紙の本
無かったタイプの実践書
2015/09/27 14:34
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投稿者:かにみそ - この投稿者のレビュー一覧を見る
意外とこの辺りの内容は書籍としては無かった様に思う。経営者向けの起案書の構成案とか、痒い所に手が届く記述が随所に見られる。『社内プレゼンの資料作成術』と合わせて活用したい。
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本書のタイトル「社内起業」は
社内で新たな事業を生み出す、
つまり、新規事業開発のこと。
本日ご紹介する本は、
事業創出の考え方から
実際の取り組み方までを紹介した1冊。
ポイントは
「不」
新規事業の企画とは、
ひとことで言えば「不」の解消方法を考えること。
「不」は顧客の不便や不満や不安のこと。
顧客の抱えている「不」をキャッチアップし、
その「不」を解消する価値提供の対価によって、
自社の収益として成り立つところまでを
考える必要があります。
「不の掘り下げ」
事業立案前に「不」を掘り下げることが重要。
掘り下げ方は、国語、算数、理科、社会。
国語:誰が、どんな不を抱えているかを捉える
算数:期待する事業規模にふさわしい大きさの「不」かを確認する
理科:その「不」が生じている理由を分析する
社会:その「不」が解消されていない社会的な背景、習慣をさぐる
「バランス」
新規事業を進めるには
提供できる「価値」と、その壁を乗り越える「難易度」とのバランスが大事。
確認ポイントは
①世の中の大きな流れを踏まえているか
②市場の規模は十分か
③自社の強みは生かせそうか
「3C」
起案前に、起案に値するかの確認が必要。
確認ポイントは3C(市場、競合、自社)。
市場:不の存在、不の解消根拠
競合:競合製品では不は解消されない
自社:自社の経営資源の活用
外から持ち込まれる案件は脈絡なくやってくるので、
対応には相応のパワーを要します。
結果、持ち込み案件の成功率は低くなります。
外からの案件を待つのではなく、
常に自社で新しい事業を立案できると言うことが重要。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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自分の会社が世の中の役に立てることはないか。そのシンプルな問いかけが第一歩
「世の中のニーズ」「自分が実現したいこと」「会社の目指す方向性」この3つを満たすこと
世の中の「課題」を効率的に解決することが、企業の存在理由です。
多くの場合、事実情報には個人の仮説がくっついて意見となる
新規事業の場合、ベストな方法は、既存事業を起点にして考えること
新規事業に関しては、最初の段階でしっかり汗をかけているかが重要
事業計画書の目的は、経営判断や社内外に協力を依頼することにある
事業企画案は「承認」がゴールではなく、その事業が世に出て、持続的に収益を生み出すことが最終目的
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◆目次◆
●序章 会社員だからこそできる「起業」がある!
●第1章 新規事業の基礎知識
●第2章 新規事業担当者に求められるマインド
●第3章 新規事業の担当者になったらまずすべきこと
●第4章 新規事業をつくり出す その1どこへ「最初の一歩」を踏み出すか-検討範囲に当たりをつける
●第5章 新規事業をつくり出す その2見つけた領域に勝機はあるか-ビジネスチャンスを探す
●第6章 新規事業をつくり出す その3「アイデア」を「プラン」に仕立てる-事業のしくみをつくる
●第7章 新規事業をつくり出す その4 「プラン」を「計画」に落とし込む-事業計画書をまとめる
●第8章 事業企画案を社内でいかに通すか
●最終章 プロ・識者が語る企業内起業家の条件
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社内起業に関する本。なかなかわかりやすく良著。
<メモ>
・自分の会社が世の中の役に立てることはないか、そのシンプルな問いかけが新規事業の第一歩
・大事なのは世の中のニーズと自分が実現したいことと会社の目指す方向性の3つを満たすこと。
・資金、人材、信用は独立起業と比較した時の社内起業の大きなメリット
・社内起業ならではのハードル
1 既存事業とのカニバリゼーション
2 過剰な保守意識
3 スピード感
4 危機感
5 インセンティブ
