紙の本
ゲームへの情熱を取り戻すことができる本。
2015/12/19 09:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ノッカラー - この投稿者のレビュー一覧を見る
年を重ねると、ゲームから離れていく。
年を重ねると、ゲームへの興味が薄れていく。
せっかく買ったゲームも、中途半端な状態で止まったまま。
買って満足して、手をつけないままにしていることもしばしば。
そんな時は、この本を読みます。
今日のゲームを作ったといっても過言ではない男の物語。
紙の本
任天堂に礎を築いた人
2015/08/15 06:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:express455 - この投稿者のレビュー一覧を見る
任天堂の商品開発に携わってきた著者が、商品についての概要や開発に至る経緯などについて記載した内容。
本書は約15年近く前に出されたものの文庫化であるが、著者の思考は21世紀の現在にも参考になるものである。
牧野武文さんが新書で書いた「任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代」もおすすめです。
紙の本
ゲーム&ウオッチを作った人
2023/06/30 09:13
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投稿者:こうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は2010年に復刻版として出された「横井軍平ゲーム館 RETURNS ゲームボーイを生んだ発想力」を改訂し、タイトルを変更して文庫本として再出版されたものです。横井さんが任天堂に入社された当時はゲームではなくアナログ玩具が主流だった時代で、開発者として数多くの名作を世に送り出しています。中でも私が一番思い出に残っているのが小学生の頃に夢中になって遊んだ「テンビリオン」。簡単に言うとルービックキューブの亜流ですが面白くて毎日飽きずにやっていました。開発の裏話が載っていてそれを見るとへぇ~と驚くことばかり。本人曰く「片手間の端でやった」らしいのですが(笑)。他にも昭和世代なら懐かしいと感じる「ウルトラマシン」(ピンポン玉のバッティングマシン)「ラブテスター」(愛情測定器)なども詳しく紹介されています。そして、任天堂の経営を一気に好転させたと言われる「ゲーム&ウオッチ」。この誕生秘話が凄くてヒット商品はひらめきアイデアと様々なタイミングが重なり合って生まれるんだと感心させられました。横井軍平さんの貴重なインタビューも載っていますので是非ご一読を。
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やっと本書を手に取ることができた。名前しか知らんかったが、氏の思想を知ることができたのはよかった。光線銃懐かしい!ゲームウォッチ、オクトパスとマンホールをクリスマスに買ってもろた、等思い出しつつ一気読み。
後半の教えの1つに、餅は餅屋というのがある。これがどうしてもできない。つい、色々自分でやりたくなってしまう。結果納期遅延を生んだりと、アホなことをし続けている。本書は良い薬になるだろうか?いやせねば。
交通事故で亡くなられてから20年がたつ。早い。
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枯れた技術の水平思考
ゲームを作った人というよりもゲームという行動空間そのものを作り上げた人という感じ。
キャラクターを変えてもゲームは成り立つ
ゲームをする人はマニュアルを読まない
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トランプや花札などを作っていた任天堂を、「世界の任天堂」にした立役者の一人、横井軍平の事績を綴った本だ。本書は、ここ1年で読んだ本の中では1番面白かった。
横井軍平は、同じ任天堂社員でマリオシリーズの生みの親である宮本茂や、後に任天堂の社長となる岩田聡と同じ、ゲームクリエーターである。しかし、横井は後者二人と決定的に違う点がある。横井は、ゲームウォッチやゲームボーイなどのデジタルゲームのクリエーターでもあったと同時に、ウルトラハンドや光線銃、テンビリオンのようなアナログゲームのクリエーターでもあった点だ。
最近は「ゲーム」と言えば即「デジタルゲーム」を指すが、横井軍平の指す「ゲーム」は「遊び」だった。今の任天堂は「デジタルゲーム」の会社だが、横井がいた頃の70年代~80年代の任天堂は「遊び」をビジネスにする会社だった。
多角経営に失敗し苦境に陥っていた任天堂の中で、ヒマを持て余していた横井を見出したのが当時の山内社長だ。そこから世界の任天堂の歴史は始まったと言っていいだろう。
横井は上述のようなアナログ玩具のヒット作品を生み出し、任天堂成長の原動力となった。時折失敗作も出したが、ゲームボーイやゲームウォッチなどの大ヒットによって大幅に利益を生み出した。
横井の発想は、遊びの本質を追及することに尽きた。「面白い」とはどういうことか、「遊び」とは何かを、ユーザー目線に立って考え続けた。こうして横井が生み出した商品には、必ずしも最先端技術が使われてはいない。既にある古い技術やアイデアを組み合わせて新しいものを生み出すのが横井のスタイルだった。いわゆる「枯れた技術の水平思考」である。(そもそも、当時の任天堂には最先端技術を取り入れる資金力もなかっただろうが)
横井がヒット商品を生み出すと共に任天堂は急成長し、ファミコンブームと共に世界の任天堂になった。ちなみに、横井はファミコンの「十字キー」の考案者だそうである。
ファミコンブーム以降、任天堂はデジタルゲームに特化したゲーム会社になっていくが、ニンテンドー64の発売の頃には、横井は任天堂を退社した。横井は、グラフィックや性能の進歩などの競争に陥っていたゲーム業界を快く思っていなかったようだ。後に任天堂はwiiのような商品を生み出すが、それは不毛な開発競争を避け、横井の言う「遊びの原点」に帰り、面白さを追求した結果だったのかもしれない。
横井はプログラミングが出来たわけではないし、天才的に技術に明るかったわけでもない。しかし、遊びの本質を誰よりもよく理解し、アイデアで勝負するタイプだった。そして、自分に出来ないことは人に任せ、楽しんで仕事ができるチームを作る達人だったという。こういう人材は今少ないだろう。
