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- カテゴリ:一般
- 発売日:2015/06/11
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/251p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-219521-8
読割 50
紙の本
雨の裾
著者 古井 由吉 (著)
病床の母に付き添う男。従う女。死を前に、男と女を結ぶ因果の果て。情愛の芯から匂いたつ官能。表現は極北へ−。全8編を収録した小説集。『群像』掲載を書籍化。【「TRC MAR...
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商品説明
病床の母に付き添う男。従う女。死を前に、男と女を結ぶ因果の果て。情愛の芯から匂いたつ官能。表現は極北へ−。全8編を収録した小説集。『群像』掲載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
老境にさしかかった男の、つれづれに蘇る遠い日々の記憶。うつつの中の女の面影、逝ってしまった人たちの最期のとき。過去と現在を往還しながら、老いと死の影を色濃くたたえる生のありかたを圧倒的な密度で描く、古井文学の到達点。
噪がしい徒然
若いころ熱心に読んだ本を読み返す男。文字を追う眼に映る、暮れかけた路地から庭をのぞきこむ人影。
踏切り
踏切は暗かった──。警報器が鳴り出したとき、前のほうにただならぬものを目にした。男の背後に忍び寄り、いきなり抱き止めた。
春の坂道
坂道をよたよとと、杖にでもすがるようにのぼっていると、うしろからぞろぞろと若いのがついてくる。俺のうしろに以前の俺が続く。その以前の俺のうしろからそのまた以前の俺が続く。
夜明けの枕
三十をすぎて司法試験を目指した男。アパートにこもり、一緒に暮らす女が働きに出て生活を支えた。
ほか全8篇【商品解説】
目次
- 躁がしい徒然
- 死者の眠りに
- 踏切り
- 春の坂道
- 夜明けの枕
- 雨の裾
- 虫の音寒き
- 冬至まで
収録作品一覧
躁がしい徒然 | 7−35 | |
---|---|---|
死者の眠りに | 37−64 | |
踏切り | 65−95 |
著者紹介
古井 由吉
- 略歴
- 〈古井由吉〉1937年東京生まれ。東京大学大学院独文学専攻修士課程修了。71年「杳子」で芥川賞、90年「仮往生伝試文」で読売文学賞、97年「白髪の唄」で毎日芸術賞受賞。
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紙の本
古井由吉の作品にハズレは少ない
2018/09/13 18:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
八篇が収められた連作短編集である。相変わらず濃密な文体で、ちょっと気をそらせば物語の筋道がわからなくなる。全編に雨が降る場面が出てくる。また、時折戦中や戦後すぐの時代の回想が出てくる。古井由吉の作品にハズレは少ない。時間があるときにじっくり読みたい作品だ。