・社内競合が存在する場合、ボトムダウンでは進まない。中長期的にみてどうすべきかをトップに判断してもらうしかない。一方で現場の理解を得られないと進まないのでトップと現場両輪を動かさないといけない。
・事業化の6ステップ
1 事前準備 検討プロセス、判断基準、予算規模を確認
2 検討することの承認を得る 正式な業務としての承認
3 検討範囲の承認を得る 事業の方向性にずれがないよう範囲を確認
4 事業企画の承認を得る 事業企画書を提出。
5 組織化・予算化 必要な社内協力を取り付ける。
6 事業化 pdcを早く回し、軌道修正をクイックに
・検討承認にあたっての確認事項
経営者の問題意識(課題とチャンスをどう考えているか)
検討方法(検討体制、意思決定手順、予算、スケジュール)
・事業化承認時に決裁を得ておくべき事項
立ち上げ方法、収支計画投資計画、撤退基準、事業化後の運営方法
・新規事業担当者の5つの覚悟
1 自分から率先して失敗する覚悟
2 自分が主体者として先頭に立つ覚悟
3 起業家としてなんとしてもカタチにする覚悟
4 社内資源を自ら確保する覚悟
5 時には社内にも敵を作る覚悟
・何をもって良い事業案とするか。評価軸例
1目指す事業の評価軸(規模・収益性・独自性など)
2事業企画の評価軸(具体性・実現性・実効性など)
3自社らしさの評価軸(スピーディ・ホスピタリティなど)
・既存事業をずらすという発想法。5w2hで考える。
・新規事業には2タイプ。浸み出し型と飛び出し型
・検討時の確認ポイント
1 世の中の大きな流れを踏まえているか
2 市場規模は十分か
3 自社の強みは活かせそうか(目に見えないもの、数値化できないもの含む)
・国算理社思考法
1 国語:人の気持ち、人の不を考える
2 算数:不の大きさを推計する
3 理科:不の理由を分析する
4 社会:不が解消されていない社会的背景を探る
・不を捉えるためのコツ
1俯瞰する
2現場を見て話を聞く
3お客様になりきる
お客様目線・素人目線・部外者のプロ目線を持つ
・不の大きさ=広さ×頻度×深さ
・本当にビジネスチャンスがあるかのチェックポイント
1 先を見越したテーマであるか
2 自社との相性
3 自分の思いが込められるテーマか
・アイデアを生み出す思考サイクル
1 不が解消された理想的な状態を描く
2 不を解消する仮説を考える
3 仮説をもとにした施策アイ���アを出す
4 勝つため、儲けるためのアイデアを考える
・事業企画書に盛り込みたいこと
1事業案の内容
何をするのか。どうやるのか(戦略・戦術)。
期待する成果(ビジョン・目標)。必要な投資
2判断材料
事業意義(社会・顧客・自社)
起案背景(市場・競合・自社)
3経営判断対象
事業化是非・経営資源投資是非・事業化着手是非
事業化に向けた体制・今後の進め方
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元リクルートの新規事業開発室マネジャーの著書。読みやすくためになった。「リスクを指摘するのは中間管理職、判断するのは経営者」は納得。
以下メモ。
●カッコいい大風呂敷と、地味な一歩。
●事業とは「不の解消」
●会社内における保守性を破るためには大きな勇気と決断が必要。ある程度の摩擦は覚悟の上で、周囲に対し現状の課題を伝え、将来の展望を語り強気で経営資源獲得する。
●大きな組織ほど経営判断と実行のスピードは遅くなる。階層が増え、機能が細分化しており、段階ごとの決裁、広い範囲への確認や報告が必要。
●スピード感が不可欠。誰もが未体験な領域に乗り出すため、トライアンドエラーのサイクルの速さと回数が勝負を決める。会社には「体内時計」が染み付いている。
●さまざまな壁を乗り越え推進して行くための最大の原動力は、現状に対する「危機感」。危機感はトップが声高に叫ぶだけでは浸透せず。担当者自ら市場で起きているさまざまな事実を社内に提示し、変わらなければいけない意識を作り出す気概が必要。
●協力者の「やりがい」を知ること。入社動機、会社でやりたいこと、仕事に対する誇りなどがどこにあるか。
●「この手間をかけてまで取り組むサービスである」としっかり説得、理解を得る。
●①自分から率先して「失敗する」覚悟。②自分が主体者として「先頭に立つ」覚悟。③起業家としてなんとしても「カタチにする」覚悟。④社内資源を「自ら確保する」覚悟。⑤時に社内にも「敵を作る」覚悟。新規事業においては「敵は市場よりも前に、社内にいる」。しかし敵もまた善意で動いている。既存事業による収益を守り、会社に貢献したいと考えている。妬みやそねみといった悪意による邪魔は稀。
●新規事業に携わることは「自分を大きく変える」チャンス。①知識スキル②行動力③マインド④姿勢スタンス。
●会社と自分の「3つの輪」を重ねてみる。できること、やりたいこと、求められていること。
