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紙の本
取水塔
著者 粟岳高弘 (著)
1981年、夏。海岸沿いの町に住む少女と少年たちが用途不明の建造物「倉浜取水塔」の謎に迫ると…!? コンタクトSFの傑作。【「TRC MARC」の商品解説】時は1981年...
取水塔
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商品説明
1981年、夏。海岸沿いの町に住む少女と少年たちが用途不明の建造物「倉浜取水塔」の謎に迫ると…!? コンタクトSFの傑作。【「TRC MARC」の商品解説】
時は1981年。海岸沿いの町に住む少女たちが不思議な建造物「倉浜取水塔」の謎に触れたとき、奇怪な不定形物体と生物が現れて!? コンタクトSFの傑作。
粟岳高弘先生が数年にわたって描きつづけてきた、まさにライフワークといえる長編作品を1冊にまとめました。テーマ的にも粟岳先生がこれまで追及してきた「異世界の住人と少女とのコンタクト」物の集大成となっております。
おなじみのスク水美少女たちも健在です!【商品解説】
目次
- 取水塔:第0話~第14話(最終話)
- あとがきマンガ
著者紹介
粟岳高弘
- 略歴
- 漫画家。著書に『鈴木式電磁気的国土拡張機増補版』『いないときに来る列車』『プロキシマ1.3』『たぶん惑星』がある。
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紙の本
不埒な調査
2016/08/20 15:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
惑星探査計画の運用は、何世代にもわたる膨大な月日を要するが、これは人類に限った話ではなく、未知なる生命体にとっても事情は同じである。
戦前に駿河湾の沖合いから始まった異変は、昭和の末期になっても確認され、表面的には平穏な町の、秘密を抱える大人の目を掻い潜り、思春期の少年少女や大学生らが、好奇心の赴くままに、海辺を探索し、思案を重ねる、ある夏の出来事が描かれる本作は、何の変哲も無い取水塔の存在に違和感を覚えた若者の、一枚岩とは言えない団結の下に繰り広げられる、公然の秘密を暴く、命懸けの冒険である。
命懸けではあるが、海中での調査に必要不可欠なスクール水着が突然、脱げると、年上の女の子に恋心を抱く男の子の目が輝くのは当然で、謎の物体の中に二人きりで閉じ込められると、その裸体を心行くまで堪能し、死と隣り合わせの極限状況と緊張感のない会話との対比が面白い。
異変を引き起こした黒幕とそれに加担する人間との思惑の不一致が、部外者を巻き込んで、当事者の予期せぬ事態を引き起こし、混乱に乗じて主導権を握ろうとする各勢力の戦いは、電波やビームを駆使した、国家機密に抵触する、本来、一介の中高生の手に余るものだが、目まぐるしく変転する形勢を見極め、窮地を脱する彼らの手際の良さは、驚嘆に値する。
長編が一本だけ収められたこの単行本は、直線的な作中時間の流れにより、断片的な出来事の寄せ集めである、と、読者に受け取られる恐れがなく、物語は必然的に、ある地点に向けて、加速度的に収斂する。
エピローグと最終話との間には数年の隔たりがあり、最後に簡潔に描写されるそれぞれの関係の変化こそが、実は最高の見せ場だ。