紙の本
マルチ商法の実態を知りたい方にオススメかも。
2016/02/15 11:38
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投稿者:coro - この投稿者のレビュー一覧を見る
私自身はマルチの集会?に参加したことはありませんが、誘われたことは何度かあります。それまで友人だと思っていた彼とはその誘い以来少し距離を置くようになってしまいました。友人だからこそ、そんな甘い誘惑からは目を覚まさせてあげたいとも思いましたが、我が身を守る意味で距離を置くことを選択しました。
実際にその集会で何が行われているのか、噂程度でしか知りませんが、友人の誘い方が全く同じだったので、この本の内容(モノガタリ的な部分を除く)は取材に基づいた”ほぼ事実”なのではないでしょうか。マルチ商法の実態を知りたい方にオススメです。
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ネズミ講とネットワークビジネスとマルチ商法。どれも同じだと思っていたのだけど。
かつてものすごく流行った洗剤販売で近所の友だちが友だちを失っていくのを見ていて心が痛んだ覚えがある。なぜあんなにどっぷりとはまり込んでいくのだろうと不思議に思うのだけど、あのシステムにはなんとも言えない魅力があるのは確かで。しかもその中にいる人たちに共通するのは「こんなに素晴らしいモノなんだから他のヒトにも勧めてあげなきゃ」という「善意」の気持ち。だから、外から何を言われても揺るがないのだろう。一度痛い目に遭って、そこから抜け出せばもう二度と足を踏み込むことはないと思うのは早計で、きっとあの「努力」が「お金」というわかりやすい形で積み重なっていく快感は一度味わうと忘れられないものなのかもしれない。そこに「善意」がある限り。
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ネットワークビジネスを題材とした、人間ドラマ。
終身雇用というものが崩れつつある今、
夢のあるビジネスと謳われてはいるが、
そこに見え隠れする闇に翻弄される主人公の生き様がリアルで胸が苦しくなります。
成功すれば、反対側には失敗して辛酸をなめている人がいるということを忘れてはならない。
新鋭の作家さんでしたが、描写がすごくキレイで無理がないから読んでいて気持ちが良かったです。
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作者の2作目の本である。今回はネットワークビジネスに嵌まっていく若者を描いている。
主人公が仕事や生活に苦しむ姿は圧倒的なリアリティが感じられるが、ネットワークビジネスに携わる人たちが個性的すぎて創作ものっぽくなってくる。これが本当の姿に近いのだろうか、もう怪しさしかない。
前作でもそうだが、物語の進展は意外性がある。単にハッピーエンドだったり不幸な結末になるのではない。この作者独特のストーリー展開は、普通ではないこのビジネスにピッタリかもしれない。
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前作よりも面白かった。ただの業界あるある紹介小説風ではなく、登場人物もより人物らしく、ストーリーもより割り切れない方向へ。タイトルは先に付けてしまった…という感じなのだろうか、雑誌連載からの、だし。いまいち不適合な印象。
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マルチ商法、ネットワークビジネスを題材にした話。
大手企業の関連会社に勤務するユウキ。社内でリストラがはじまり将来に不安を募らせる中、地元の後輩からネットワークビジネスの誘いを受ける。
ストーリーとしては面白かったが、階層をのぼっていく仕組みなどネットワークビジネスの世界をもっと知りたかった。
特にユウキが有料会員となる裏側、社長の思惑などが不完全燃焼
(図書館)
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いわゆるマルチ商法を題材にした小説。
サラリーマンの竹田ユウキは、業績が低迷してリストラを始めた勤務先に嫌気がさし始めたところに、大学時代のの同級生の勧誘によってマルチ商法を副業で始めることにする。どんどんマルチにのめりこんでいくユウキはどうなっていくのか・・・。
マルチにはまった者の深い業が描かれ、面白い内容ではあったが読後感は嫌な感じだった。題名の「ニューカルマ」も小説の終り部分を読むと、すごく意味深。
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ネットワークビジネスに関わることになる青年の話。終身雇用が無くなって、自分の力で生きていくことが問われる時代に、その対応策としてネットワークビジネスがあるのかどうか。努力なしでうまくいくことはないし、一度関わってうまくいくと、抜けられないってことかな。