●事実と仮説がくっついて意見となる。最初の段階で集中的に収集すべきは「事実」。
●現場の声をそのまま聞いてはいけない。「普遍的な解決策」をいろんなフィルターを意識しながら丁寧に選び出す。
●既存事業が越えられていない「壁」は何か。どんなものを作るかではなく、違う軸から考え、それに対応できるものを考える、という順番。
●人も組織も保守的。対抗するための「遠くへ飛ぶ」意識を誰よりも強く持つ。
●相手を怒らせてしまうかもしれないが、恐れていては「壁」を越えられない。「紛糾しても予定調和よりはマシ」。
●飛ぶためのフレーズ「それでは現状とたいして変わらなくないですか」「それって今と何が違うんでしたっけ」「そもそも〇〇って課題があるから始めた新規プロジェクトですよね」「今の延長線上にいて、将来に向けて大丈夫ですか」「わが社の強みはもっと他でも活きるかもしれませんよ」「一見異なる領域ですが、既存事業と似ていることも多そうです」「この壁を越えられたら大きく世界が広がりますね」
●社外からの持ち込み案件は「持ち込んで来た会社のメ��ット」を中心に設計されている。
●目に見えにくいもの、数値に置き換えにくいものの中にも、自社の強みは隠されている。顧客接点の多さ、取引先との信頼関係の強さ、社員の人柄、PDCサイクルを早く回せる組織体制など。
●ひらめきから始まっても、なぜこの案なのか説明可能な理屈をつけること。
●広さ×頻度×深さで世の中全体の「不」の総量を測り、それが大きいと見込まれる領域から優先的に事業展開。
●アイデアが出ない場合。「もしも〇〇だったら」
●リスクを指摘するのは中間管理職、判断するのは経営者の仕事。リスクを多く指摘できた方が視野の広い優秀な人材だと認めてもらえるという価値観が企業内にあるかのごとく。しかしポジティブな意見を述べて結果がうまく行かなければ責任を問われるのは中間管理職。リスクを指摘した方が責任回避になる。経営者が「進める」と判断したら、中間管理職は大きく対応が変わる。「事業化が前提」だと、どんな対策を講じるか知恵を絞ることにパワーを注ぐようになる。良い対策を講じられなければ責任問題になるから。こうなるとリスクばかりあげつらう人、から、仲間に変わる。
●したがって中間管理職にはリスクを指摘してもらう場とし、判断してもらう必要はないと捉える。
●経営者が判断しやすい構成。起案者目線ではなく、「何をするのか」「なぜやるのか」「儲かりそうか」「勝てそうか」「出来そうか」。
●経営者は実は「決めたくない」。そこで「先延ばしにすると起こるデメリット」や「部分的段階的な判断という選択肢を用意」する。そして経営者よりも熱い情熱を持つこと。
●かっこよく正しい企画を、ではなく、企て者になれ。
●経営者の「範疇外」のものを見つける。
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「はじめての」の上場企業内の新規事業者が抑えるべきポイントを網羅的に簡潔に記載している。
ベンチャーと上場企業の違いは社内説得の壁の高さ。
そのポイントは素直に現実をぶつけている。
新規事業開発を夢見る人は社内の壁を高さ、面倒くささを言い訳とするが、勤めている以上は社内説得は前提条件となる。
当たり前のことを理解する入門書になり得る。
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通常の新規事業とは視点が異なり、社内での起案に特化した面白い本。 でも良い本とは思うけど、他の本を優先して一時中断。。。今度再度読もう。
<メモ>
●事業家承認の際に決裁をえておくべき事項(p41)
①立ち上げ方法
(管轄部門、責任者、事業開始の最終判断の方法)
②収支計画、必要投資額
(立ち上げ時、初年度、最大累積など)
③撤退基準 ★★★
(判断時期、判断基準)
④事業化後の運営方法
(経営への報告タイミング、新組織内での決裁可能範囲など)
●新規事業を検討する際のガイドライン例 (p65)
●検討範囲にあたりをつける方法① 5W2H展開法(p93)
既存事業の5W 2Hをずらす
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タイトル「はじめての社内起業~考え方・動き方・通し方~
」の通り、まさに企業人だからこそぶつかりであろう新規事業の壁、及びその壁への対処の仕方が丁寧に書かれており、「そうそうその通り!!」と非常に共感することだらけでした。社内起業という難題に立ち向かう人に、ぜひ手に取って頂きたい一冊です。
●カッコイイ大風呂敷と、地味な一歩(リクルートくらたまなぶ)
