紙の本
戦争と検閲 石川達三を読み直す (岩波新書 新赤版)
著者 河原 理子 (著)
「生きている兵隊」で発禁処分を受けた石川達三。その裁判では何が問われたのか。また、戦後のGHQの検閲で問われたこととは。公判資料や本人の日記、幻の原稿など貴重な資料を駆使...
戦争と検閲 石川達三を読み直す (岩波新書 新赤版)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
「生きている兵隊」で発禁処分を受けた石川達三。その裁判では何が問われたのか。また、戦後のGHQの検閲で問われたこととは。公判資料や本人の日記、幻の原稿など貴重な資料を駆使して、言論統制の時代の実像に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
戦前から戦後に度重ねて検閲を受けていた達三。一体何が、どう問題とされたのか? 言論統制の実像を追う。【本の内容】
著者紹介
河原 理子
- 略歴
- 〈河原理子〉1961年東京生まれ。東京大学文学部社会心理学科卒業後、朝日新聞記者となる。AERA副編集長、文化部次長、編集委員、甲府総局長等を歴任。著書に「犯罪被害者」「新聞と「昭和」」等。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
『生きている兵隊』事件から学ぶ
2022/11/16 19:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝日新聞記者の著者が、石川達三氏の遺族取材などを通し、作品、記録を読み直すことで見えてきたことをつづっている。
『生きている兵隊』が戦中に発禁処分になり、裁判で有罪になったことはつとに知られているが、その「事件」だけで、多くの人がある種の先入観で石川や作品を見ていないだろうか。
本書はこの出来事の背景や詳細、石川のその後(戦後、作品)を丹念に追っている。
『生きている兵隊』が「何かの主義や党派性ゆえに弾圧されたわけではない。冤罪というわけでもない(略)ただ本当のことはたぶん分かりにくいものなのだと私は思う」「なるほど歴史は連綿と続いているのだと私は思った」
などという著者の言葉を体現するような内容に納得する。ひとりの書き手として石川に向き合い、当時の検閲、空気などにも触れた心の動きが伝わってくる。文学論や単なる批評に終わらない非常に読ませる内容だと思った。