炭鉱に生きる 地の底の人生記録 画文集 （講談社＋α文庫）

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「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録記念刊行。明治・大正期の炭鉱の暮らしをリアルに描き上げた作品として、日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録。
その精細で色彩豊かな画は今も新鮮で、また綴られた文章は半世紀の時を超えて炭鉱に生きた人々の生活と慟哭を生々しく伝えている。日本の産業史を語る上で欠かせない偉大な業績!

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献本いただきました。

この本は、山本作兵衛さんの絵や日記が、ユネスコの「世界記憶遺産」に、日本から初めて登録されたときに、一度、手に取っています。
今回の文庫化で、より多くの人の手に取られるようになるといいな、と思います。

でも、やはり、絵の迫力は、単行本の大きさがいいですね。
文庫は、絵を堪能するより、文章を読むのに、ちょうどいいですね。
絵も、すごいのですが、文章の方も、その当時の生活を知ることができます。
本当に知らないことが多いので、とても興味深く読めます。
絵の題材の選び方が、とてもうまいと思います。
本当に知らないようなことばかりが採られているんですよね。
そして、それが絵と添えられた文章で説明されているのですが、その構成の仕方も、とてもうまいですよね。
そもそも、炭鉱での生活を、60歳を過ぎてから、「思い出して描いた」という時点で、山下清をほうふつとさせる、天才エピソードだと思うのですが、画家としても天才だけれど、プロデューサーとか編集者としても天才だと思います。

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献本にていただきました。
地元のことという点において興味があった本なのですが、炭鉱の現場での厳しさや当時の状況について克明に描いてあるのが予想以上にすごかったです。筆を再び取りはじめたのはだいぶ後になってからだというのに、記憶力もすごいですし、それが絵とともにあることで当時の風習や生活の様子がとてもわかります。
こういってはなんですが、面白かったです。実際にそこに生活していた方にとっては死と隣り合わせで大変だったのはわかるのですが、当時を知らない世代にとっては言葉だけしか聞きなれない炭鉱というもの。それがどれだけ過酷な環境だったのか、想像できるようになるのが良いと思いました。

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論より証拠、百聞は一見にしかず。写実的な絵ではなく紙芝居の様な絵なのだが、かえってそれが炭鉱（ヤマ）のリアルな生活のあぶり出しのように感じられる。しかし、子どものころに好きで絵を描いていただけの人が、炭鉱一筋の人生の老後にこれだけの絵を記憶だけを頼りに描けるというのには驚嘆させられる。まさに世界記憶遺産。筑豊の炭鉱主”麻生”は、あの麻生元首相の一族。