紙の本
検証不能な楽観的将来予測
2018/05/01 07:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「シンギュラリティ(技術的特異点)」を世界中に広めたカーツワイルの代表作。
これまでの、人間の発明品の考察から、技術の進歩は従来考えられていたような単線的進歩ではなく、指数関数的な進歩であると主張し、将来登場するであろう技術についての仮説を(正直「妄想」に近い)提示する。
様々なアイデアが本書で簡潔にわかりやすく披露されており、アイデアの中には現時点でも研究が進んでいる新しい分野を予測したものもあり、一部預言的な書籍ともいえる。
しかし、残念ながら、著者の思うようには技術はまだ発展していない。そのため、少し本書は楽観的すぎるという印象がぬぐえない。
読み物としては楽しめるが、厳密に考えると解釈に個人差が出る書籍でもある。
話題性があり、将来予測を行っている書籍ですので、ビジネスに関わる方には、一応参考程度に読むのはありかなと思います。
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p.224
私の考えでは、生命の目的-そしてわれわれの人生の目的は-は、より偉大な知識を創造して評価し、そして、よりすばらしい「秩序」に近づくことである。第2章で述べたように、秩序が増加していくと通常は複雑さも増していく。だがときには、深い洞察により、複雑さを減少させつつ秩序を増加させることも可能となる。
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書いてある内容はよくあるSF話。
技術的に可能で、予言として書いてあるのが特徴。
技術革新をポジティブに捉えているが、ネガティブな面である法的受入とか、軍事利用についてはあまり語られていない。1つの妄想として楽しむくらいの本。
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2045年、AIが人類の知性を上回り、ついに私たちは生物の限界を超えてシンギュラリティへと到達する―フューチャリストとして技術的特異点の到来をいち早く予見し、現在はAI(人工知能)の世界的権威としてGoogle社でAI開発の先頭に立つレイ・カーツワイル。彼が世界に衝撃を与えた600ページ超の名著『ポスト・ヒューマン誕生』のエッセンスを抜き出した決定版。
『ポスト・ヒューマン誕生』(2007年小社刊)のエッセンスが一冊に(Amazon)
「The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology」2005
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人工知能の世界的権威である著者が2007年に刊行した同名書の要約版。テクノロジーの指数関数的な進化により、人間の生活が不可逆に変容する「技術的特異点(シンギュラリティ)」が2045年に訪れるという予測をしている。
本書は、遺伝子・ナノテク・サイバネティックの進化が技術的特異点をもたらすと説く。1kgで全人類の脳を超えるコンピュータ、ナノマシン治療、人体の機械化、脳のダウンロード…今は想像できないが、一方でここ10年の技術革新を言い当てており、強ち予測も間違いではないとも思える。
現在、著者はgoogleで機械学習・自然言語処理の技術責任者を務めているそうで、彼が生み出すサービスも楽しみである。
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シンギュラリティを裏付ける6つの要因とその解説。単なるテクノロジーの進化だけでは語りつくせない、物理学などの多岐に渡る現代の進化論といった趣がある。
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テクノロジーは線形ではなく指数関数的に増加しているというのが氏の主張している所の根拠の肝となる。
「収穫加速の法則」
※生命のタンパク質をベースとしたメカニズムは限 界がある→脳をリバースエンジニアリングする事により脳を再設計できる(人と機械の融合)
※人間の脳内のニューロンの計算速度は遅いが超並列処理がなされる→ナノボットによるスキャン、人体の再設計
※感情の反応力も機械に置き換えられうる→機械によるおもてなしが発生する
※現在の経済学のモデルの多くは歴史を線形で捉えたもの(社会保障制度)→それがひっくり返る可能性大
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熟読しようと思ったが、思った以上に難解だった。
表紙のイラストの感じは簡単そうだったのに。
