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森の思想 新装版 (河出文庫 南方熊楠コレクション)
東アジア的な生命論から出発して未踏のエコロジー思想の存在を予告した熊楠。植物学論文、南方二書、神社と森を無残に破壊した神社合祀令に反対する意見書などにより、熊楠が見た生命...
森の思想 新装版 (河出文庫 南方熊楠コレクション)
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商品説明
東アジア的な生命論から出発して未踏のエコロジー思想の存在を予告した熊楠。植物学論文、南方二書、神社と森を無残に破壊した神社合祀令に反対する意見書などにより、熊楠が見た生命の本質を追う。中沢新一の解題も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
熊楠の生と思想を育んだ「森」の全貌を、神社合祀反対意見や南方二書、さらには植物学関連書簡や各種の論文、ヴィジュアル資料などで再構成する。本書に表明された思想こそまさに来たるべき自然哲学の核である。【商品解説】
収録作品一覧
森の思想 | 中沢新一 著 | 9−134 |
---|---|---|
フィラデルフィアの顕微鏡 | 137−146 | |
粘菌、動植物いずれともつかぬ奇態の生物 | 147−159 |
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うーん
2020/02/18 14:01
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろい野干 - この投稿者のレビュー一覧を見る
植物とか、粘菌とか、いろいろ。
柳田説の「日本は多民族国家でなんぞ先住民が居て」説に関する、南方熊楠大先生のツッコミが、なんとなく入ってゐるが、注釈はさう言ふのへ行かない。
『岩田村大字岡の田中神社について』は引用で止まるが、その「大年神の子に聖神と向日神(古事記には「白日神」とあるが南方説では本居宣長の「この白は向の誤記」なのだがその辺の説明は一切なく本居宣長のなんとかが出るだけ)がでる件」と言ふ南方説に関して五来重先生の「ヒジリ=ひ治り(本書では「火知り」だけど)」説を出して、この辺は「柳田説に拘ったための南方の誤りと思う」ときて、「南方にとってひじりは火でも日でもよい」、つうて「小童(ヒジ)は依童を使った呪術者の」といふ柳田『毛坊主考』の引用を「南方の着眼点」と言ひ張る。聖神からヒジリに関する南方説で大年神のお子さんにファイヤーを司る「庭日神(庭の火を司る神)」ゐるけどオリエンテーション(「家相」の見立て)やる向日神と日の善悪を占ふヒジリの人に、ファイヤー部分ないけど。
注釈で、百合若は鬼若や牛若の如きドメスティックなナニであるとする。南方先生は一貫して「百合若=ユリシーズ」説を唱へてゐたけども。
本コレクション三巻他、いくつか あと『ネイチャー』への寄稿もか、マンドレイクに興味ありまくりでよく書いてる南方大先生の説を、本書のマンドラゴラ関係は、一切引かずに、ナチスドイツとかなんとかを書く。あと適当なタームへアイヌの伝承を入れるとか、面白いんだけど、注釈があの、「他人のブログのコメント欄へ自分の記事を書く」やうな作業が延々。
いいけどすげえ皮肉で、南方先生はカシャボ(河童だ)が馬をかまってどうのといふのと、ロシヤで川のなんかに関する儀礼(馬を川の神へ捧げる)を併せて紹介してるのだが、本書ではおさる関係に「後の石田英一郎の河童駒引考がどうの」は一切出てこない。