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商品説明
鍼灸医・菜摘は、「妻敵討ち」の旅から戻った養父・佐十郎と十年ぶりの再会を果たす。しかし帰藩した佐十郎は不治の病に侵され、妻敵討ちは何者かに謀られたものだと口にした。弟・誠之助、彼に思いを寄せる千沙とともに真相を探る菜摘は、やがて哀しい真実に突き当たり―。炙り出される組織の不条理、人間の業と欲。人を信じることの忍耐と苦悩。若者たちは何に人生の光を見出したのか?【「BOOK」データベースの商品解説】
鍼灸医・菜摘は、「妻敵討ち」の旅から戻った養父・佐十郎と十年ぶりの再会を果たす。しかし帰藩した佐十郎は不治の病に侵され、妻敵討ちは何者かに謀られたものだと口にした…。『ポンツーン』連載に加筆・修正。【「TRC MARC」の商品解説】
誰よりも強く心優しかった父にも、人を憎まねばならぬ時があったのだろうかーー。
十年ぶりに妻敵討から戻った養父・佐十郎の元に届いた果たし状。
鍼灸医の菜摘は、重病の身で果し合いに出かけようとする佐十郎を
止めようと、弟・誠之助と男装の美少女・千沙と共に差出人の正体を
探りはじめる。
調べを進めるうち、かつて佐十郎と出世を競い、今や藩の重鎮と
なった三人の男たちに辿りつくが・・・・・・。
なぜ養父は、妻敵討ちにでなければならなかったのか。
明かされる、養父の知られざる過去とは?
人が生きることの哀歓を描く、胸を衝く傑作時代小説。
※10月号か11月号より、ポンツーンでシリーズ第二作が連載開始予定です。 【本の内容】
著者紹介
葉室 麟
- 略歴
- 〈葉室麟〉1951年福岡県生まれ。西南学院大学卒業。「乾山晩愁」で歴史文学賞、「銀漢の賦」で松本清張賞、「蜩ノ記」で直木賞を受賞。
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電子書籍
風かおる
2018/03/24 10:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:masa - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉室さんの本は殆ど読んでいますが、ストーリー的には少し弱いかなと感じます。
紙の本
サスペンス
2015/10/26 10:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞作「蜩の記」は、「赤ひげ」を思い浮かべながら読み、実際、葉室氏の作品は山本周五郎や藤沢周平に通じるところが多いのだが、本作は謎解きの要素も含んでいて、その意味では新境地と言っていいのかもしれない。ただ、終盤、流れが安易になった気がして、5点には届かないと…
紙の本
いつもながらのおもしろさ
2016/03/17 21:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ガンダム - この投稿者のレビュー一覧を見る
サスペンス調に話が進みます。
最後まで読ませてくれます。なるほどと感嘆させられました。
とても面白かったです。やっぱり葉室作品は面白い。
紙の本
風がかおるように生きなければ
2015/10/21 07:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は時に自分が想像もしていない悲しみや辛さを他人に与えてしまうことがある。
葉室麟のこの作品は、そんな人の悲しみを描いた長編小説だ。
物語の舞台は葉室の得意とする九州黒田藩。
鍼灸医の夫を持つ菜摘が物語の進行役である。彼女は夫の指導のもと、鍼灸だけでなくオランダ医学にも通じて、夫が長崎に修業をしている間、博多で診療をしている。
菜摘を慕う千沙は男みなりのまま成長し、16歳の頃には縁談話もくるようになっている。けれど、千沙は菜摘の弟誠之助に魅かれている。
菜摘、千沙、誠之助、もちろん物語の主要な人物だが、主人公とまではいえない。
主人公はおそらく菜摘が小さい頃養父であった竹内佐十郎であろう。
佐十郎はかつて藩の新進気鋭の若者だった。その才を買われて長崎聞役に任じられたことがある。ところが、妻に密通の疑いが生じ、佐十郎は妻敵討ちのため致仕し国を出た。
佐十郎はその妻を討ったとして十年ぶりに国に戻るのだが、彼には別の目的があった。
それは、自分を妻敵討ちへといざなった男への仕返しである。
旅に病んだ佐十郎は若い頃に思いを寄せた多佳のもとに身を寄せる。
そこに呼ばれたのが、かつての養女菜摘であった。
やさしかった父が何故に仕返しなどを目論むのか、しかも残された生はわすかであろう父を思って、菜摘は佐十郎の相手を探すことになる。
ここまで書けば、佐十郎は誰かの陰謀によって藩を追われた者ということになろう。
しかし、佐十郎の相手がじわりじわりと核心に近づいてくるうちに、読者は驚くべき事実をつきつけられる。
それはここでは書けないが、それこそ佐十郎の長くて悲しい、人生模様といえるだろう。
例えば、人を愛するという純粋な思いも、もしかすればそのことで他の人を知らない間に傷つけているかもしれない。
すべてが終わった時、菜摘たちは「風がかおるように生きなければ」と誓うのだが、風がかおる生き方こそ自身に胸をはったものなのだろう。
彼女たちにそれを教えたものこそ、この物語の主人公かもしれない。