紙の本
変わらない本性と本質に正面から向き合うこと
2019/03/10 16:38
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
〇コンフォーミティを乗り越える
オリジナリティ(独自性)という概念が持つ重要な特徴
・コンフォーミティ(同調性)の対概念として捉えていること
コンフォーミティとは、その時点で多くの人々に共有されている「正しいこと」の価値観を踏襲し、その延長上に成果を達成しようという思想と行動。
オリジナリティは、この逆向きの動きである。
オリジナリティの本質は、これまでの価値観に逆らって新しいアイデアを推進し、より良い状況や進歩を生み出す。
・クリエイティビティ(創造性)と区別していること
これまでと違った新しいアイデアはオリジナリティの必要条件である、が十分条件ではない。
単に新しいアイデアを思いつくだけでなく、それを自ら率先して実行し、社会や市場や顧客が受け入れる形で実現することを意味する。
オリジナリティとは「創造的破壊」である
オリジナルな人の思考と行動の真価が問われるのは、創造よりむしろ破壊にある。
破壊がなければ、その後におきる創造もあり得ない。
世の中に受け入れられ定着し、多くの人が正しいと思っていることを否定し、却下するからこそオリジナルになれるのである。
オリジナリティの敵は、コンフォーミティにあり、厄介なのはコンフォーミティは決して悪いことではないということ。
優れた成果を達成しようとする意欲が高い人ほど、コンフォーミティを優先させる傾向にある。
成功の野心が強いと、オリジナリティの足かせになる。
〇「ふつうの人々」のオリジナリティ
斬新なアイデアを思いつくだけではオリジナリティは完結しない。
それが実行され、実現され、世の中に受け入れられなければ、本当のオリジナリティとは言えない。
オリジナリティの実現にはリスクを取らなくてはならないが、徹底的にリスクを冒さなければならないわけではない。
ヴ・ジャ・デ
始めて見たものなのいに既知感を覚える「デ・ジャ・ヴ」の反対。
既知のモノを新たな視点で見つめ、
古くからある問題点を再発見し、
そこから新たな洞察を得る思考。
既存のシステムやルールには、それなりの理由がある。
既存のモノを却下するには、なぜそれが存在するのかをじっくりと考えなくてはならない。
変革に対して前しか見ていない「単純進歩主義者」は、真にオリジナルな人にはなれない。
〇先延ばしの効用
「賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ」
中々思い通りにならない世の中で、たまに何かうまくいくことがあるとすれば、それは期が熟したタイミングで無理なく自然と行動したからである。
先延ばしにする行為がオリジナリティを触発する。
先延ばしは生産性の的ではあるが、独創の友である。
クリエイティブなタスクには、アイデアを熟成させるための時間が必要であり、実行を急いでしまうと用意しておいた構成に凝り固まってしまい、創造の可能性を排除してしまう。
「オリジナルでいる」ことは、決して簡単なものではない。
それを追い求める事の幸せは何物にも代えがたい。
成果や結果も大切であるが、オリジナルな人はプロセスで報われる。
仕事に対する最上の構えがここにある。
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・オリジナルな人とは、「自らのビジョンを率先して実現させていく人」である。そして、誰もが「オリジナル」になれる。
決してリスク耐性があるわけではなく、保険をかけて行動している普通の人である。ワービーパーカーも学業の間に起業したし、就職先も見つけていた。
・オリジナリティの最たるポイントは、「既存のもの」を疑い、よりよい選択肢を探すこと。
★好奇心:既存のものがなぜ存在するのか?に疑問を持つこと。Deja Vu → Vu Ja De
└事例(ワービーパーカー):なぜメガネは高いのか?安いメガネがあっても良いのではないか?