誰でも楽に暮らしたいとは思っているだろうけどね。
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マルチ商法、ネットワークビジネスの話。主人公は二度もマルチ商法に手を染め、最終的に自分でマルチ商法の会社を設立する。そのためにわざわざ中国まで1年間出向き、中国語もマスターするなんて、初めの頃の主人公に比べ、行動力が格段にアップしている。それほどまでに深く洗脳されており、重症だ。これは小説だが、この主人公が私の身内ではなくてよかった。ただ、現在進行形でこのビジネスに没頭している元友人を思い出す。マルチ商法は友人を失う。何より驚いたのは、この本を読もうと準備をしていた当日に、喫茶店にて団体に声をかけられ、彼らに某A団体のイベントに招待されたことだ…こんなことまで引き寄せてしまうだなんて思ってもいなかった。日頃の言動や思想には注意しよう。
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マルチ商法の話。
感情がぶっ飛んで切れまくったり、笑顔振りまきまくる
感じなど、なんかいやーな気持ちになります。
友達なくしちゃーだめだね。
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心理描写が実体験に基づくそれと思わせるほど秀逸だった。
あとアム○ェイに勧誘されたときのこと思い出した。
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人間関係、同級生、社内、家族、生まれ育った地元、色々あり、それぞれに人生を過ごして行かなければならない。
生きるためには、コストがかかり、現代の資本主義社会では、何らかの形で、金儲けしなければならない。
学校を出て、寄らば大樹の陰でのサラリーマン生活。
グローバル化した現代では、高度成長時代の経済環境にはない。
ネットワークビジネス、といっても根本はねずみ講だ。
きちんとしたエビデンスによる販売では、普通の利益。
結局、人が人を騙すということに手を染めてしまう。
現代社会において、どこにでもあるような人間関係。
清く正しく、まっすぐに生きることは難しいことなのでしょうか?
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一流企業の関連会社に勤めていた主人公が、リストラを契機にマルチ商法に手を染め、暗黒面に堕ちていく様をリアルに描きます。
一度目の破綻で懲りたかと思いきや、二度目、三度目と、まさにナチュラルボーンな詐欺師っぷりを発揮する主人公。生きる軸がしっかりしていないから、承認欲求を満たしてくれる方にそのまま流されてしまう。
生きる目的とは、幸せの定義とは。カルト宗教にハマる人間にも通じる自己正当化。関わる人物のそれぞれの善悪は、立場によって変わってしまう脆さ。世の中の当たり前って一体なんでしょうね。
前作「狭小邸宅」も後味の悪さを存分に味わうことになりましたが、今作も読んでいて非常に胸糞が悪くなります(苦笑)。
主人公にとってはハッピーエンドになりそうな幕の下ろし方でしたが、これを良しとすることは、私には出来ず、モヤモヤが残りました。
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お金が絡むことに何かがあれば、「騙された」ってことになるけど、一時でも、メンタル助けられてたら一概に、騙された、でくくってはいけないのかも。
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六本木で同級生にサルサを教えて貰った。初めての事を覚えるのは楽しいでしょうと。その後、バーカウンターで勧められたのが、この小説がテーマにしているような、マルチ商法。とても製品が良いから、是非使って欲しい。会って欲しい人がいる。勿論、行かず。そして、この友人との関係は疎遠になった。これは私自身の個人的体験だが、このような話は案外身近にある。あの時、行っていたらどうなっただろうか。答えは、この小説の中にあった。
レーシックでも娯楽施設でも、お友達紹介のようなキャンペーンをする事がある。勧誘する自らにもキャッシュバックがある。それとマルチの違いは、二次的な権利化があるか無いか。客を営業マンとして使おうという思想は、ある面では合理的である。こうしたマルチ商法は、ねずみ講とは違い合法であるにもかかわらず、世の中からは敬遠されがちである。詐欺性、一方的な強引さ、上位会員の利益吸い上げ、などなど。
世の中には、形態を変えたマルチまがいな商法は多い。子供にマルチ商法の怖さを教えておかないと、知らずに組み込まれる恐れがある。肌感覚として経験するためにも、この小説は有効である。