現代のゲーム業界の現実を横井はどのように見るだろうか。スマートフォンのゲームなどは、「枯れた技術の水平思考」と言えないこともない。しかし、投入する金額の多寡でゲーム内容が左右されるというシステムや、猫も杓子も同じような萌えキャラクターで釣る安易な手法には、「アイ��アがないね」と一刀両断しそうな気もする。これならパチンコやスロットと同じだ。
自分自身も、子供の頃はファミコンやゲームボーイで遊んだ世代だ。しかし、最近のゲームには全く興味がわかない。大人になったからとか、時代が変わったということもあるだろうが、それだけではないような気もする。
結局、今新しく出ているゲームの大半は、今の大人世代が小さい頃どこかでプレイしたゲームと大差ないのだ。性能は向上していても、ゲーム性の部分では変化していない。だから若い子には多少受けたとしても、TVゲーム全盛期に遊んでいた世代には全く目新しさを感じない、ということなのだと思う。
結果として、ビジュアルに訴える萌えキャラやアダルトな要素、中毒性を生み出す課金システムに頼らざるを得ない。そしてゲーム内容にかけるコストは少なくなる。それでも売れている内はいいが、こんな単純なやり方では後発や類似がどんどん出てきてレッド・オーシャンとなり、淘汰されていくだろう。(事実、某スマホゲームの会社は株価が無残なまでに下がり続けている)
こんな時、横井軍平ならどんな商品を生み出しただろうか。恐らく、「遊びの原点」に帰ったゲームを作り出すだろう。これは予想にすぎないが、最先端技術を使わず、少し前に流行った「人狼」のように、シンプルだが楽しめるアナログゲームを作っていたのではないだろうか。
横井の発想は、今でも決して古くなっていない。「最先端よりも本質」という思考は、生き残りをかける中小企業にとっても金言となるだろう。No1の技術を持っていなくても生き残り、勝ち抜くことは可能なのだと教えてくれる。色んな人にオススメしたい、素晴らしい本である。
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普段あんまり買わないファミ通をその昔なんとなく買ったら、グンペイてゲームが出てて、そこで横井軍平の名前を知りました。本書は非常にいいインタビューと概要説明で、おもちゃの発想勝負のところが、原始的ですごく身近に感じますね。ゲームボーイ白黒の謎は、彼の思考を反映してますしね。ゲームに限らず、映画も音楽もTVもスポーツメディアも成熟してしまって、しかもネットありきでずっと平凡に感じるのは年のせいではなかったみたい(安堵)
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横井氏が入社した1965年、「花札・トランプの任天堂」だった頃から、1983年のファミコンで急成長して、ゲームボーイポケットを最後に退社する1996年まで、横井氏の仕事がそのまま任天堂を代表している歴史になっていることがわかります。
ファミコンの十字ボタンはダントツに扱いやすかった。そして地味だけど、ROMカセットのイジェクターは横井氏らしい、玩具っぽさがあった。
ちょっと遊んで、1〜2時間で飽きるくらいがおもちゃらしくてちょうどいい、と思ってたのかな、と感じました。
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デジタルとアナログのおもちゃを両方作った人。今あるような枠にとらわれず活躍できた幸運な人。そうじゃない景色をみることができる。上司のあり方、難しさ、同時に、様々な状況の重なりがありしかし、それを明るく踏破してきたのは横井さんと当時、社長の山内さんの阿吽の呼吸だったのかな。感じるものの多い軌跡だった。
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横井さんの開発した商品の歴史を振り返る内容と思いきや、どういう思いや流れから作ったのか、当時の背景を交えて端的に書かれていて、当時を垣間見ているような気になる内容だった。
遊びと言うものの本質を感じられると思う。
最後にはクリエイターを目指す人に向けた言葉も書かれていて横井さんの考えに触れることができる。
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横井軍平さんの名前はゲームファンの間では有名ですが、こんなに多大な功績がある方とは知りませんでした。流石、マリオの生みの親・宮本茂さんを見出した人なだけのことはあります。その遊びと仕事の哲学に感動を覚えました。
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よかった!ウルトラマシンも光線銃もバーチャルボーイもワンダースワンもゲームウォッチも持ってる。グンペイってゲームもやったなー。まあ、普通にやればいいんだよと言われてる気がしてる。
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徹底的に使う人のことをリアルに考える
ものの根本が分かれば何に役立つか考えられる
何を求めていないかを考える
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とても面白かった。こんな人がいたんだなと思う。
「枯れた技術の水平思考」。なるほど、と思う
産業の空洞化は単なるアイデア不足なんだな。
ゲームは全くやらないのでよく分からないが、なぜやらないのかと言われると、確かに「時間のムダ」と感じてしまうから。ゲームウオッチの頃から年を取ったからそう感じるのだと思っていたけど、実のところ、ゲームが面白くなくなっているのかもしれない。
ゲームに限らず、どんな世界でも、アイデア勝負がだんだんなくなっているのかも。いいアイデアを持っているなと思うことなど殆どない。
横井軍平さん、独立してすぐ、1997年に亡くなられたなんて残念。今の世界にいたら、どんなゲームを創っていただろう。
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ゲーム以前の玩具のアイデアに関しては発想の捻りが凄すぎるし、ゲーム以降の話は物量で殴るようなゲームが多い現代社会を考えさせられる気がする。どっちも好きだけど。
あと、全部になんか物語があるのがなんかものづくりって感じがする。
ハッカソンのネタ考えるのときに枯れた技術の水平思考ってのは相性いいかもしれないな、と感じた。