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商品説明
【全米図書賞(2001年)】かくして、女優はアメリカへ渡った−。ポーランド移民がシェイクスピア劇を通じてスターになるまで。20世紀を代表する批評家・小説家ソンタグが史実をもとに描く、大長編ロマン。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
スーザン・ソンタグ
- 略歴
- 〈スーザン・ソンタグ〉1933〜2004年。20世紀アメリカを代表する批評家、作家。著書に「こころは体につられて」「同じ時のなかで」「火山に恋して」など。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年8月号より
書標(ほんのしるべ)さん
小説は0章から始まる。言わば前日譚。作者の頭の中で生まれた人物が、名を持ち、動き始めるまで。1876年、ポーランドで名を成した女優マリーナが、国内での名声を捨て、仲間たちと「新世界」アメリカへと旅立つ。シャルル・フーリエのユートピア社会主義思想の影響を受けて。ソンタグはマリーナと同化するのではなく、ギリシア神話の女神のように彼女に随行し、彼女とともに19世紀を生きる(ことにする)。
「ああ、不思議!
こんなにきれいな生きものがこんな にたくさん。
人間はなんて美しいのだろう。ああ、 素晴らしい新世界、
こういう人たちが住んでいるの!」
(『テンペスト』ちくま文庫・松岡訳)
シェイクスピアがキャリアの晩年をロマンス劇でしめくくったように、ソンタグもまた晩年のこの小説でシェイクスピアと戯れている。「演劇」という世界、「アメリカ」という名の劇場を、縦横無尽に、軽やかなステップを踏んで。もちろん努力は欠かせない。日記体、書簡体、戯曲の長台詞のような長い独白・・・後半には彼女が生涯かけて得た演劇論をこれでもかとぶち込んであるし、敬意と友情をこめて、シェイクスピアの諸作を織り込んでもいる。
でもやはりソンタグはマリーナとダンスしているのだ、無限の可能性を信じて、ためらうことなく飛び込んでいくことができたシェイクスピアの世界、そして今はもうどこにもない、アメリカという「素晴らしい新世界」を恋して。
「アメリカ、アメリカ! それはしっぺ返しするの」