★大量生産:多くのアイデアを生み出す。大量生産が質を高める近道。
事例(セグウェイ):発案者が自身のアイデアを過剰評価し、失敗に終わった。
→創造者は自らのアイデアは適切に評価できないと思った方が良い。
→対策:人のアドバイスをたくさん聞いてpivotしていくこと。
★ちなみに「直感は、自分の経験が豊富にある分野において正しい」という研究成果がある。
★先行者優位への疑念
・すぐに課題に取り組むよりも、敢えて遅れて課題に取り組んだ生徒の方が、創造性の高い結果となった。
・先行企業の失敗確率は47%、後発企業は8%。この確率の差は以下の要因から生じると考えられる。
①市場創造前に規模拡大をしてしまうため
②リスク選好の衝動的な決断をしてしまいがちなため。リスク回避型でOK。
③先行者は全ての失敗を自ら犯す必要があるため。(フォロワーは、それを見て対策ができる)
④先行者は初期の製品・サービスだけで行き詰るのに対し、フォロワーは市場変化や顧客ニーズをくみ取りpivotが可能となるため
★先行者優位となる条件は、特許技術が関わっている時や、強い「ネットワーク効果」が存在する時。
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独創力(オリジナリティ)は、すでにあなたの中にある。
「既存のもの」を疑い、新たな視点でそれを見つめ、新たな洞察を得ることだ。
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先延ばしは「生産性の敵」かもしれないが、「創造性の源」にはなる。
概念的イノベーターが年齢を重ね、若いころのような目覚ましい業績を達成できな くなるのは、魔法の薬が切れるからではない。蓄積された経験が影響を与えてしまう
ためだ.概念的イノベーターの真の敵は、考え方が定着してしまうことである. 概念的イノベーターは、初期の重要な業績にとらわれてしまう可能性がある。
「他者に対して」怒りを感じていると復讐心が生じるが、「他者のために」怒 りを感じていると、正義やよりよいシステムをつくる動機になる。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-12220852163.html
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潰れない会社の創業者は、高い確率でむしろリスクを気にする。リスクを取りに行く人は成功確率が低い。今のやり方を続けるのはリスクであるということに気づいていることが、ただ慎重なだけの人との違い。そして、怒りは発散しないほうがいい。瞑想だな。
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普通の人がビジネスや日々の生活の中でオリジナリティを実践するために書かれた実用書。オリジナリティとは、天才と称される人たちからイメージする素晴らしいアイデアや突飛な発想が重要なのではなく、むしろ真っ当な物の見方を持って、現実に置かれる状況下で他の人ではできないことを実現していくにあたり必要な力とマインド、と理解した。
世界的に成功したと言われる人たちも、瞬発的な閃きで道を切り開いたというより、むしろ長い下積みを経て才能が開花したり、世に認められたケースの方が多い。組織の中で、信用を勝ち得ていない人が突飛なことを主張したら、既存の習慣を是とする人からつまはじきに合うし、実績を重ねた人が素晴らしいと思うアイデアに同調する人ばかりで周りを固めたら最終的には失敗する。読後に思い返すと、成功するために必要な要素としては当たり前かもしれないけど、著者の経験則や感覚ではなく、過去の実例や科学的アプローチを踏まえているので説得力がある。
多くの示唆と気づきがあるため、全てを血肉にするには繰り返し読むことが求められると思うけど、ますます専門性・特殊性を求められるビジネスの世界で生き抜くにあたり、それだけの価値が十分にあると思わされた一冊だった。
以下、参考になった点のメモ。
・「既存のもの」を疑いより良い選択をすること。
・「ブ・ジャ・デ」:既存のものを目の前にしながら、新たな視点でそれを見つめ、古い問題から新たな洞察を得ること。
※「デ・ジャ・ブ」の反対
・リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問を持った人の会社の方が存続する可能性が高い。
・上と下に向かって発言し、中間に訴えかける時間をできるだけ省くのが効率的。
・なんでもパイオニアになるのも考えもの。現に過去のビジネスでも後発企業の方が市場で優位に立つケースが散見。オリジナル≠先発者、=他より異なる、優れているということ。
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オリジナルズ。新しいものを生み出すためのヒント、真実。非常に参考になる一冊。
〈メモ〉
