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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.9 27件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2015/12/18
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波新書 新赤版
  • サイズ:18cm/259p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-00-431575-9
新書

紙の本

村上春樹は、むずかしい (岩波新書 新赤版)

著者 加藤 典洋 (著)

村上春樹の作品はほんとうに他の国内外の高度な文学作品と伍していくだけの力を持っているのか。村上春樹の文学像について、全作品を詳細に読み解いてきた著者ならではの視座から、そ...

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村上春樹は、むずかしい (岩波新書 新赤版)

税込 880 8pt

村上春樹は,むずかしい

税込 880 8pt

村上春樹は,むずかしい

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商品説明

村上春樹の作品はほんとうに他の国内外の高度な文学作品と伍していくだけの力を持っているのか。村上春樹の文学像について、全作品を詳細に読み解いてきた著者ならではの視座から、その核心を提示する。【「TRC MARC」の商品解説】

つねに時代と対峙しながら作品を産み出してきた、本当の村上春樹にはじめて出会える画期的な村上論。【本の内容】

目次

  • はじめに 野球帽をかぶった文学?
  • 第1部 否定性のゆくえ 1979─87年
  • Ⅰ 否定性と悲哀──『風の歌を聴け』の画期性
  •  1 肯定性の肯定──「気分が良くて何が悪い?」
  •  2 「新しい天使」と風の歌
  • Ⅱ 戦う小説家──初期
  •  3 中国へのまなざし──「中国行きのスロウ・ボート」

著者紹介

加藤 典洋

略歴
〈加藤典洋〉1948年山形県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。文芸評論家。早稲田大学名誉教授。著書に「3.11死に神に突き飛ばされる」「人類が永遠に続くのではないとしたら」「戦後入門」など。

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書店員レビュー

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年5月号より

書標(ほんのしるべ)さん

村上春樹の読者になってから、随分と月日が経つ。最初に読んだのがベストセラー「ノルウェイの森」発表後の最初の長編「ダンス・ダンス・ダンス」だったので、もう30年近くになる。一方で加藤典洋の著作に手を伸ばしたのは、同じ頃文学部の学生として評論なぞも読まねばと、背伸びして購入した「アメリカの影」だった。その後の我が読書を振り替えれば、背伸びしたものは身に付かなかったことを痛感するが、村上春樹の読者としてはかなり着実に、それなりに誠実に齢を重ねた。それだけに同じ年月を加藤典洋氏も読者として村上春樹を見続けたのだと思うと、それなりに感慨がある。
 加藤氏は当初先進的な批評家達から否定された村上春樹を、例外的に好意を持って迎え、批評を続けてきた。そしてその評価が真逆になり、村上春樹を批判しにくい状況となった現在、改めてその文学的達成を評価したいとしてこの本を書いた。文学的達成って村上春樹が気にしていないかもしれないし、私も意味が判っているわけではないけれど、ここで評価されているのは「村上文学が正当な日本の純文学の系譜上にある、正当な継承者であること」なので、よくある「村上春樹の成功の秘密」みたいな本ではない。「信奉者」たる私からしても、村上春樹が漱石や三島、大江といった人たちと並んで評価されるのはうれしい。
 もちろんこの本は村上春樹のヨイショ本ではないので、著作への分析やこれからの活動への予測などもある。信奉者にもアンチにも、是非読んで貰って、今後の作品を見守る糧にして欲しいと思う。

みんなのレビュー27件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

村上春樹は、おもしろい

2018/05/31 21:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る

村上春樹の本は好んで読みますが、村上春樹のことを書いた本は読みません。
と、言いながら、このたび初めて読みました。
加藤典洋『村上春樹は、むずかしい』。
いつも村上春樹はあんまり考えないで読むので、ほお、そういう読み方があるのかあ、などと感心しながら読みました。
けど、「むずかしい」って、題名にあるけど、どこがむずかしいのか、納得できないまま。えーっと、私なら『村上春樹は、おもしろい』でいいんですけど。

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紙の本

村上春樹は、わかりやすい

2016/06/16 11:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kawao - この投稿者のレビュー一覧を見る

加藤氏の村上評論は、わかりやすい。「村上春樹は、むずかしい」と読者を引かせて、本題とはかかわりなく愛情を込めた村上評はハルキストの心をくすぐってくれる。
少し残念なことは、以前からの評論の焼き直し的な部分が散見されるところか。

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紙の本

中国への視点

2016/03/04 23:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

もう一度村上春樹の小説を読み直したくなるほど、驚きと納得の評論である。特に、中国行きのスローボートなどの短編集がどのような企みで書かれたのか、という分析が新鮮だった。村上春樹の小説は深読みしなくても面白い。でも深読みすると、もっと面白い。一見、アメリカかぶれのように思われる春樹が中国を、日本の戦争体験を引きずっているという指摘が印象深い。一方で村上龍の小説がなぜつまらないかも腑に落ちた。村上春樹は夏目漱石の正統な継承者なのだという。漱石も再読したいという気になった。

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紙の本

むずかしい?

2016/01/24 19:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る

評論を書くには、村上文学はとらえどころが無いと思います。
あえていえば「むずかしい」とでも表現しなければ書けないのだと思います。
正直こんなに深読みしないと村上春樹は楽しめないのかというと、全くそんな事はありません。
岩波新書と村上春樹という組み合わせがこんな評論を書かせたのだと思います。
もっと気楽に読めば良いのにと思う次第です。

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