紙の本
娘への思いは父親共通
2015/08/19 16:10
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊吹有喜の、おそらく初めての連作短編集。舞台装置からは、「深夜食堂」を思わせもするし、単的に言ってしまえば脚本家を目指す青年の成長と、商店街再生?の物語。しかし、人間愛と温かな眼差しに満ちた伊吹ワールドが存分に堪能できた。
既作品ほど“泣ける”わけではないものの、第2話「父の手土産」にはホロリとさせられた。珍しくシリーズ化の要素十分で、クセのある登場者たち各々の物語など、早く続きが読みたい。
全くテーマも、もちろん作風も目指すところも異なるけれど、何故か吉田篤弘の「なにごともなく、晴天。」を読み返したくなった。
紙の本
ささやかな人生模様
2016/03/04 15:20
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投稿者:ひろこしゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
猫とカレーのカバー絵に惹かれて手にとってみました。
読み始めて即、脳内で映画がはじまりそうになったので慌てて本を閉じてレジへ直行。
野生のカンだけど、こういう本はたいてい当たり。
脳内映画館が始まってしまう作品は相性のいい文体なので読んでいて気持ちがいい。
大当たりでした。
店に来るお客さんと横丁の住人たちのささやかな人生模様がいい味出してます。
ドラマか映画にならないかなー…と思っていたら、この作家さん「49日のレシピ」書いた人だったのですね。
他の作品もよんでみたくなりました。
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管理人いいなあ
2021/12/05 11:33
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
桃さんのまかないをただで食べられるなんて、管理人さんいいなあ。
特別な描写はないのに、情景が目に浮かぶのは、
作者さんが上手だからだよね。
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こんなお店が近所にあったら・・・
2016/02/28 12:58
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投稿者:さと - この投稿者のレビュー一覧を見る
表表紙のネコとカレーライスの絵柄に惹かれて手に取り、
裏表紙のあらすじを読んだところ、
「ねこみち横丁」「おいしそうな料理のメニュー」「心温まる・・・」というフレーズにも目が行き、実際読んでみることにしました。
読後感としては、
読みながらお腹が空いてくる、
そして、人と人との温かさが溢れる、心がほこり温まる印象を受けました。
再読したい1冊です。
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優しいお話
2016/02/28 00:37
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投稿者:さきん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ご飯屋さん小説(と個人的に呼んでいる)。
優しいほっこりした空気が流れる連作短編集。桃ちゃんが可愛らしい。そして、ご飯が美味しそう。これ大事。
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面白くなりそうな予感
2022/01/17 11:14
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ねこみち横町」の奥地にある「BAR追分」。夜は白髪まじりのマスターがやるバー追分で、昼間はかわいらしい女性がやるバル追分と昼夜で営業形態を変えている店だった。人生の岐路に立った時、人はどのような選択をするのだろうか?
読んでいてちょっとほっこりした気分になりましたね。商店街のHPを作成した宇藤君はいい意味でラッキーでしたね。なかなかあんないい人たちとの出会いなんてそうそうあるものではないですしね。次作も楽しみにしたいと思います。
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新宿三丁目交差点近く―かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。そこは、道が左右に分かれる、まさに追分だ。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン!
