おしりをふく話 （たくさんのふしぎ傑作集）

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トイレットペーパーがなかった昔、人は何でおしりをふいていたのでしょう？　ちりがみ、新聞紙、雑誌…。でも紙は貴重で値段も高かったころ、人々はいろんなものでふいていたんですよ。わら、はっぱ、竹、木、草、それこそ手に入るものならなんでも。ちょっと昔の日本のそんな知恵と工夫にびっくりしますよ。まさか「おしりをふく」ことがこんなにふか～いことだったなんて！

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2016.11.5市立図書館
春に傑作集入りしたのをうっかり見逃していた、で半年たった秋に買いたいと思ったらすでに出版社でも品切れ入手困難（アマゾンでも中古品が法外なお値段に）。いったいどういうことなのだろう…さいわい市立図書館には入っていたので、とりあえずかりてみた。
いまはおしりを拭くといったらトイレットペーパーが当たり前（やわらかいのを選り好むし、ウォッシュレットも普及しつつあり）だけれど、少し前まではちり紙であり、さらに少し時代を遡れば、紙＝貴重品でおしりを拭いて使い捨てるなどとんでもないという時代が長かった、その紙以前の時代はなにでおしりをふいていたのか、という話。
おしりを拭く素材のいろいろにおどろかされるだけでなく、糞尿をためて活用するための便所の発生＆発達の話もあり、最後は「お金でものを買ってくるのではなく身の回りで手に入る材料から自分で作る」生活は不便でもあったけれど不用品をうみださない幸せもあったというまとめで、今のゆたかすぎる暮らしぶりを省みることができてためになるし、とてもおもしろかった。
（ぼーずにも受けている…やはり小学生男子はこういうものなら食いつくのか…）

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トイレットペーパーがない時代、うんちしたあとはどうしていたんだろう？という疑問に真面目に丁寧に絵付きで回答してくれる。それも、単にモノを紹介するだけではなく、どういう理由でそれが選ばれたのかまで解説してくれる。手に入りやすかったのか、安定的に大量に調達できたか、加工は簡単だったか、などの理由が機能（柔らかくて拭きやすかったか）よりも優先されたことや、さらにその理由（そもそも現金による商取引などなくて周りから調達しなければならなかったから）までさかのぼっていて、射程の長さに驚く。
私はよく現代人しか行わない行為について「人類数万年の歴史のうち、そうでなかった99%の時間、人類はどうしていたんだろう」と考えるのでぴったりでした。