●社内起業ならではの越えるべき5つの壁。①社内競合・カニバリ。②過剰な保守意識。③スピード感。④危機感。⑤インセンティブ。
●事業化までの6つのステップ。①事前準備。②検討することの承認を得る。③検討範囲の承認を得る。④事業企画の承認を得る。⑤組織化・予算化。⑥事業化。
●担当者になったら持つべき5つの覚悟。①自分から率先して「失敗する」覚悟。②自分が主体者になって「先頭に立つ」覚悟。③企業化としてなんとしても「カタチにする」覚悟。④社内資源を「自ら確保する」覚悟。⑤時に社内にも「敵作る」覚悟。
●マネージャーは管理するのが仕事。「管理」とは正しいとされる既定の方法があるから出来ること。一方で「創造」とは今ある既定の方法を見直し、変化させること。したがって管理と創造は相反するものであり、摩擦が生じるのは必然であると心得ることが必用。
●want(自分がやりたいこと)、can(自分ができること)、need(組織がもとめること)の3つの輪を意識する。3つの輪を大きくしていき、重なる部分に注力する。
●まず、経営者の頭の中を知る努力をすること。自由に検討しろと言いながらも、フェアウェイとOBゾーンがある場合が多い。どこがフェアなのか、経営陣としっかりとディスカッションをし、最初にガイドラインとなるものを相互理解しておくこと。その際に、経営陣の仮説が必ずしも絶対ではない、言葉をなげかけ、意見を引き出しながら、経営陣の頭の中を整理していく働きかけを意識するべし。
●社内と思わず、営業先だとおもって対処することで、不要なストレス(同じ社内なのに何故支援をしてくれないのか等)を軽減できる。
●5W2Hで事業を考える。既存の事業を軸に、7つの要素のどれか1つを変えるだけでも新規事業になりうる。単純だが、非常にクリエイティブな作業と心得るべし。
●何をもって「新規事業」とするかを定義しておくこと。染み出し型と飛び出しがたとがある。9マトリックスで整理してみる。
●検討をすすめる際に確認すべき4つのポイント。①世の中の大きな流れを踏まえているか。 ②市場の規模は十分か(儲かるか) ③自社の強みは活かせるか(勝てるか) ④自分の想いが込められるテーマか
●事業とは「不」の解消。お客様の「不」を探し、それを解決する方法を練り込むのが新規事業。
●お客様の感じる「不」と同様に、その製品・サービスが生まれるまでのバリューチェーン上で生じる「不」にも思いを致し、解消できないかを検討する。
●不の大きさ=広さ×頻度×深さ
●リス��を想定するのは中間管理職の仕事、判断するのは経営のしごと
●経営陣が判断しやすい企画書の流れ。①何をするのか(事業概要) ②なぜやるのか(お客様の不の存在・期待できる成果) ③儲かりそうか(市場規模・マネタイズ) ④勝てそうか(自社の強みと競合との差別化) ⑤できそうか(必要な投資・実行計画・リスク)
●何かを決めるということはリスクを背負うという事。特に新規事業という不確実なことはリスクも大きく、そんなリスクは背負いたくないのが人というもの。経営者という立場であっても同じ人間、心の中では「決めたくない」と思っていると考えるべし。その壁を超えるのは起案者の新規事業に対する想いである。
●自分の考えた案を聞いてもらい説得するのではなく、相談を持ちかけるスタンスで臨むのが有効。
●企画者ではなく、企て者であれ。青黒さが必用。
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独自のフレームワークを記載しており、オリジナリティが感じられる一冊。通し方というプロセスの知識も目新しい。
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ひょんなことから自社で社内起業のコンペに出ることになり、参考図書として紹介された本。
社内起業のための本としては勿論、会社の中で何か新しいことをしようとする際にも役に立ちそうな思考法やテクニックが書かれていました。
新しいことをやれと言われているけどアイディアが思い付かない人、新しいことをやりたいけどやらせてもらえない或いはうまく行かないという人にも気付きのある一冊だと思います。
以下、印象的だった部分。
•「自分のやりたいことがそのまま実行できることはめったにありません。大事なのは、『世の中のニーズ』と『あなたが実現したいこと』と『会社の目指す方向性』、この3つを満たすことです。」(p.19)
•「従来は、基幹事業で着実な成果をあげてきた人がおもに登用されてきました。しかし最近では、海外子会社や新規事業の立ち上げなどの実績が、より評価されるようになっています。これは、企業が社員に、『管理•マネジメント系』の能力に加えて、『創造•変革系』の能力を求め始めている現れではないかと私は見ています。」(p.23)
