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紙の本
夏の災厄 (角川文庫)
著者 篠田 節子 (著)
平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。撲滅されたはずの伝染病がなぜ今頃蔓延するのか?保健センターの職...
夏の災厄 (角川文庫)
夏の災厄
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商品説明
平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。撲滅されたはずの伝染病がなぜ今頃蔓延するのか?保健センターの職員による感染防止と原因究明は、後手にまわる行政の対応や大学病院の圧力に難航。その間にもウイルスは住人の肉体と精神を蝕み続け―。20年も前から現代生活の脆さに警鐘を鳴らしていた戦慄のパンデミック・ミステリ!【「BOOK」データベースの商品解説】
平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断される。撲滅されたはずの伝染病がなぜ? 後手にまわる行政の対応。その間にもウイルスは蔓延し…。戦慄のパンデミック・ミステリ。〔文春文庫 1998年刊の加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
篠田 節子
- 略歴
- 1955年東京生まれ。1990年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。1997年『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年には『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。
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電子書籍
いつのまにか角川文庫に・・・。
2020/05/18 02:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
またしても感染症もの、再読。
これまた二十年以上前に読んだかな~。 でも印象はかなり鮮烈で、ある場面は(想像で)目に焼き付いている。
しかし、やはり細かいところはしっかりと忘れていたのであった。
最初に読んだのは文藝春秋社の単行本だった気が・・・文春文庫にもなっていたような。 時間の経過を感じます。
そうだ、「インフルエンザワクチン反対」という母たちの運動から幕が開くのだ。 舞台は1995年あたり?
ワクチンの副作用が問題になるのは、その病が流行っていないとき・もうその病は制御可能だと思い込んでしまうとき。 いざ感染が拡大したら、ワクチンの持つ危険性がとるに足らないように感じてしまう(副作用での死亡率より感染症による死亡率のほうがはるかに高いから)。
ワクチンは先人たちの苦闘の末の存在で、ワクチンを改良していくことも研究課題だが、「ワクチン危険論」(副作用はゼロではない)を叫ぶ声が大きくなったら、獲得した知恵の結晶は葬り去られてしまうのか。 そもそもワクチンとはなぜ生まれたのかの意味を突きつけてくる話。
行政がいつも後手後手だとか、素早く判断しない・責任をとらないのは変わらず。 この病が昭川市周辺で何とか収まっているから、国はまったく救いの手を差し伸べない、というあたりすごくリアル。 でもパンデミックにはまだなっていないので、COVID-19の現状とついつい比較してしまう・・・今のようなネット社会が舞台なら、この物語の進み方も変わっただろう。
けれど「感染する恐怖」が街を覆っていく様は、いまと多少リンクする。
ただ新型日本脳炎に感染したら死ぬ、もしくは重篤な脳障害を起こすので、ほぼ回復者がいないというのが救いがない。 毒性が強いが故に、封じ込めは可能だけれど、その場合昭川市民のかなりの数が犠牲になること前提なので。
風評被害や同調圧力に日本人は弱い。 そして自分に関係ないと思えばとても冷淡に(無関心に)なれる。
だが、登場人物たちは自分にできることを懸命にする。 市井の人が活躍するのが篠田文学の真骨頂。
ただ、今の状況ではSF展開な部分が荒唐無稽にも感じる・・・他の部分がリアリティあふれているから余計に。 とはいえ一気読み。
現実の感染症はフィクションを霞ませてしまう・・・でも本作はすごく力が入ってるし、かなり現実に即していて、なにより面白い。
人類、因果応報って感じ、キライじゃないです。
紙の本
少し期待外れ
2020/04/29 10:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
感染物として興味があって読んだのだけど、書かれた時代が古くて今の世情にあっていないということと、少し長すぎて昭川市で発生した新種の日本脳炎の対応についてもそんなに切実感、深刻感が乏しい感じがした。要するにスピード感と切迫感がない。
なんだか消化不良。