紙の本
八代逮捕後の話
2016/07/23 20:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふじのき - この投稿者のレビュー一覧を見る
八代の手記が主体となっているので、最初原作コミックの小説化の
ようなものかと、期待してなかったんですけど、読んでみて良かった。
八代の弁護を引き受けたケンヤVS八代という形式で、
実はケンヤが悟のリバイバルという荒唐無稽な真実にたどり着くお話し。その過程が読んでいて面白かった。
八代、ケンヤの決着も納得のいくものでした。
電子書籍
もうひとつの最終回
2016/05/26 10:36
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメで知って、原作漫画を全部読んでから読みました。ありえたかもしれない、漫画のその後が描かれていて、これで本当に終わったんだという終わりがちゃんと見えたのが良かったです。
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漫画僕だけがいない街のその後。ケンヤと犯人の手記から。
スパイスは、そうだったのかと。読めて良かった。
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原作で悟らが真犯人と対決した最終話の後の裁判での話。
原作の真犯人、悟と人物像が異なるんじゃないか? という指摘もあるが、"Another Record"であって後日譚などではないから、スピンオフとしてはある程度許容できる範囲じゃないかなぁ。
最後の愛梨の場違いな登場とか、原作ラストの2012年のケンヤと悟の会話に繋がらない点など不満点がない訳じゃ無いけど、楽しませて頂きました。
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藤沼悟の壮絶な追跡の果てに、連続児童誘拐殺人事件の真犯人は、ついに逮捕された。犯人は一審で死刑判決を下されるが、発見された犯人の「手記」に頻出する“スパイス”なる謎の存在への呼び掛けから、精神鑑定によって一転して無罪判決になってしまう。検察は即日上告するが、犯人はなぜか無罪を勝ち取った弁護士を罷免し、若き弁護士・小林賢也が国選弁護人として指名される。彼はサトルの親友であり、自身も事件の当事者の一人だった。ケンヤは戸惑いを覚えながらも、手記を通じて犯人の不可解な内面を探り、己の“正義”をも突き詰めていこうとする。そして、ついに訪れる最高裁での審理。そこで明かされた、ある“真意”とは―。真犯人逮捕の「その後」を描く、驚愕のオリジナルストーリー!
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多少の齟齬はあったものの、わりと良かった。
ケンヤが子供のころに、雛月と悟が将来くっつくと思ってた、けどそんな映画じゃあるまいし、みたいな記述があったけど、奇遇だなケンヤ、俺もそう思ってたよ。
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37名の殺人犯の手記、兄の女児強姦の手伝い強要、絶望した人に蜘蛛の糸が見える。解放してあげる。国選弁護人、教え子。阻止しようとして殺されかけ、植物状態になっていた級友。選び損ねたもうひとつの道、街、自分は正しい場所にいるのか。
殺人は解放、ですか。元の漫画も面白そうです。
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ヤングエースで連載されていた漫画『僕だけがいない街』の補完小説。真犯人の手記と弁護士・小林賢也の視点を上手く織り交ぜながら丁寧に原作を補完していますし、藤沼悟が長い眠りについていた期間の犯行や『蜘蛛の糸』など気になっていた部分や消化不良だった部分もちゃんと解消されています。
ただ、手記は稀代の連続殺人犯が書いた割には平凡なのと、賢也がリバイバルに気づくなどご都合主義的な部分がちらほら見受けられるのが残念です。
