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商品説明
帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする―。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない十年の日々。【「BOOK」データベースの商品解説】
帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする―。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない十年の日々。【「BOOK」データベースの商品解説】
帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする-。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない10年の日々を描く。『オール讀物』ほか掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。
妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする――。
東家の大黒柱、東昇平はかつて区立中学の校長や公立図書館の館長をつとめたが、十年ほど前から認知症を患っている。長年連れ添った妻・曜子とふたり暮らし、娘が三人。孫もいる。
“少しずつ記憶をなくして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行く”といわれる認知症。ある言葉が予想もつかない別の言葉と入れ替わってしまう、迷子になって遊園地へまよいこむ、入れ歯の頻繁な紛失と出現、記憶の混濁--日々起きる不測の事態に右往左往するひとつの家族の姿を通じて、終末のひとつの幸福が描き出される。著者独特のやわらかなユーモアが光る傑作連作集。【商品解説】
収録作品一覧
全地球測位システム | 5−36 | |
---|---|---|
私の心はサンフランシスコに | 37−68 | |
おうちへ帰ろう | 69−97 |
著者紹介
中島 京子
- 略歴
- 〈中島京子〉1964年生まれ。作家。田山花袋「蒲団」を下敷きにした書き下ろし小説「FUTON」でデビュー。「小さいおうち」で直木賞、「妻が椎茸だったころ」で泉鏡花文学賞を受賞。
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電子書籍
絆
2017/06/15 21:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症の父を巡る三姉妹、そして支え続ける妻の物語。認知症の家族がいるだけで、全ての予定や生活が狂い、苦しさがやってくるのは当たり前。その大変さは訥々と書かれているのであるが、なぜか悲壮感はない。それはきっとネガティブな表現が少ないからだ。特に妻である曜子さん、パワフルさとなんとしても夫の世話をしたい、単純な愛では片づけられない夫への思い。これこそ「絆」なんだろうと感じた。言葉を忘れても、人物認識できなくても絆は残る。それを描ききってるのが素晴らしい。迎えるラスト。校長先生繋がり。意外な展開。でも心温まる。
紙の本
やられたゎ…
2015/08/11 09:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶくわーむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症を患った元中学校校長のおじいちゃん。この「元中学校校長」という職歴が、話を進めるうえで切なくもあり笑いを誘う小ネタのようなアクセントになっている。10数年におよぶ闘病(もはや認知症は病気とは言い難い気もするが)生活。外出途中でなぜ出かけたのかを忘れ家に戻り、出かけては帰り道を忘れて徘徊し、言葉が出てこなくなり「いや!」と拒絶する意思だけが唯一の表現となってゆく夫を、「私が面倒みなければ、だれがやってくれるっていうの!」と孤軍奮闘する妻。専業主婦で娘3人を育てた経験をもつ彼女は、子供のようになってゆく夫の介護を、最初は戸惑いながらも地域の福祉サービスを使いながら意外と上手にこなしていく。訪問看護やデイサービスなど、ケアマネジャーとのやりとりがリアルで、いつの間にかこの夫婦を自分の親に当てはめてハラハラしながら読まされているのだ。介護する妻も当然、老齢になり自身も病気になり自宅介護がままならなくなる。そのときの娘たちの慌てぶりが、まさに間もなく降りかかるであろう読者自身に重なって、自分ならどうするか?の選択を活字を追いながら頭の中でフル回転させるのだ!そしてラスト。今までは夫の転勤でアメリカに住んでいる長女の子、つまり孫がおじいちゃんを語るのだ!その場所のチョイスが秀逸!やられたゎー!
紙の本
無神経の残酷
2017/08/24 13:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、昇平の認知症以外の物語も多数盛り込まれていて、昇平の元同僚が三女に見合いの心得を説く場面に度肝を抜かれました。オジサンたちの無神経ぶりは、相手の気持ちに対する認知不可能性の上に成り立っているのです。症状が進んだ昇平が意味不明な言葉で三女を慰める様子と対照的です。妻と、3人の娘と、孫は、それぞれに自分自身の問題を抱えていても、誰一人として、つじつまが合わない昇平の言動を叱り飛ばすことをせず、敬意をもって接するのに、無神経なオジサンには敬意をもって若い女性に接することができないようです。
紙の本
やられた
2017/03/23 19:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんなんずるいわあ
こんな最期が、理想ですね。
もちろん亡くなる側はね。
奥様とお嬢様たちは、どうなのでしょうか。
わたくしは、幸せなのだと思います。
頑張れ、孫のタカシ君
紙の本
認知症を扱う書籍は数あれど・・・
2015/10/08 23:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kiyo - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにもかくにも、とても心を揺さぶられました。
認知症を患った本人がどのように年をかさねていくのか。
そして、それを見守る家族がどのように生きていくのか。
これほど自然な形で、きれいごとにせずに描いた作品には
出会ったことがありません。
介護に奮闘している方に教えてあげたい本です。
紙の本
別れ
2019/10/12 10:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症を患った夫と看護する妻のお話である。介護される夫が元校長先生だったという設定が、切なく、考えさせる話になっていると思う。自分に介護などできるのだろうかと不安になるが、そのときがくれば何とかしていくのだろう。
紙の本
厳しい現実の中にも温かさとやさしさが伝わってくる作品。
2015/08/08 09:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症を患った昇平とその妻曜子、そして三人の娘たち。認知症というテーマを中心に据えているため切なく、やるせない部分も多くあるのだが、ところどころにユーモアを感じさせる描き方が特徴的である。決して暗い一辺倒にしたくはなかったのであろう作者の気持ちがよく伝わってくる。昇平が我を張る様子の描写など、わざと滑稽なな比喩を用いたりして、おかしみを漂わせる。だからといってそれは決して昇平を笑い者にするものではない。昇平の中で何が起こっているのか、ということを、読者にも感じさせ、訴えかけてくる巧みな描写なのである。
全編を通じて何よりも印象的だったのは、昇平が自分を忘れてしまっても、昇平という人間が自分にむけるものは変わらない、とそのしぐさやまなざしを見ながら妻が感じるところだ。認知症、介護という難しいテーマを扱いつつ、作者は決して温かさと希望を失わずに登場人物たちを描いている。それが、読む側の心をも温める。
紙の本
終わらせ方が上手い
2016/12/09 16:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の親もいつか認知症になるかもしれないので他人事ではない。題材的には重いけれども、ちゃんと現実を見据えつつ、ユーモアにくるむストーリー展開はさすが中島京子。ラストの終わらせ方もとても良かったね。