紙の本
向田邦子さんの感性
2021/10/30 09:22
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投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る
向田邦子さんのエッセイ集。
『食らわんか』に載っている海苔弁が、簡単そうで、簡単でない。その他の料理もとてもおいしそう。
向田さんの食・器への拘りに共感でき、嬉しい気持ちになりました。
また、『手袋をさがす』は考えさせられる内容で、手袋への拘りだけでなく自分の人生において妥協せず生きていく向田さんの姿勢に強く心を打たれました。
紙の本
手袋をさがす
2019/09/30 20:26
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんといっても、手袋をさがすが一番興味深いです。ここまで自分の内面を描いたエッセイはないかもしれません。
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気に入った手袋が見つからなくて、風邪をひくまでやせ我慢を通した22歳の冬以来、“いまだに何かを探している”……(「手袋をさがす」)。凛として自己主張を貫いてきた半生を率直に語り、人々のありふれた人生を優しい眼差しで掬いあげる 名エッセイの数々。突然の死の後も読者を魅了してやまない著者最後のエッセイ集。文字が大きく読みやすく、カバーの絵も美しくなった新装版。解説/太田 光
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『手袋をさがす』が読みたくて。
人生に影響を与えそうな、ある意味キケンな内容。
その他も面白い。
食べ物の話も楽しい。
のり弁が食べたい。
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図書館で。
料理について書かれた文章を読むとこの方はあまり甘い味が好きじゃなかったのかなぁなんて思います。醤油だけ、とかしょうががきいたピリっとした味がお好きだったのかなぁ。文章は上手だなぁ…
手袋の話が読みたくて借りてきました。今なら女性が独身で独立している事がさほど珍しい事態では無くなってきましたが…向田さんの時代は風当たりが辛かったんだろうなぁ。手袋をしない彼女に「男だったら良いけれども」と言った上司の台詞にちょっとカチンと来たり(笑)悪気は無いんだろうけど男なら好き勝手やっても許されるけれども女性はダメだよ、というのがなんとも…。女は愛嬌、なんてのが今も生きてるんだろうなぁ…
そこまで片意地を張って手袋を探さない、というわけでもないけれども合えばする、合わなければしない、それで良いじゃないか、という社会に段々なってきたのは良いなぁ。本来、社会の存続とかを考えたらそれではいけないのだろうけれども別に女性だけが結婚を義務付けられなくてもいいじゃないか。そう言う意味では卵子凍結技術とか進んでいるんだから色々の選択肢ができる社会が実現したらいい。そんなことを思いながら読みました。
そして後書きの彼は向田ファンなんですねぇ…(本まで出した、とか書いてあったけどファンな事も知らなかった)でも本の後書きに対自分と向田邦子を綴った文章はどうなんだろう?とか思いました。まあいいけど。
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向田邦子の長女らしい感覚が好きで、小説エッセイ、ほぼ読破したなかで、一番好きなのが、この夜中の薔薇に収められた「手袋をさがす」。
まるで自分のことを言われているようでハッした。そしてまだ、私は手袋をさがし続けている。
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古さを感じさせず、読みやすい。
時代を先取りしていた、はっきりとした女性だと思った。
「手袋をさがす」で書かれた向田邦子二十二歳の転機が良かった。
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女性には、「思春期」とか「更年期」みたいな感じで、「向田邦子期」とでも言っていいような時期がある気がします。特に最後の2篇などは、そういうなんとも言えない季節を通ろうとしている女性たちにはじんわり来ると思います。
全体としては、食べものについて書いた小品がとても多くて、これは連載の形で読んだほうがよかったなと思いました(もちろん叶わないのですが)。
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向田邦子さん、最後のエッセイ集「夜中の薔薇」、1981.10刊行、2016.2文庫。いくつかは既に読んでるエッセイが収録されています。タイトルは、以前「眠る盃」(荒城の月の巡る盃を、眠る盃と勘違いして歌ってたから)をタイトルにしたのと同様、シューベルトの「童は見たり野中の薔薇」を「夜中の薔薇」と間違ってたことに由来するそうですw。読書は読む前、読んでる時も楽しいけど、読み終わってからぼんやりするのが好き。ほんと、読後の余韻に浸ってる時、心底、本を読む幸せを感じますね(^-^)
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〇木を書かなかったのではなく、書けなかったのだ。(p15)