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『僕だけがいない街』の小説。コミック版の謎を明かす内容になっている。小説を読んだのは久しぶりだが、のめりこんだ。深夜にしか読む時間がなかったので、かなり恐かった。八代と同じように、アイリも悟のリバイバルに気がついていたというアナザストーリーも読んでみたい。
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『なぜなら、私はようやくこのとき「蜘蛛の糸」の意味に気がつきかけたのだから。
あれは連れて行くべき人間の印じゃないか。
誰かが糸を断ち切るべき人間じゃないのか。
この世は地獄であり、それを悟りつつもまだ自ら死ぬこともできない人間にだけ現れる「死」という名の希望なのではないか。』
『さっきのクイズ ー 覚えているか? 耳の聞こえない男と目の見えない男に少年が何を渡したか、というやつさ。そう、答えは「拳銃」だ。私も初めは意味がわからなかったが、今ならば理解できる。この故事は「生きている限りは人はけしてわかり合えない」という皮肉だったわけだ。』
『誰かが信じてやらなきゃ、この世は辛過ぎる』
「決めた。ケンヤ、協力してほしい。今から俺が ー 雛月を誘拐する」
「え?」
「あの母親の虐待を止める為に、警察を動かそう」
「悟…大騒ぎになるかもしれないぞ」
「望むところだ」
「ちゃんと結末まで考えたか?」
「…ケンヤ。今、思いついたんだ。結末はこれから考えるよ。『事件』になってもいい。計画途中でみつかってもいい ー どんな結末だろうと ー 雛月が死ぬよりはいい」
『…そうだ。あの日から悟は僕のヒーローとなったんだ。あのときの僕は、覚悟を決めた人間だけが動かすことのできる何かを前にただ圧倒されていた。』
『毎日のように語りかけ、体を拭き、硬くなる体をほぐし、本を読み聞かせ、悟の好きだった音楽を聴かせる。何の反応も示さない息子に対して続けられるそれらの行為は、壮絶の一言だった。そのときの佐和子さんの姿を思い浮かべるだけで、僕は今でも果てしない勇気をもらえる。』
『わからなかったからこそ、私はこのノートをつけることにしたんだ。自分に正直にすべてを書く。書くことは自分を知ることだ。自分でも気づかなかった何かに気づくことだ。』
『もう見たくないというほど血が流されてようやく保たれている均衡こそが平和なのだ。』
『偽りの、耳当たりのいい正義を連呼する、危機に臨んで何の役にも立たない夢想家を大量に生むだけの時代だ。』
『どちらが正しいとか正しくないとか、そんなことはきっと誰にもわからないだろう。これからどれだけ時代が進んだところで、この世界を生きる人々それぞれに、それぞれの正義があるのだから。ただ言えるのは、正義を主張するものが一番恐ろしいということだ。疑いなく自分こそが正義だと信じているものこそが恐ろしいということだった』
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本編はアニメで観た作品。
真犯人が誰だったか忘れかけるくらいには腑に落ちてなかったから、読めて良かった。
ケンヤ目線なのも良い。
八代とケンヤが交互に語り手を務めるのだけれど、要は書き手が同じだからか、トーンが似ていて混ざる。
“僕だけがいない街”というタイトルはサトルを意味しているとずっと思っていたけれど、
八代を(も?)指していると分かって強烈だった。
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スピンアウトにしては、再構成だけの内容
ケンヤが八代の国選弁護人に選ばれて、彼の半生を追想していく内容。
しかし、原作を知る者には特に驚くようなエピソードが見当たらない。
(高裁無罪判決wやサラちゃんの件くらいか?)
逆にコアなファンだった私には時系列的に違和感がある細部が気に障る。
本書の快楽殺人者の正当化妄想は、僕街本来の魅力であるアドベンチャー感と毛色が違うところ。
だから、原作で時間かせぎのためにページが割かれた八代の回想の件は好きではなかった。
逆に、このようなスピンアウトにはしやすいパーツなのだな。
ライターはニトロプラスの人だそうだが、もっと冒険してもらいたかったところ(角川から条件があったりしたら気の毒だが)
まあ、原作のよさを活かしたスピンアウトの難しさを感じる。
コミックの方はどうなんでしょう?