言いたいことは、今後人間とコンピューターが分断された社会ではなくて、共存する社会になってくる。
もう後戻りできないレベルに人間社会がスピードアップするよ。ってことかと。
もともとは2005年に原作が出版され、それをエッセンシャルにギュギュっと詰めたもの。
AI人工知能が近年よく取り上げられる
➡それを予測していたカーツワイルの書に注目がおかれた
➡読みやすいように、エッセンシャル出版(今ここ)
今後、じゃあAI人工知能が発達すると、人間のシゴトやライフスタイルは変わると思う。
ただ、それによって、幸せの在り方って大きく変わるのかなー。
人工知能によって、今まで提供できなかった人の欲求を叶えられる・それって何なんだろう。。。
サラリーマンってAIによって仕事がなくなることばかりに気を取られがちだが、いち消費者として立場を変えてみたときに、どんな影響があるのだろうか。家族とどういう風に過ごすことになるのだろうか。
テクノロジーを理解し、未来を先回りして【消費者の動向の変化】を理解することが、今後の市場で先手を打つには必要になるかも。
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著者の言う「シンギュラリティの到来は2045年」と言われる部分があらゆるシンギュラリティ肯定派に引用され、世の中に広まったという点で良くも悪くも影響力のある著作だと思う。
ただ、この著作を実際に読んでいればそれを信じる人はもっと少なくなるだろう。一読すればこの本が真面目な科学本というよりはトンデモ未来予想本だとわかるはず。
(技術の進歩は直線的ではなく指数関数的であり、人間の予想を超えるものだ!というのを楯にして、何言ってもいいと思ってる感)
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18
人はたいてい、今の進歩率がそのまま未来まで続くと直感的に思い込む。
(直感的線形的展望)
35
機械が、人間のもつ設計技術能力を獲得すれば、速度や容量は人間のそれをはるかに超え、機械自身の設計(ソースコード)にアクセスし、自信を操作する能力も持つことになる。
107
こうした理由から、シンギュラリティは、2045年に到来するとわたしは考えている。
127
ニューロンの計算速度が極端に遅いが(通常、毎秒200回の処理)、もう全体としては朝並列処理を行うつまり、脳のニューロンのほとんどは同時に働き、最大100兆回の計算が一斉に処理されるのだ。
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著者はgoogleのAI開発責任者。私たちはgoogleに頼りきっているので、無意識のうちにこの人の未来ビジョンに向けて乗っかってるのではなかろうか。
とにかく著者自身が賢い。物理も生物も情報の基礎も知らないと本の内容を真に理解できない気がする…。私は物理的内容が理解しきれなかった…。
生物進化が専攻だった私からすると、シンギュラリティとは「生物進化の超越」を意味するんだと理解した。今まで学んできたことが消え去るような結構な衝撃を受けた。が、新たな進化でもあると前向きに捉えることができる。
かつて人類が火を使い始めたときのような転換点を自分が生きているうちに体験できるかもしれないというのは少しワクワクする。
これを読めば漠然とシンギュラリティに不安を感じることはなくなると思う。(明確に不安になる可能性はあるw)私は不安はなくなった。しかし考えたいことは増えた。
たぶんまた数年したら読んでみると思う。
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ターミネーター。マトリックス。さらに古くは銀河鉄道999。それらの映画の共通点。それは機械や人工知能に人間が支配されているというディストピアな世界観を描いているというところ。
30年前はターミネーターよりノストラダムスの大予言のほうが怖かった。15年前も、まだマトリックスはあくまで妄想であり、あくまで現実の世界を皮肉った映画だと思った。だけど3年前くらいになるともしかして?なんてことを考えだしはじめ、今や、真剣にAIに人間の50%以上の仕事は奪われるのではないのか?そして2045年にはシンギュラリティなるちょっと恐ろしげな語感を持つ『何か?』が起こって、人工知能が人間を支配する世界がやってくるのではないか?なんて事が真剣に議論されている。
この地球を支配している(つもりの)人間は、自らが作った人工知能にこの惑星の未来を託すことになるのだろうか?
そうなると、シンギュラリティというのは大政奉還みたいなものという事になりますね。スケールは全然違いますが。それとも2050年頃には、我々が今ノストラダムスの大予言をノスタルジックなギャグとしてとらえるのと同じように、シンギュラリティも懐かしい冗談になるのか?どうなんでしょうね?
