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- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/02/24
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/365p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-390389-7
紙の本
サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
高度に複雑化した社会に対応するため、組織が専門家たちの縦割りの「サイロ」になり、その結果変化に対応できない。ソニー、ニューヨーク市庁などを取りあげ、「サイロ」という現代の...
サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
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商品説明
高度に複雑化した社会に対応するため、組織が専門家たちの縦割りの「サイロ」になり、その結果変化に対応できない。ソニー、ニューヨーク市庁などを取りあげ、「サイロ」という現代の組織に共通する問題をあぶり出す。【「TRC MARC」の商品解説】
一九九九年のラスベガス。ソニーは絶頂期にあるように見えた。しかし、舞台上でCEOの出井伸之がお披露目した「ウォークマン」の次世代商品は、二つの部門がそれぞれ開発した二つの商品だった。それはソニーの後の凋落の予告するものだった。
世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。
それは何か――。
謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つFT紙きってのジャーナリストが挑むのが本書である。
かつてタジキスタンの寒村に3年にわたって住みこんで、現地の人たちがあたりまえすぎて意識していないような分類の仕方をとらえ、その共同体の特異性をうきぼりにしたように、著者は、現代の様々な組織に「インサイダー兼アウトサイダー」として入っていく。
はじめに なぜ、私たちは自分たちが何も見えていないことに気がつかないのか?
序章 ブルームバーグ市長の特命事項
ブロンクスで、違法建築のビルにすんでいた家族が焼死した。なぜ、ニューヨーク市庁の検査官は、こうした違法建築を見つけることができないのか。答えは、三〇〇もの細かな専門に分かれた部署、つながっていないデータベース、つまり「サイロ」にあった。
第一章 人類学はサイロをあぶり出す
二〇世紀に始まった学問「人類学」は、アウトサイダーの視点をもってその社会の規範をあぶり出す学問である。その社会であたり前すぎて「見えなかった」規範が、アウトサイダーが中に入って暮らしてみることで見えてくる。
第二章 ソニーのたこつぼ
一九九九年のラスベガス。ソニーは絶頂期にあるように見えた。しかし、舞台上でCEOの出井伸之がお披露目した「ウォークマン」の次世代商品は、二つの部門がそれぞれ開発した三つの商品だった。それは「サイロ」の深刻さを物語るものだった。
第三章UBSはなぜ危機を理解できなかったのか
1
UBSは、保守的な銀行と見られていた。ところが、〇八年のサブプライム危機で、ゴミ屑同然となったサププライムローンをごっそり抱えて破綻寸前に追い込まれる。危機を抱えていたことを察知できなかった原因は、当たり前と思っていた分類の誤りにあった。
第四章経済学者たちはなぜ間違えたのか?
ロンドンスクールオブエコノミクスを訪れた英国女王の素朴な問い「なぜ誰も危機を見抜けなかったのか」。経済学者や中央銀行、規制当局も、サイロにとらわれていた。CDOをしこたま仕入れるSIVといった新しい会社群は、サイロの分類にはなかったのだ。
第五章殺人予報地図の作成
シカゴの人口は、ニューヨークの人口の三分の一であるにもかかわらず、殺人事件の件数はシカゴ【商品解説】
目次
- はじめに なぜ、私たちは自分たちが何も見えていないことに気がつかないのか?
- 序章 ブルームバーグ市長の特命事項
- ブロンクスで、違法建築のビルにすんでいた家族が焼死した。なぜ、ニューヨーク市庁の検査官は、こうした違法建築を見つけることができないのか。答えは、三〇〇もの細かな専門に分かれた部署、つながっていないデータベース、つまり「サイロ」にあった。
- 第一章 人類学はサイロをあぶり出す
- 二〇世紀に始まった学問「人類学」は、アウトサイダーの視点をもってその社会の規範をあぶり出す学問である。その社会であたり前すぎて「見えなかった」規範が、アウトサイダーが中に入って暮らしてみることで見えてくる。
- 第二章 ソニーのたこつぼ
著者紹介
ジリアン・テット
- 略歴
- 〈ジリアン・テット〉フィナンシャル・タイムズ(FT)紙アメリカ版編集長。コラムニスト。元文化人類学者。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年4月号より
書標(ほんのしるべ)さん
著者はフィナンシャル・タイムズ紙アメリカ版の編集長であり、東京支局長の経験もある人物である。
英語圏では政府や企業に関わらず、組織が専門化し、細分化した状態をサイロという。その狭いサイロの中の集団行動が時として、愚劣にも関わらず内部からでは判断できないことが起こる。その愚かな決定や行動の原因を人類学の手法で分析し、後半ではサイロを打破した事例を挙げたのが本書である。
しかし、著者はサイロを完全否定しない。サイロをコントロールすることを訴えている。
紙の本
殻を破る。
2016/03/11 22:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:般若泡とネクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
某新聞社の投資戦略結果、最近、朝TVで見かけるあの人が、本を出した?
FTアメリカ版編集長のあの人がケンブリッジの人類学出身?東京勤務時代は、週末に上越新幹線に乗ってスキーを楽しんでいた?内容は、組織活動における専門性の殻:サイロに関するもの?面白そうじゃないですか。という事で、手に取ってみました。
サイロに閉じこもる事で起きる弊害(ソニーやスイスのUBS等)、サイロを打ち破ったいろんな立場の人たちや組織(シカゴ市警やフェイスブック等)が、どの様にそれを行ったかの実例が、人類学のバックグラウンドを持つ人の著作らしく、偏りのない目で、非常に読みやすく、次々読み進みたくなる様に記されています。
ジョン コッターの”デュアル システム(実行する組織)”やルー ガースナーの”マトリックス組織(巨象も踊る)”に違和感を感じた方でも(ルーに違和感を感じた人は少数派でしょうが)、ジリアンが本書であげてくれた実例で、もやもやが解消されるかも。
サイロブレイカーとなった人たちの動機や行動を知るに連れ、胸に込み上げてくるものもありました。
ガースナーやコッターの著書から得られるのと等価のエネルギーが、また、それを超えた種々のレベルで講じられたサイロを破るための具体的な事例が本書から得られると思います。
自分も含め、今の時代、組織で働く人間は、トップマネージメントから実務者まで、本書の主張を噛み締めて行動すべきと感じさせてくれます。