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二十世紀の怪物帝国主義 (光文社古典新訳文庫)
幸徳秋水の生涯で最初の著書にして代表作の一つである「二十世紀の怪物帝国主義」と、獄中で書かれて未完のまま絶筆となった「死刑の前」を、現代語訳して収録する。訳者による解説、...
二十世紀の怪物帝国主義 (光文社古典新訳文庫)
二十世紀の怪物 帝国主義
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商品説明
幸徳秋水の生涯で最初の著書にして代表作の一つである「二十世紀の怪物帝国主義」と、獄中で書かれて未完のまま絶筆となった「死刑の前」を、現代語訳して収録する。訳者による解説、幸徳秋水年譜も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
「帝国主義は『愛国心』を経とし、『軍国主義(ミリタリズム)』を緯として、織りなされた政策ではないだろうか」。大逆事件(1911年)で倒れる9年前の1902年(明治34年)に刊行された本書で,幸徳秋水は帝国主義の本質を喝破。該博な知識を駆使し,レーニン,ホブソンに先駆けて複雑な帝国主義の構造を鋭く分析した。そして愛国心とは何か、軍国主義とは何かを格調高い名文でえぐり出し、反帝国主義・社会主義の世界的革命の必要を唱えた。グローバリゼーションという名の新たな資本主義支配と、それに反発する形での偏狭なナショナリズムが高揚しつつある今こそ、読むべき書物。『三酔人経綸問答』『余は如何にして』につづく、近代国家の成立と国際政治を考える明治3部作。【本の内容】
幸徳秋水が大逆事件で倒れる9年前に刊行された書。反帝国主義・社会主義の世界的革命の必要を唱えた。【本の内容】
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至極まっとうな主張だ
2021/10/29 20:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
大逆事件で処刑された幸徳秋水。「危険」あるいは「暗い」印象を持っていたが、書いてあることは至極まっとうであり、こんなことで処刑されなければならない時代の権力や空気がとても恐ろしくなった。
原文で『帝国主義』と『死刑の前』は読んでいたので、その時に心に残っていた言葉などを、現代語訳で読み直せて良かった。
訳者があとがきで、『二十世紀の怪物 帝国主義』のタイトルが、20世紀の歴史を振り返れば、みごとに事の核心を突いている、20世紀を突き抜けて21世紀の私たちに問いかけている、というようなことを述べていて、まさにその通りだと思った
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世界に先駆ける帝国主義論
2018/09/30 10:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ababab - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在でも通用する帝国主義論。
帝国主義=軍国主義+愛国心(愛国主義と言った方が良い)という定義のもとで、軍国主義と愛国心の危うさをそれぞれ指摘しているのが世界でも先駆的。
特に、古代ギリシャ・ローマから現代(1900年当時)までの帝国主義に関わる歴史的事実を挙げて、その問題点を批判している点がユニークで説得力がある。
得てしてこういう議論では抽象的な言葉や論法に陥りがちだが、具体例と自分の言葉で論を進めているのがいい。
国家としての社会主義はほぼ消滅したが、思想としての社会主義は社会保障や分配政策など政策として現在に受け継がれている。その点で、今でも、というより今だからこそ意義のある書物だ。この代表作などのために幸徳秋水は当局から目をつけられて死刑に処せられた。大逆事件を契機にして日本帝国主義の時代が始まる。