•社内起業ならではの5つの壁。①既存事業とのカニバリゼーション、②会社内における保守性、③スピード感(階層の多さと機能が細分化されていることによる)、④危機感、⑤インセンティブ(昇進するとは限らない)(p.31)
•「新規事業は、本質的に『やってみなければわからない』もの」(p.42)
•5つの覚悟を持つ。①失敗する覚悟、②主体者として先頭に立つ覚悟、③なんとしてもカタチにする覚悟、④社内資源を自ら確保する覚悟、⑤時に敵を作る覚悟。(p.47)
•「リクルートには『幅広い市場に、自由に乗り出している』という印象があると思います。しかし(中略)『人の生死を左右するようなビジネスはやらない』というOBゾーンがありました。」(p.78)
•新規事業の検討メソッド。①既存事業を5W2Hで定義し、軸を一つずつずらす、②アンゾフの成長マトリックス(市場•製品の2軸で4象限に分けるのが一般的だが、5W2Hから2軸を選びバリエーションを設けて考えてみる、③既存•新規の2象限でなく既存•浸み出し、跳び出しの3象限にして9マトリックスにする。(p.88-111)
•「事業とは『不』の解消である」(p.120)
•「リスクを指摘するのは中間管理職の仕事、判断するのは経営者の仕事」(p.206)
•経営者が判断しやすい事業企画書。①何をするのか(事業概要)、②なぜやるのか(背景、期待できる成果)、③儲かりそうか(市場の大きさ、誰から何への対価を得るのか)、④勝てそうか(自社の強みと競争優位性、戦略戦術)、⑤できそうか(必要な投資、実行計画、リスク分析)(p.213)
•「事業化の承認は(中略)社内の役員会議で行われます。しかしこの最終段階で、関係者にいきなりゼロから情報を伝えるのは禁物」(p.220)
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ありそうでなかった社内企業に関するテキスト。新規事業の進め方について、具体的なステップで説明されているので、新規事業の担当者には、力強い援軍となるだろう。そうでない、人にも普段からの仕事の進め方について考えさせられる事が多いはずだ。
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新事業担当者、社内起業家向けのハウツー本だが、副題にもあるようにかなり実践的な内容になっている。ここで実践的というのは、理論的なことだけでなく、社内で起こりうる様々な摩擦や抵抗、根回しなど、実際に起こりうるナマナマしい課題やその対処法まで実体験に基づいて記述・解説されているということ。新規事業を立ち上げようという方は誰しも経験されるであろうことで、とても参考になると思う。企業における意思決定がどういうものであるかがわかるので、これから大企業で働こうという若者にも参考になるでしょう。一方、「社内」でない起業家の方にも役立つ知識もあるし、何より大企業に新商品等を提案する際には同じプロセスをたどることになるので、その対策・参考になる。
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社内企業のポイント、アイデア出し、説明の仕方、構想のまとめ方など、学びが多かった。またリクルートの話がよく出てくるので親近感があった。
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己もそうだが彼を知るために読んでみた。新規事業を行うということは、経営と現場の両輪を回すこと。そういえばそんなことを志望動機に書いたな。。。
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社内起業がミッションのポジションで働いてはないが、事業開発に学びになればと思い購読。
タイトルの通りはじめて社内起業を進めて行くにあたって、そもそも社内起業を始めても良いか確認する所から、アイデアへ至る過程、そこから関係者を巻き込みつつ、最終承認を得るまでのToDoリストが書かれている。
また読者を大企業で社内起業のミッションを持つ人と狭くターゲティングしているため、大企業の調整に関わるアドバイスも多く散りばめられている。
まさにそういった役割にある人にとっては、この本をチェックリストのように使いながら進めていける、良い指針になると思います。
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社内起業のお勉強。
メソッド①5W2H展開法
既存事業を5W2Hで定義し軸を一つ変えてみる
①Who(誰に・誰が・誰と)
・(誰に)購買者