・直感が頼りになるのは予測可能な環境で判断を下す経験を積んだ時だけ。今や変化は加速し、環境は予測不可能になっているため、より直感ではなく、分析が重要になってきている。
・オリジナリティには徹底的にリスクを冒すことが必要と思われているが、実際は思うよりずっと普通の人。
・オリジナリティを阻む最大の障害はアイデアの創出でなく、アイデアの選定。斬新なアイデアのなかから、適切なものをうまく選び出せる人がいないことが問題。
・創作者が自らのアイデアを適切に評価できないとすると傑作を生み出す可能性はどうやって高められるのだろうか。その方法は多くのアイデアを生み出すこと。ある分野における天才的な創作者は同じ分野に取り組む他の人たちよりもとぬに創作の質が優れているわけではない。
・マイナーな製品が最も多く創作された期間はメジャーな作品がもっとも多く創作された期間と同時期であることが多い。
独創的な考え方をする人はアイデアが大量に蓄積される。とんでもない失敗となるものも、多いが斬新なアイデアも。
多くの人が斬新なものに到達できないのは、アイデアをちょっとしか出しておらず、その少数のアイデアを完璧に磨き上げることにとらわれてしまっている。ありがちなものを除外してやうやく、ありえないほど自由な可能性を考慮する余地が生まれる。
・オリジナリティを正確に評価するには、自分自身で判断しようとしたり、上司に意見を求めるのでなく、同じ分野の仲間の意見をもっと求めていくべき。同業者の評価に関心を抱くのは同業者の判断が1番信憑性が高い。※上司は管理バイアスがかかるためこの限りでない。
・斬新なアイデアにもっともオープンになれるのは、その特定の分野において中程度の専門性がある人。
・幅広い経験と深い経験が独特に組み合わさることで創造性は発揮される。ノーベル受賞者らは芸術にたずさわる割合が並外れて高かった。音楽、美術、工芸、文筆、舞台芸術など。
・状況を変えるために現実的な選択肢は離脱するか、発言するか。
私たちにできることは声を上げつつ、リスクポートフォリオを安全に保ち、必要であれば立ち去るための準備をしておくこと。
・人は簡単に思いつくものほど、一般的で重要なものとして認識する。
・先延ばしは生産性の敵かもしれないが、創造性の源にはなる。天才は最小限しか仕事をしないときこそ、もっとも多くを成し遂げることがある。
先延ばしはクリエイティブな仕事にはとくに有益。
・仕事に取り掛かる前に時間を無駄にするほうが戦略的に柔軟になる余地が残される。綿密に計画を練り、早めに行動し、勤勉に働くCEOは柔軟性がより低いことがある。
・先発者優位は証明されておらず、利点より不利な面が大きいことがままある。先発者になることがオリジナルであることに必要なわけではない。リスクを恐れず行動する人は1番になることにとらわれ、しばし衝動的になってしまう。
・イノベーションの二つのスタイル
概念的イノベーション 大���なアイデアを思い描いてそれを実行に移すタイプ 飛び抜けて独創的なアイデアは新鮮な視点で問題にアプローチした場合に最も発見されやすい。
実験的イノベーション 試行錯誤を繰り返して問題解決を行いながら学び、進化を遂げていく。あらかじめ計画するのではなく、進めていく中で解決策を見出していくスタンス。
・非常に似通っているもの同士のわずかな違いこそが、互いのあいだに違和感や敵意といった感情を生み出す原因になっている。
同じ価値観を持つグループと協力をするとき手段が共通していることが重要。手段は一体感や共感という観点から無視できない重要なもの。
アイデアのもっとも過激な部分をあいまいにすることによって実現できそうもないことを実現できそうに見せる。
なぜからどのようにへと焦点を移すと過激さが和らぐ。
他者の価値観を変えさせるのは難しいが、自分達の価値観と相手がすでにもっている価値観の共通点を探し、結びつけるほうがずっと簡単。自分のアイデアは聴衆受けするものに構成し直す必要がある。
・グループ間の対立に必要なのは互いのグループの穏健派が互いの考えに耳を向け合い、共通する目標や手法を見つけ、協力して問題解決「あたること。強硬派を話し合いから排除することが重要。
・常に現状に異議を唱えるような人は結果の論理ではなく、妥当性の論理を使う。私のような人はこの状況ではどうするべきかと考える。
・オリジナルな人の多くがリスクテイカーなのは、周囲が自主性を尊重してくれたり、守ってくれたりするから。
・しつけは道徳的価値観に重点を置き、ルールは多くしない。創造性豊かなグループの親はしつけの際にきちんと説明していた。価値観に触れながら何が悪いのか考えを説明すること。自分の行動が周りの人に及ぼす影響を考えること。
・共通の価値観や基準に対する従業員の思い入れが強い場合にのみ、強い文化は存在する。そして強い文化による影響力はその組織がどういう価値観や基準をもっているかに左右される。強い文化を作り上げるためには、コアになる価値観の一つとして多様性を掲げなくてはならない。
・世界を創造するとのは自主的に考える人であり好奇心が強く、まわりに同調せず、反抗的という三つの特質がある。
・困難に対応するための二つの戦略。
