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- カテゴリ:一般
- 発売日:2015/05/15
- 出版社: 国書刊行会
- サイズ:20cm/270p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-336-05893-5
紙の本
スウェーデンの騎士
1701年冬、シレジアの雪原を往く二人の男。軍を脱走しスウェーデン王の許へ急ぐ青年貴族クリスティアンと、絞首台を逃れた宿無しの市場泥坊は、追っ手をまくため身分を交換して、...
スウェーデンの騎士
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商品説明
1701年冬、シレジアの雪原を往く二人の男。軍を脱走しスウェーデン王の許へ急ぐ青年貴族クリスティアンと、絞首台を逃れた宿無しの市場泥坊は、追っ手をまくため身分を交換して、それぞれの道へ。貴族の泥坊、全く対照的な二人の人生は不思議な運命によって交錯し、数奇な物語を紡ぎ始める。北方戦争時代のシレジアを舞台に、美しい女領主、龍騎兵隊を率いる“悪禍男爵”、不気味な煉獄帰りの粉屋、“首曲がり”“火付け木”“赤毛のリーザ”をはじめとする盗賊団の面々ら、個性豊かな登場人物が物語を彩り、波瀾万丈の冒険が展開されるピカレスク伝奇ロマン。【「BOOK」データベースの商品解説】
1701年冬。軍を脱走しスウェーデン王の許へ急ぐ青年貴族と宿無しの市場泥坊は、追っ手をまくため身分を交換して、それぞれの道へ。北方戦争時代のシレジアを舞台に、波瀾万丈の冒険を描くピカレスク伝奇ロマン。【「TRC MARC」の商品解説】
1701年冬、シレジアの雪原を往く二人の男。軍を脱走し大北方戦争を戦うスウェーデン王の許へ急ぐ青年貴族と、〈鶏攫い〉の異名をもつ逃走中の市場泥坊――全く対照的な二人の人生は不思議な運命によって交錯し、数奇な物語を紡ぎ始める。泥坊が一目で恋におちる美しい女領主、龍騎兵隊を率いる〈悪禍男爵〉、不気味な煉獄帰りの粉屋、〈首曲がり〉〈火付け木〉〈赤毛のリーザ〉をはじめとする盗賊団の面々ら、個性豊かな登場人物が物語を彩り、波瀾万丈の冒険が展開されるピカレスク伝奇ロマン。【商品解説】
軍を脱走し大北方戦争を戦うスウェーデン王の許へ急ぐ青年貴族と、〈鶏攫い〉の異名をもつ逃走中の市場泥坊――対照的な二人の人生は不思議な運命によって交錯し、数奇な物語を紡ぎ始める。波瀾万丈のピカレスク伝奇ロマン。【本の内容】
目次
- 序言
- 第一部 泥坊
- 第二部 教会瀆し
- 第三部 スウェーデンの騎士
- 最終部 名無し
- 解説
著者紹介
レオ・ペルッツ
- 略歴
- 〈レオ・ペルッツ〉1882〜1957年。プラハ生まれのユダヤ系作家。著書に「最後の審判の巨匠」「夜毎に石の橋の下で」「ボリバル侯爵」など。
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紙の本
推しはスウェーデン王
2021/07/03 23:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
スウェーデン王が、ポーランド、ウクライナ、ドイツなどで暴れまわっていた頃の話、純朴なボンボン連中はスウェーデン王の元に馳せ参じて騎士として活躍することに憧れている。娯楽のない当時のアイドルみたいなものだ。それがどうしてか逃亡の身になってしまい、得体のしれない男と同道している。もちろんそっちは、いつでもボンボンを裏切って利用しようと目論んでいる。
そして紆余曲折の末、ついにボンボンの婚約者と領地を手に入れる。しがない農民から盗賊に成り下がっていたところからの大逆転だ。しかしその安逸な暮らしも束の間のものに過ぎない。逆転、逆転の連続の展開で、男もまた流転の人生とは分かっていて、今の境遇もいつ捨てても惜しくはないと思っていたが、授かった愛娘への執着心だけは捨てきれずにダラダラになってしまうのが、心底悪辣な男ではなかったとしても、一番の意外性かもしれない。
戦乱が続き、正当な統治機構も失われて、人々は目の前の利益や栄誉のことしか考えられなくなっている世界で、小さな幸せを願い、守り通そうとするのはまさしく庶民の思想であり、そんな庶民が知恵と勇気を振り絞って、腐敗した貴族、軍人、教会などに一泡吹かせるところには溜飲が下がる。結局この戦乱は実力で下克上を図る人々にとっては格好の舞台になったのか。領主の目を盗んで財産をちょろまかす使用人も、強奪を重ねる軍人や盗賊も、この状況を歓迎しているのか。そこは本当は、ほとんどの人は正直に暮らして豊かになれることを望んでいて、そういう生き方を選択せざるを得なかったのかもしれず、それでいてみんな妙に生き生きとしているようでもある。それもまた人間の一面であり、世界の皮肉な様相なのかもしれないとも思わせられ、また時代が経って現代においても我々の隣人であってまったくおかしくはない相貌を持って描かれている。
当時の戦争の実態が、こんな気の利いた人々によって動いていたとは思われない。もっと野卑でガサツな論理で営まれていたろう。だからこれは20世紀ヨーロッパ的なヒューマニズムであり、ピカレスクなわけだ。当時の虐げられていた人々はもっと悲惨であり、横暴な者たちはもっと無慈悲だった。そんな過去と現在の視点を往還しつつ、現代人にとっても、当時の人にとっても、痛快であるだろうどんでん返しの展開が十分に楽しめるし、その中で普遍的と言える愛憎の屈託も堪能することができるだろう。
紙の本
ピカレスク
2018/11/11 17:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピカレスクというと、イコール「痛快」というイメージがあったのですが、こちらはちょっとテイストが違って・・・。
教訓的でもある作品でした。