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紙の本
宿神 第3巻 (朝日文庫)
著者 夢枕 獏 (著)
高野山に入った西行は申の導きにより、またしても宿神と出会う。そして、覚鑁から授かった「理趣教」を唱え、今は亡き鰍の弔いをついに果たすのだった。一方、都では悪左府頼長らと清...
宿神 第3巻 (朝日文庫)
宿神(3)
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商品説明
高野山に入った西行は申の導きにより、またしても宿神と出会う。そして、覚鑁から授かった「理趣教」を唱え、今は亡き鰍の弔いをついに果たすのだった。一方、都では悪左府頼長らと清盛・信西らの対立がいよいよ激化し、政権をめぐって大乱の気配が漂い始める…。【「BOOK」データベースの商品解説】
高野山に入った西行は申の導きにより、またしても宿神と出会う。一方、都では悪左府頼長らと清盛・信西らの対立がいよいよ激化し、政権を巡って大乱の気配が漂い始める…。大河伝奇絵巻。【「TRC MARC」の商品解説】
【文学/日本文学小説】ついに高野山入りを決意した西行。「これからゆく道は修羅の道」と世俗や自身の内面と決別するため、新たな一歩を踏み出す。一方清盛は、朝廷内での権勢を高め、大いなる野望に近づいていく……。著者会心の大河伝奇絵巻、動天の第三巻。【商品解説】
ついに高野山入りを決意した西行。「これからゆく道は修羅の道」と世俗や自身の内面と決別するため、新たな一歩を踏み出す。一方清盛は、朝廷内での権勢を高め、大いなる野望に近づいていく……。著者会心の大河伝奇絵巻、動天の第三巻。【本の内容】
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紙の本
平家の躍進と保元の乱
2016/07/03 21:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は夢枕獏の描く宿神1、2の続編である。主人公は北面の武士である佐藤義清、同じく北面の武士であった平家の総大将となる平清盛、そしてやはり同僚の盛遠が絡んでくる。宿神2は、義清が待賢門院璋子への憧憬が捨てきれず、仏門に入った。しかし、璋子は薨去してしまう。西行と名を変えた義清の生きがいともいえる方のその死によって義清は行き場と目標を失ってしまう。
本書3巻目は、冒頭謡の『殺生石』から始まる。この段でも憎からず思っていた鰍こと玉藻前は、謡曲と同じく殺生石のある那須で命落とす。義清こと西行もいよいよ日々生きていくよるべを失ってしまった。那須と言えば領主は那須家である。西行は所望されて那須家の跡取りの名付け親となる。
都に戻った西行は、高野山に居を定める。ここで真言宗の中興の祖である覚鑁大師との出会いがある。都へ行くと清盛の館に寄る西行であるが、この際の会話はまさに安倍清明と源博雅との会話そのものである。何の遠慮もない、屈託もない会話である。
これから徐々に平氏にあらずんば人でなしと言われた時代に突入する。そして、いよいよ保元の乱へと突き進む。乱勃発の原因は平家一族の出世に対する妬みだけではない。皇族、貴族の間での争いも絡む。貴族の中心は信西である。
保元の乱は、皇族、貴族、武士の組み合わせによって敵味方となっており、後のように特定の勢力があるわけではない。このように本書では西行、清盛、盛遠などの北面の武士出身者の活躍ぶりを描いている。
西行が主人公となっているせいか、歌の引用が多い。歌に親しんでいる読者なら十分に楽しめよう。ただし、一般の読者にとっては読み飛ばす材料にしかならず、かえってストーリーが途絶えるので煩わしい。頁数の問題であるならば、他の話題に変えて欲しかった。