戦略的楽観主義 最高の結果を予測し、冷静を保ち、目標を高く設定する
防衛的悲観主義 最悪の結果を想定し、不安を感じながら、おこりうるあらゆる悪い事態を予測する。
・行動しなければ確実に損失がある場合は、リスクを冒すことに魅力を感じるようになる。安全圏から出てもらうにはいきなりビジョンを伝えるのではなく、現況の何に問題があるのかをまず示し、不満や苛立ち怒りを認識させ、確実な損失を示さなくてはならない。今ここに存在する悪夢に触れたことではじめて、観衆は明日の夢に向かう準備ができる。
・他者に対して怒りを感じていると復讐心が生じるが、他者のために怒りを感じていると正義やより良いシステムを作る動機となる。
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デジャブならぬブジャデを経験せよ
すなわち、好奇心を持って既存のものをしっかり知ることで新たな視点や洞察が生まれ、オリジナリティにつながる
別に特別なことが書いてあるわけでなく、結局「温故知新」
GIVE&TAKEの方が良かったかな
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独創的な人って特別な人だと思っていたけれど、そもそも人はみんな独創的なんだと。
なかでも一番驚いたのは、コンフォーミティという同調圧力的なものはどの国にも存在するのだということ。
日本特有と思っていたけれど、そんなことなくて、人間の特性なのだ。だからこそ、諦めずに上手に向き合ってオリジナリティを出していく方法があるのだろう。
以下に心に止まったことを箇条書きでメモしておく。
・独創性は質ではなく量が大事
・過度な独創性でなく、適度な独創性であること
・急がず先延ばしにすることもときには必要
・ソフトな過激派がうまくいく
・その独創性を出せる環境にあること
・独創性を育てるには、子どもも1人の人として尊重することが大切
・身近に独創性のお手本があれば視野が広がる可能性がある(架空の話でもいい)
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デジャブではなく、ブジャデ、を体験する。
既知のものを目の前にしながら、新たなものを見出す作業。
先延ばしは生産性の敵だが、創造性の源になる。
今すぐやる、のではなく、作業を先延ばしして抱える。その間に創造的なものが生まれる。アイデアを温める時間が必要。戦略的先延ばし。
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やっと読了。
題名から勝手にビジネス本の類だと決めつけて読み始めてしまったので、
思ったより時間がかかってしまった。
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この本はビジネス本と言うよりは心理学本です。
例えて言うなら、
『奇抜なデザインの家を建てる方法』を書いているわけではありません。
『奇抜なデザインの家を建てたいと思った時、周りから何を言われても平然とし、不安を感じないマインドになるにはどうすれば良いか?』
が書かれてます。
この前知識があったら、もっとすんなりと読み終えてたと思います。
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「表題のイメージと内容があまりにも掛け離れていると、読書という行為は困難になる。」
この本の内容とは全く関係ないところで、今回、僕が学んだことです。
笑。
#オリジナルズ #originals #アダムグラント
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「オリジナル」とは他人と違う独創性みたいなことを連想したが、オリジナルな人もリスクを嫌うことがわかる。計画を先送りして、良いアイディアを熟成させる項は非常に印象的。あとは「妥当性の論理」と「ソフトな過激派」。「”似た物同士”だから敵意を抱く」は前に読んだ「社会心理学講義」でも取り上げられていた、フロイトの「非常に似通っている物同士のわずかな違いこそが、互いのあいだに違和感や敵意といった感情を生み出す原因となっている」とも繋がる。
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一人のリーダーがビジョンを掲げるだけでは不十分、みんなのオリジナルなアイデアを引き出せる文化を作り出すことが重要
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オリジナルな人とは、みずからのビジョンを率先して実現させていく人。所与の環境を自ら変えていくため、満足度も高まる。ある分野で安心感があると、別の分野でオリジナリティを発揮する自由が生まれる。
IE,Chrome,FireFox使用傾向のネタ本。自己啓発本のように、行動しないことを批判されるわけではなく、別の観点からこういう考え方もあるんだよ、と結構いろいろ目新しかったです。