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商品説明
【古代歴史文化賞(第5回)】X線写真・CTスキャン・3D画像…。最新技術が検出した土器の中に眠る考古資料「タネ」「ムシ」。それらが指し示す縄文時代の実像を明らかにし、縄文人の食生活を問いなおす。【「TRC MARC」の商品解説】
狩猟採集や漁撈で生活していたとされる縄文人。だが、粘土をこねて土器を成形する際に紛れ込んだダイズや貯蔵食物害虫のコクゾウムシがその常識を打ち破った。土器表面や断面の痕跡の新しい分析法から、イネやダイズの栽培開始時期を特定。土器粘土の中に眠っていた考古資料「タネ」「ムシ」が指し示す、多様で豊かな縄文時代の実像に迫る。【商品解説】
狩猟採集や漁撈で生活していたとされる縄文人。だが、粘土をこねて土器を成形する際に紛れ込んだダイズや貯蔵食物害虫のコクゾウムシがその常識を打ち破った。土器表面や断面の痕跡の新しい分析法から、イネやダイズの栽培開始時期を特定。土器粘土の中に眠っていた考古資料「タネ」「ムシ」が指し示す、多様で豊かな縄文時代の実像に迫る。【本の内容】
目次
- 想定外の発見―プロローグ/ダイズと縄文人(縄文ダイズの発見と立証/列島のマメ栽培と拡散)/縄文人は豊かな狩猟採集民か(「豊かな狩猟採集民」論争/縄文時代の栽培植物)/コクゾウムシと縄文人(昆虫と害虫/遺跡出土の昆虫と研究法/コクゾウムシから見た縄文人の暮らし)/イネはいつ日本にやってきたのか(大陸系穀物の起源地/朝鮮半島から日本列島へ/圧痕資料から見た九州後・晩期農耕論)/圧痕法が明らかにしたもの(圧痕法とその歴史/圧痕は何を残しているのか/圧痕法のイノベーション)/草原での農耕が語るもの―エピローグ
著者紹介
小畑 弘己
- 略歴
- 〈小畑弘己〉1959年長崎県生まれ。熊本大学法文学部史学科卒業。熊本大学文学部歴史学科教授。博士(文学)。著書に「シベリア先史考古学」「東北アジア古民族植物学と縄文農耕」など。
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紙の本
タネ、まきますか、縄文人
2018/09/30 10:34
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投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
狩猟採集により生業をたてていたと教えられた縄文人。魚をとることもあった。しかしがなら、縄文農耕論はいまいち盛り上がらないまま、どこか収束されてしまった気がしていた。それを唱える人は奇異な目で見られるような印象すらあった。その偏った歴史観を覆る1冊が世に問われた。
本書は、土器にみられる窪みにシリコンを注入して、その形状から窪みの正体を掴むという方法論から、縄文時代の農耕論と実証した概説書である。農耕と言うと稲作、それも水稲栽培を思い浮かべがちであるが、本書はマメ類などの耕作を実証してのけた。
考古学が科学かどうか分からない。再検証が難しいというその性質上、厳密な科学とは言い切れないのかもしれない。だから、様々な発想が出てくるし、安易な発想を許容する懐の深さがあると思っていた。しかし、縄文農耕論については、それを発表することを最初から異端扱いにするところがあった印象がある。案外狭量だと思っていたが、これまでの縄文農耕論に実証という姿勢が欠けていたことも原因であるのかもしれない。本書はそれを実証してみせた。面白い1冊だった。