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本書にも、このレビューにも強烈なネタバレがある後日譚なので、原作未読者は注意すること。
とはいえ、「僕だけがいない街」の犯人は、「ポートピアの犯人はヤス」と同じぐらいメジャーになっているような気もする。いまさら伏せても仕方ないかもしれないが、仮に犯人をヤスとしておこう。
逮捕されたヤスの国選弁護人として、弁護士となったケンヤが偶然選ばれる。ケンヤはその弁護を引き受ける。一審で死刑判決が出たヤスには、しかし二審で責任能力がなかったとして無罪となる。その証拠となったのが、当時のことを克明に記したノートだった。
本書のかなりの部分は、そのノートの記述で構成されている。そこに描かれているものの多くは、原作漫画にも登場するシーンだ。二次(?)創作特有のくどさもそれほど濃くなくて、むしろヤスってそういう言葉遣いするよね、と理解する。けれど、そもそも原作で描写されているそのものが書いてあったりするので、そういう意味ではくどい。
ところがノートは途中から、原作の斜め上、というか電波がかってくる。これが責任能力うんぬんの焦点なわけだが、そもそも書いた本人は精神鑑定で争う気もない。ではなぜそんなことを書いたのか。それが本書のテーマだ。
「僕だけがいない街」は、主人公がタイムリープ(リバイバル、と呼ぶ)を繰り返して過去の恐るべき犯罪を阻止し、そして自らが…という話だ。その影響で、ヤスのノートにも、主人公のタイムリープに引っ張られるように自身のデジャブを語るくだりがある。ここは原作読者にとって評価がわかれるところでもあろう。けれど、もともと行ったり来たりの時間のなかで、変わっていく関係性を愉しむ物語だろうから、これもまた一つの可能性、ぐらいでいいんじゃないか。
ところで、なんともびっくりなことに、全巻買ったつもりでいた原作の方の「僕だけがいない街」が、まだ最終巻まで出ていないのだ。
本来なら、原作8巻→本書、と読むべきところが、原作7巻→本書→(未来の)原作8巻、となってしまった。
リバイバルか? っていうか出版順おかしいよ! アニメのせいか?
そんなわけで読み手を選ぶ本ですけれど、面白かったでよ。
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凄い!これは僕街において十分すぎるほどの補完であり本作をより完璧にしたものだ。そして、八代による八代を知るための話であり、弁護士となったケンヤが一人孤独に八代と己と向き合い戦った物語でもある。二人の表情はカバー裏でしか分からないが不気味な印象。ケンヤの顔もちょっと暗い。小説形式も相まって八代の怖さが増してるようにも感じた。悟は「八代手記」をちゃんと読んでないだろうから何とも言えないが、ケンヤだからこそあの「答え」に辿りつくことができた。八代は昔からケンヤが他の子とはどこか違うところを見抜いていたんだろう。
悟が八代の蜘蛛の糸を切ったのと同じように、ケンヤもまた八代の心残りであっただろうことをなくしてあげたんだと思う。最後の裁判での八代の言葉がそうであるように。うまく伝えられてない気がするが、要するにケンヤもまた影の主人公だったということだ!あの最後の裁判は鳥肌モノでした!ケンヤは悟と一緒に八代を追い詰めたけど、どこか悟と八代の間には入り切れてない感じがした。けど「八代手記」により真実(悟が過去をやり直していたこと)に行き着いたケンヤはやっと二人の領域に追いついた気がして勝手にだけど良かったなぁと思う。やっと悟もケンヤも肩(心)の荷が下りたことだろう。「この世は生きる価値がある」八代が言うんだから間違いない。それぞれの正義があるだろうが、八代のやったことは間違ってるし、ケンヤは正真正銘正義の味方だよ。
「勇気ある行動の結末が悲劇でいいはずがない」by八代。
「この世は、戦う価値がある」byケンヤ。
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まんが『僕だけがいない街』のスピンオフ。
ある犯罪をおかした者が、如何にしてそれを為そうとしたのかを読み解く物語。
本来人が人を裁くことは傲慢だと認識していても尚、人の命運を決しようとする経験、あなたは本当にただの一度もありませんか。
哲学。