- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2015/10/16
- 出版社: 日本経済新聞出版社
- サイズ:20cm/347p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-532-17136-0
読割 50
紙の本
この世にたやすい仕事はない
著者 津村 記久子 (著)
「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、とい...
この世にたやすい仕事はない
この世にたやすい仕事はない
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、という。そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があって―1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があって…。1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説。『日本経済新聞電子版』連載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
みはりのしごと | 5−54 | |
---|---|---|
バスのアナウンスのしごと | 55−120 | |
おかきの袋のしごと | 121−185 |
著者紹介
津村 記久子
- 略歴
- 〈津村記久子〉1978年大阪府生まれ。2005年「君は永遠にそいつらより若い」で太宰治賞を受賞し作家デビュー。「ポトスライムの舟」で芥川賞、「給水塔と亀」で川端康成文学賞を受賞。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
怒られるかと思ったけれど・・・
ジュンク堂書店 大分店さん
主人公は36歳。
十年以上勤めた前職でたいへんな思いをし、働くことと人に関わることに消極的になった結果「コラーゲンの抽出を見守るような」仕事を探しています。
最初に紹介されたのは、ある小説家の自宅での一日を観察する仕事。ちゃんと小説を書いているかどうかを、ではなく、実はある犯罪に関わっているのではないかと作家を組織的に見張っているのでした。主人公が勤め始めたのは、こうした見張りを専門に行う職場でした。
相手はこちらが見ていることを知らない、だからコミュニケーションをとることはできない、しかし主人公は観察を続けるうちに次第に、小説家の趣味嗜好、人柄、感情、などを把握するようになっていきます。それは見張りの仕事にとって、とても大切なスキルでした。
他にも、「バスのアナウンスのしごと」(アナウンス文面を作る仕事です)、「おかきの袋のしごと」(おかきの袋裏の豆知識を書く仕事です)、「路地を訪ねる仕事」(住民に挨拶をしてポスターを貼りかえる仕事です)、「大きな森の小屋での簡単なしごと」(自然公園の中の小屋でチケットの準備をする仕事です)と全部で五話の短編でひとつの小説となっています。
見てお分かりの通り、主人公は五回仕事を変えています。(どれも短期間で辞めていますが、全ての仕事に熱心に取り組んで成果を出しています)。
中には「やめちゃうの?」と思うような職場も、「そこを辞めるのは仕方ないね」と思うような職場もあります。理由はその都度違っていて、条件であったり、仕事内容であったり、主人公が合うか合わないかだったりします。
そこを見極める考え方や語り口も読みごたえのひとつです。
タイトルだけを見て、「こんなにこんなにきつい仕事でもがんばっている人がたくさんいる!」と、読んでいると怒られているような気持ちになるお話ではないかと勝手に思っていました。全く間違った印象でした。
読み終えた今は、同じ言葉が違う重みと説得力を持っているように感じられます。このタイトルは読み終えた人のためにあるのだと思われてなりません。
ぼろぼろになって仕事を辞めて、それでも働くうちに主人公が見つけた答えをぜひ読んで味わってみてください。
電子書籍
とにかくやってみましょう
2018/02/11 10:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事斡旋会社から斡旋される仕事が個性的なこと。監視やバス車内のアナウンス広告を考える仕事、煎餅個包装紙裏のひとことコラムを書く仕事等々。主人公は脳内で色々ツッコミながらも「やってみるか」と職場へ赴く。ちゃんと完結した仕事なんて「監視」の仕事くらいじゃないの。コラム書きも、ポスター貼りの裏の仕事も向いていないわけじゃないけれど、状況が許さず断念。特殊なだけに特殊な事情が絡んでくるあたり致し方なし感が出てて読者もあきらめがつく。主人公の職への情熱は普通だが、普通じゃない周りに巻き込まれて行く様が極上に愉快。
電子書籍
奇妙なお仕事小説
2017/01/30 07:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ありそうでなさそうな仕事をする主人公が、いろいろな人と関わりながらいろいろなことを感じていくが、この本を読んで、健康で職場環境がよく、自分がある程度得意とする分野や仕事で社会に貢献できることは、様々な要素が正常である貴重なことだとおもった。
紙の本
三崎亜記なら「やられた!」と言うかも(言わないか)
2016/12/20 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
シビアな話なのかと思っていたら、そうではなくて、ちょっとファンタジー系の不思議な話だった。読んでいるうちにこれは何かに似ているぞと思ったら、三崎亜記の小説だった。バスのアナウンスの仕事の話なんて、三崎亜記が読んだら、「やられた!」って思うんじゃないだろうか(思わないか)。微妙な感じの挿絵もいい味出してたね。
紙の本
タイトルがインパクト
2016/03/13 01:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事に燃え尽きた30代の女性が、様々な派遣の仕事を通して、仕事というものを見つめ考える連作短篇小説。こんな監視の仕事なんてあるの?って思ったり、バスのアナウンスのお仕事やおせんべいのお仕事など、読んでいて奥深いと唸らされたり。本当に興味深い仕事達が出てくるが、これはあくまで「ファンタジー」と頭の隅に強調して読まないと、暫し現実世界と混乱を覚えるおそれあり?何度見ても唸らされるタイトルがまたすごいと思う。