でしょうか!
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「新民主」を持ち出されては
2022/06/30 23:59
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
李登輝は終生、自分が中国共産党員だった事を認めなかったが、光復後、「新民主」なんて言葉を使っていた事を書いている。「新民主主義」は当時の中共の用語だ。李登輝信者は中共嫌いな割に、この言葉が持つ意味が分からないわけだ。やはり岩波文庫で刊行された合法文献としてのマルクス主義文献を読んだマルクス・ボーイどまりではなく、李登輝は台湾大学に浸透していた蔡孝乾の中共台湾省工作委員会の末端につながりがあって、蔡孝乾が中共から脱党の許可を出したというから、李登輝が国民党に入党する際に取り調べを受けたが、この時に蔡孝乾は蒋経国から求められるままに知っている限り話しただろう。取り調べを受けた時に蔡孝乾と会ったのだろうか。李登輝に失望したあまり、彼を蔡孝乾まがいの人物にしてしまった本があるが、それはないだろう。
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イギリス留学のとき、同じクラスだった香港出身の人は自らを「香港人だ」と名乗っていた。
マカオに行ったときに日本語でガイドをしてくれた頭ツルピカの張さんは笑いながら、俺はマカオ人で、カジノのおかげで税金が安くて病院はタダだと誇らしげだった。
また、上海行ったときに女の子に今までどこの国に行ったことがある?と聞かれて挙げていったとき、台湾と言ったら「台湾は中国でしょう」と笑っていた。
果たして、香港は、マカオは、台湾は中国の一部なのだろうか。いや、やはり何か違うのだ。
気質というか、鷹揚さというか、気風の良さというか。
上海のギラギラしてせこせこした中国人とは、やはりどこか違って、文化的で、とてもいいやつらだったのだ。
さて、李登輝の「新・台湾の主張」です。このじいさんまだまだ元気なんだなぁ。
李登輝といえば男塾のコスプレしてた印象しかないけど、元は日本統治下の台湾で青春時代を過ごし、その後は台湾総統時代に民主化を導いたすごいおっちゃんなんだよな。
技術だけ盗もうとする逆の手で威嚇してくる中国より、
おいしいところだけをさらって行こうとするインドより、
とりあえず謝罪しろと言ってくる韓国より、
どうにか助けて下さいよと何でもかんでも頼んでくるその他の東南アジアより、
なんとなく信頼できるのが台湾。
学生時代に学会発表に行ったのが台湾で、台北の屋台で食べた饅頭がおいしくて「ハオチー」って言ったら、本気で喜んでくれた。
なんか、国民性がとてもいい。好きです、台湾。
さて、そんな台湾が中国に取り込まれそうになっているのを危惧しているのが李登輝である。
そして、台湾の立場は国際的には孤立している。台湾は中国の一省であるという中国の立場のせいだ。
国と国の国境において隣人と仲良くできるわけがない、というのが常識だ。韓国と仲良くできるという考えが間違ってる。ムリに仲良くしなくていいじゃん。
だけど、いろいろと日本を助けてくれる隣人とは素直に仲良くすればいいじゃんと思う。
最近の日本は、なんかどうしようもないけど、これからもよろしくお願いしますと言いたい。
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気骨ある文章に読んでいて襟を正す思いがする。そしてこの台湾の偉大な巨人の思いに応える日本であらねばならないと強く感じる。
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日本に対するリップサービスが多分にあるのだろうが、氏の著作や講演は、常に日本人が生来持つ心の郷愁を擽る。超インテリな方が、シンプルな価値観を貫いて行動する。そうそう出来ることではない。
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日本人より日本人らしい哲人からの日本への愛に溢れた叱咤激励。こんなリーダーが日本にいたらと切望してやまない。中共と手を切り台湾と同盟を。