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場所柄と言い、隠れ家的な感じと言い、なんだか勝手にもっとアウトサイダーっぽい物語を想像していたのだが、さにあらず。夜はバー、昼間はその場を借りてバールとしての営業、ということで、常連客からは「ヤドカリ食堂」と呼ばれる「BAR(バール)追分」を核として、そこに集まる常連客たちと、ひょんなことからねこみち横丁振興会の管理人になってしまった宇藤輝良の物語である。バールのオーナーシェフ・桃子の作る、丁寧で味わい深い料理の数々は、どれも魅力的で、それに引き寄せられるように集まってくる客たちの屈託を、あたたかく解きほぐしてくれるようである。読んでいて心地好いのは、それぞれの距離感が絶妙で、突き放しすぎず、踏み込み過ぎず、これ以上ないほど良い加減だからかもしれない。思わず、ねこみち横丁を探しに行きたくなってしまいそうな一冊である。
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新宿三丁目の交差点付近、細い道に入って曲がった先にこんなBARがあって地域猫はいるかな。行って探してみたい。娘を男手一人で育てた父親の哀愁が漂ってきた「父の手土産」ハンバーグサンド。香ばしく焼ける音が感じられた。お兄ちゃんが推しのアイドルが結婚引退する「幸せのカレーライス」カレーの匂いが感じられた。前に進んで行けそう。「ボンボンショコラの唄」せつなかった。それにしても料理がとてもおいしそう。おなかのすいているときに読むときついかな。宇籐くんは管理人の仕事をして人を観察してシナリオが書けるようになるだろう。
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ひょんなことから食い倒れ横丁で生活することになった青年を中心に、横丁の出来事が書かれている。
2016/1/27
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昼間はカフェ、夜はバーになる「追分」に集う面々が繰り広げるハートウォーミングな連作短編4編。特に「ボンボンショコラの唄」は秀逸で泣きそうになりました。
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2019/6/6
薄いのが惜しいくらいおもしろかった。
もっと読みたいよ。
最近多いおいしい食事の出てくるじんわりいい話の小説。
優しい人しか出てきません。
世知辛い世の中だから、あるなら行きたいよね。
ねこみち横丁。
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よかったー!紗ヨリちゃんにいただいた本です。わたしが飲むの好きだからこういうお話を薦めてくれたけど、そのとおり、ストライクでした。
飲むのは大好きなんですが、アルコールを摂取したいというよりはそれに伴って誰かとおいしいものを食べるのが大好きなので、ほんとにこういうお店が理想。
ここまでではなかったけど、わたしにも1人暮らしのとき散々通った、似た存在のお店があった。大袈裟ではなくほんとそのお店に救われたから、BAR追分に集まるひとたちの気持ち、とてもよくわかる。仕事がしんどすぎて、フードのラストオーダー過ぎてるのを覚悟で人と話したいがために駆け込んだら、お茶漬けを出してくれたり、娘みたいにかわいがってくれる常連さんたちと出会ったり、彼氏が変わってお店に連れて行ったり。実家に戻ったいまでも、そこで飲む時間がなくてもたまに顔を出したり。
江里華さんのお話が大好きだったなー!!
お酒を飲める年齢ということは、大人ということで、かっこわるい経験だってそれなりにして、何歳になっても小さい頃描いてたような大人じゃなくて、でも平気な顔してほかの大人の中に混じって、内心大変な思いをしていたりする。それを表に出すことは「大人げない」と言われてしまう。
べつにアルコールでなくてもいいんですが、やっぱり、家族でも恋人でも職場でもない、できればすこし距離のある、知らぬ間に救いの場になるところって人間には必要だなあ。
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表紙の猫につられて図書館で手に取った一冊。
あ。
そーゆーことか。
素晴らしい装丁。
近所に欲しいな。こういうお店。
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図書館で。
一つのお話の合間合間に語り手が変わるので最初は違和感がありました。コイツ誰だ?みたいな感じで。主人公は二階だか三階だかに居候することになった彼一人だけでいいじゃない?とか思ったり。
彼が取材で色々な人にヘタなりにレポートしてまとめた文章を発表するとかそう言う形にした方がお話の形式としてはすっきりしそう。
とりあえずヤドカリカフェの彼女が良い子過ぎて反対に胡散臭い(笑)こんな親切なのって何か反対に見返りを要求されるんじゃなかろうかとビクビクしてしまう(笑)だって新宿だぜ?(笑)結婚前の女性の話はなんだかイライラしている女性だなぁとちょっと結婚大丈夫?とか思いました。彼女の何を見て良いお嬢さんだ、なんてあの煎餅屋は言ったのやら。社交辞令、か。まあ、そうだろうな~
それにしてもBarで(昼食だけど)出すメニューがカツカレーとかハンバーグサンドとか生姜焼きって… ピンチョス?も魚肉ソーセージとか…なんかバールってよりは食堂って感じだなぁ。なんか男性受けは良さそうだけどカクテルには合いそうにない雰囲気だなぁ…
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新宿の追分にある昼間はランチを出す「バール追分」、夜は渋いマスターがお酒を出す「バー追分」が舞台。
最近はこの手の作品が非常に多く、最初はあまり読む気もなかったのだが、最近読む本がメッキリなくなったので、手を出してみた。
結果、今まで読んだ作品よりも登場人物と料理の関係性が薄く、新宿の路地裏の人間関係も描きたかったのだろうけど、登場人物が全員キャラが強過ぎて、誰に焦点を当てて描きたかったのか、よく分からなかった。
辛うじて、昼間のモモちゃんが作る料理はイメージ出来ても、夜の田辺さんが出すお酒は凝り過ぎてて、全く理解不能。
主人公と思われるWEBライターも、会社をクビになった後、 BAR追分の2階に住むことになるが、管理人の仕事と引き換えの割には活躍する場面も少なく…
あと2作あるから、そちらに期待してみよう。