という事でシンギュラリティということを言い出したと思われる本のエッセンス版があるのでご紹介いたします。
【シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき Kindle版
レイ・カーツワイル (著), NHK出版 (編集)】
www.amazon.co.jp/dp/B01ERN6432
以下、第1章部分から面白部分を抜書き。
↓
「人間は頭の中で抽象的なモデルを作り出し、そのモデルが何を意味しているのかを理性的に考える能力がある。世界を自分の頭の中で再設定し、そこで得られた考えを行動に移す、という力だ。」p24
「ハードとソフトの両方が人間の知能を完全に模倣できるようになれば、2020年代の終わりまでには、コンピューターがチューリングテストに合格できるようになり、コンピューターの機能が生物としての人間の知能がつかなくなるまでになる。」p33
人間の知能に従来からある長所の1つに、パターン認識なる恐るべき能力がある。超並列処理、自己組織化機能を備えた人間の脳は、捉えがたい一定した特性をもつパターン認識するには理想的な構造物だ。人間はさらに、経験をもとに洞察を働かせ、原理を推測することで、新しい知識を学習する力を持っている。これには、言語を用いて情報収集することも含まれる。人間の知能の中でも重要なものに、頭の中で現実をモデル化し、そのモデルの様々な側面を変化させることで、「こうなったらどうなるだろう」という実験を頭の中で行う能力がある。 34
非生物的な知能は、技能や知識を、他の機械からダウンロードするようになるだろう。そのうち人間からもダウンロードするようになる。機械は、インターネットを通じて、人間と機械が合体した文明にあるすべての知識にアクセスし、その全てを習得することができる。
機械は、それぞれが持つ資源と機能と記憶を共有することができる。2台の機械、または100万台でも1つになったり、別々のものに戻ったりすることができる。ある多数の機械が、この2つを同時にする。
つまり、同時に1つにも別々になることができる、人間はこれを恋愛と呼ぶが、生物が持つ恋愛の能力は、はかなくて信用できない。
ナノテクノロジーを用いてナノボットを設定することができる。
ナノボットは、生体のニューロンと相互作用して、神経系の内部からバーチャルリアリティーを作りだし、人間の体験を大幅に広げる。ノの毛細血管に数十億個のナノボットを送り込みに人間の知能大幅に高める。37
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1年以上かけてやっと読了。最難関の難しさ。つまり最も読むべき本であった。Web進化論に続く僕の柱となる本なのは間違いないだろう。
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前半は少し退屈ですが、最後の「それでもまだ人間なのか?」は興味深い。
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・徐々に身体が置き換わった場合、古い私と新しい私が同時に存在することはない。
一体どの時点で、私の身体と脳は、別の誰かになってしまったのだろう、と。
・実は正常な生物学的プロセスの一環として、私の中身はつねに入れ替わっている。ところが、先の思考実験によれば、私のパターンが維持されていたとしても、その漸進的な置き換えは私の死を意味することになる。では、私はたえず、少し前の自分とそっくりの別人に置き換えられているのだろうか。
・いずれ人間は非生物的な存在に意識があることを認めるようになると、私は信じて疑わない。
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一部難解なところもあるが、主旋律は「テクノロジーの指数関数的な成長がシンギュラリティへと至る」というシンプルなもので、本書ではその論拠として「脳という仕組みの解析とリバースエンジニアリング」を主軸に据えている。人体、特に脳という最も複雑な臓器もテクノロジーによって解析され、ハックされることで、非生物的な存在へとパラダイムシフトしていくと。
技術的にこのような事が可能になったとき、人類はどう生き、どう未来を描くのかが、大きな問題として問われるのだろう。まさにブレードランナーの世界観が、数十年後には到来しているかもしれない。
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シンギュラリティの考えも関心したが個人的には進化の6つのエポックという捉え方が未来予測の観点から興味深かった。特異点を越えた先の未来はどんなものなのか楽しみだ。