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台湾の民主化を成し遂げ、哲人政治家と称される著者は、台湾人は今こそ「日本精神」を顧みなければいけないと説く。日本統治時代の日本人が持っていたとされる「誠実」「勤勉」「奉公」「遵法」などを胸に、台湾との統一併合をめざす中国と対峙せよと語るのだ。ベストセラー『台湾の主張』から15年、92歳になった著者が、ここに新たな「魂の直言」を放つ。新渡戸稲造や後藤新平からの影響、農業経済学者としての活躍、台湾総統としての孤独、中国の軍事膨張に対して示した毅然たる姿勢……。そして、新たな民主化への道を歩み始めた台湾と、日本の今後を見据え、東アジアの平和のために進むべき道を説く。
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生き生きとまた情熱ほとばしる李登輝元総統の著作。哲人政治家、これほど高潔、聡明、人徳の高いリーダーは世界的にも稀でしょう。
本書は、日本と台湾の切っても切れない歴史的事実、その後の台湾のたどった道を経て現在の台湾の置かれた状況と日本との関係について書かれています。
かつて日本にあった武士道精神が別の形で台湾に息づいていまも台湾の人々の心に根付いていることを教えてくれています。これに対して日本人はどう応えどう行動するのかが問われています。
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「日本へ贈る言葉」を先に読んでいたため、内容的にはかぶるところが多かったです。それでも他国から見た今の日本の姿について勉強になることが多く、また、台湾の人々に対する非礼の数々について申し訳なく思います。
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最近仕事で行くようになった台湾だが、歴史を正確に理解していなかった。近代台湾を築いた著者は、自伝がそのまま台湾の歴史である。すごい。かつて日本人が残した「日本精神」が好まれているそうだが、最近おかしくなっている日本に対して「日本加油」と檄を飛ばしてくれている。しっかりしないと、である。
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日台中韓の関係は日本国内にいると大変複雑に感じる。が、李登輝の眼を通じると日台関係の強化がアジアの安定と繁栄の基礎になることがよくわかる。哲人政治家、李登輝のいる台湾が羨ましい。現総統蔡英文の手腕に注目している。
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台湾民主化の祖、李登輝元台湾総統の心の叫び。もうすぐ百歳に手が届こうかという総統は自分亡き後の台湾を、日本との関係を、国際社会における台湾を憂う。中国は台湾と国交のあった国々に対し、金で国交断絶させ、毎年のように数ヶ国ずつ国交を失わせている。総統は、台湾は既に独立国家であり今更独立を宣言する必要は無いと言う。実際台湾に行くと日本人だけでなく、東南アジア諸国や、欧米の観光客が大勢いる。しかし、その内の何割が中台関係についての知見を持っているだろうか。まずは世界に実態を発信することが重要ではないだろうか。
中でも心に響いたというか、堪えたのは「台湾人による日本への思いは、長い間『片思い』にすぎなかったのかもしれない。」という箇所。日本は台湾に対する中国からの圧力の矛先を武力以外で反らすことのできる唯一の国家である筈である。日本は台湾のため、台湾人のため、日本自身のため(もちろん領土的な問題も含め)それを実行すべきではないだろうか。個人的には中国の金は受け取らないと粘り続けていた最貧国に近いブルキナファソが折れてしまったことが残念。ブルキナの政権交代が理由であろうか……お金は喉から手が出るほど欲しいはず。
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先日訃報が伝えられた著者を台湾へは何度か行ったことがあらにも関わらず、恥ずかしながらよく知らず、図書館でふと見かけて手に取りました。
当然美化されているところはあるとは思うが、台湾の国益に適うことをまっすぐに主張している印象です。現職(執筆当時)の国家元首に明確に退陣を求める元国家元首。日本じゃなかなかない光景です。
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台湾総統であった、李登輝の自伝・主張
日本統治時代の精神 勇気、誠実、勤勉、奉公、自己犠牲、責任感、遵法、清潔、
台湾に影響を及ぼした日本人 後藤新平、新渡戸稲造、八田與市
京都帝大在学時に志願兵に、敗戦後台湾帰国後の本省人と外省人との確執
学生との対話と約束の実現、民主化への努力
中台の確執、軍備論、日本との関係、台湾大地震、東日本大震災