・(誰が)利用者
・(誰と)取引先、協業先
②What(何を・何で)
・(何を)売る製品・サービス、販売名目、製品属性
・(何で)材料
③Where(どこで)
・エリア、販路、売り場、業界、領域、○○市場
④When(いつ・どの段階)
・(いつ)需要期、売れる時間、使う時間
・(どの段階)バリューチェーン
⑤How(どうやって・どんな)
・(どうやって)販売方法、製造方法、仕入れ方法、デリバリー方法
・(どんな)業態、ビジネスモデル、協業方法
⑥HowMuch(いくらで・どうやって)
・(いくらで)価格
・(どうやって)課金方法、料金体系、費用名目
⑦Why(なぜ)
・顧客が買う理由、顧客に提供する価値、競争優位の武器
メソッド②5W2H×4象限マトリックス
「箱」ではなく間を分かつ「線(壁)」に着目する
→「壁」の向こうで事業を行ってこなかった理由は必ずある。
越える価値のある「壁」を探す
メソッド③9マトリックス法
①浸み出し型
◎既存事業の体制内で事業化を検討できるもの
・既存事業へのマイナス影響:小
・リスク:小
・成功確率:高
②跳び出し型
◎既存事業の体制内では検討が難しいもの
・リスク大
・成功確率:低
検討を進める前に確認したい3つのポイント
①世の中の流れを踏まえているか
②市場の規模は十分か
③自社の「強み」は活かせそうか
ビジネスチャンスを探すステップ
①誰が、どのような時に、どんな「不」を抱えているのかを捉える
②期待する事業規模に相応しい大きさの「不」であるかを確認する
③その「不」が生じている理由を分析する
④その「不」が解消されていない社会的な背景・慣習を探る
プランの魅力を高めるための3つのポイント
①事業の成否を握る肝は何か
②どこで汗をかくか
③自社にとって「何への挑戦なのか」を見極める
新規事業で考えられるリスク
①市場に関するリスク(市場の将来的な変化を予測しきれないリスク)
②営業に関するリスク(意図したように売れないリスク)
③競合に関するリスク(競合の動きが読みきれないリスク)
④ヒトに関するリスク(採用、育成、退職など、計画どおりにいかないリスク)
⑤モノに関するリスク(仕入れ、生産スピード、品質などが意図どおりにいかないリスク)
⑥カネに関するリスク(資金調達や金利・為替が想定どおりにいかないリスク)
⑦協業者に関するリスク(取引先が意図どおりにならないリスク)
⑧社会的責任に関するリスク(社会的責任を負うリスクや撤退しにくくなるリスク)
新規事業の事業企画書―盛り込むべき要素
1.事業案の内容
①何をするのか
・できるだけシンプルに
・「○○領域で××を対象にした△△業を行う」と言い表せれば、ドメインとビジネスモデルが明確に伝わる
②どうやるのか
・戦略(STP、競争戦略、事業の肝)
・戦術(5W2H)
・オペレーション(どこで汗をかくか)
③期待する成果
・ビジョン
・マーケティング目標
・財務目標
④必要な投資
2.判断するための材料
①事業の意義
・社会目線(「不」の解消)
・顧客目線(価値提供)
・自社目線(収益獲得や市場開拓など)
②起案の背景
・この事業を取り組むべき理由について3Cに分けて記述する
「市場」…「不」の存在、「不」の存在理由・背景、新規事業によって「不」が解消されること
「競合」…競合製品や代替品、既存のしくみでは「不」を解消できておらず、この新規事業には優位性があること
「自社」…自社の継続的な成長には新たな挑戦が必要であること、自社の経営資源を活用すれば成功できる可能性があること
3.経営判断してもらいたいこと(協力してほしいこと)
①事業化の是非
②経営資源の投資の是非(ヒト、モノ、カネ)
③事業化着手の是非(開発、社外提携交渉、社内外広報など)
④事業化に向けた体制(責任者、組織、人員体制など)
⑤今後の進め方(スケジュール、経営判断するボードメンバー、社内協力体制)
経営者が「判断しやすい」構成とは
1.市場の状況
2.わが社の課題
3.企画趣旨
4.企画概要
5.事業計画
6.決済依頼事項
1.何をするのか
(1)事業概要
2.なぜやるのか
(1)企画趣旨・背景(「不」の存在)
(2)期待できる成果(世の中にとって、顧客にとって、会社にとって)
3.儲かりそうか
(1)市場の大きさ、「不」の発生理由・背景・解消方法
(2)誰から何への対価を得るか
4.勝てそうか
(1)自社の強みと競争優位のポイント
(2)戦略
(3)戦術
(4)オペレーション
5.できそうか
(1)必要な投資
(2)実行計画
(3)リスク分析
事業化承認の際に握っておくべきこと
①何のために、何に挑戦するのか
②どんな指標で事業の進捗を管理するのか
③その後の経営判断の時期と方法
④撤退基準は事前に決めておく