☆育っていくものを朝晩眺める視線が暮らしになかったと書いている。見ていないものは書けない訳だ。この本にもだが、向田邦子さんのエッセイの中には食べ物の話がよく出てくる。暮らしに根付いているものが書ける。
〇女学生と呼ばれた五年間をふりかえって、まず思い浮かぶのは、スカートの寝押しをしている自分の姿である。(p555)
☆思い出した。そんなことをしていた時期があったな。スカートの襞なんて本当どうでもいいのに(と今の私は思う)そういう細かいところが全てだと、思ってしまう年代。
〇「無料(タダ)ですよ」(p78)
☆渋谷駅で「渋谷一枚!」と叫んだ向田さんに対応した駅員さんの話。こういうお洒落な言葉がつかえるようになりたい。
〇「食らわんか」(p124)
☆一番面白かった。
おいしいものは、面白い。
塩味をつけた卵を支那鍋で、胡麻油を使ってごく大きめの中華風入り卵にする。食べたい。
のりごはんもいい。
ごはん+かつおぶしを醤油でしめらせたもの+のり
を3回繰り返す。
これに向田さんは肉の生姜煮と塩焼き卵をつけるらしい。最高ではないか。
〇点は、つまり部分は線の全体を当てることがあるのだ。(p225)
☆だから、細部まで気をつか。
相手のどこを見るか、というのもあるだろう。
今日の私はどうだっただろうか。
〇私は子供の頃から、ぜいたくで虚栄心の強い子供でした。(p257)
☆自分のことをこんな風に言えるってすごい。
自分はどうだろうか。全く、全くもって、言えない。
ぐじぐじしていて、感じの悪い子だったような気がしている。なんであんなだったのだろう。で、今も。
良い人であろうとしているところがそもそも嫌だ。そして、そうなれないところも。
〇私は、どちらかといえば負け犬が好きです。(p277)
☆3年、5年を無駄にしたとしても、60年、70年の人生にとってひっかき傷ほどにもなりません、と言えると同時に、自分にとって濃い時間の使い方をしたいと最近切に願う。
そして、それは、どうすると濃くなるのかは、人によって違う。充実してそうに見える人のライフスタイルを真似しても、むなしくなることが最近ようやくわかってきた。人と比べない。自分の中との反芻、そして、日常を生きることが、今の私にとっての充実と言えるのかもしれない。
周りで起こっている出来事を大切に受け止めたい。
SNSに惑わされない。
ラインにつきっきりにならない。
合理的をやめる。
今までが合理的すぎたのだ。
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言葉は怖ろしい。私も言葉で人を傷つけては反省する。詫びる事なく時間が過ぎ去るのを待っている姑息な面も懐中に潜ませている。そして言葉は時折喜びや感動を享受する。だから言葉は愛おしく、人を傷つけず言葉と共に生活を過ごす日常へと勤しむ。それが著者・向田邦子の享年と並ぶ歳となった私の憧れ。
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感動したんですよ。好きで書き留めた言葉がいくつもありました。
今、Pairsのプロフィールに書いているのが「七分が粋で、三分が野暮」です。すみません、実際の俺は「七分が野暮で、三分が粋。いや、それ以下か」なのに。
この装丁と相まって、ほんと永遠に残したい一冊ですね。
そうしみじみと読み終えようとしたところ、解説が太田光さんでした!私は太田さんが大好きなのですーーー。
確かに、太田さんが向田邦子さんファンというのは、何かで見たことがありました。でもね、もう自分が向田さんのエッセイで感動していた矢先に、自分が好きな太田さんが子どもの頃から温め続けている向田さんへの思いを綴った解説を読むとね。もう二度おいしいというか、もう昇天してしまうわけです。
なんだろう。人と、しかも好きな人と、感動を分かち合えることの喜び!!!
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私は向田邦子さんの脚本を知らない世代だ。どんな方だったのかなと知りたくて読んでみた。
第一印象はクセが強そう。
第二印象は丁寧に生活してそう。
意外だったのが、やりたくて脚本書いてる訳じゃないという点。爪を噛みながら苦しみながら傑作を生み出してきたのかな。
途中から料理の描写が多かった。同じ内容のものもあったりして、読み比べてみたり。
書くことに悩んだら料理のネタというのは、昔から変わらないのかも。
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何かの本を読んでいてこの本が出てきた。それがきっかけで図書館でかりた。向田邦子と言う名前だけ知っていた作家さん。すごく年をとってる人のイメージだったけど51歳と言う若さで亡くなっていた事に驚いた。それと共にこの若さでこんな事を考えてる人がいたことに少し驚いた。
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お恥ずかしながら、この年になって改めて向田邦子エッセイ読みましたが、本当に面白いな・・・。
がむしゃらに仕事に対してひた走った五十路女性への共感・・・今更に面白さが理解できる・・・。
人生への心情、人情、本質、琴線。それら全てを包括する筆力に圧倒される。