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- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/06/03
- 出版社: 日本経済新聞出版社
- サイズ:19cm/255p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-532-32095-9
読割 50
紙の本
さらばカリスマ セブン&アイ「鈴木」王国の終焉
著者 日本経済新聞社 (編)
セブン&アイの一連の迷走劇や、「日本のコンビニエンスストアの父」と評される鈴木敏文の足跡を振り返り、鈴木氏退任後のセブン&アイや流通業界の展望をまとめる。『日本経済新聞』...
さらばカリスマ セブン&アイ「鈴木」王国の終焉
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商品説明
セブン&アイの一連の迷走劇や、「日本のコンビニエンスストアの父」と評される鈴木敏文の足跡を振り返り、鈴木氏退任後のセブン&アイや流通業界の展望をまとめる。『日本経済新聞』『日経MJ』掲載記事を大幅に加筆修正。【「TRC MARC」の商品解説】
最強企業を突如襲った「不信の連鎖」。
その真相に、取材記者が迫る!
「あいつ、なかなかいいだろう。後継者として考えているんだ」
──師弟関係にあったはずの鈴木敏文氏と井阪隆一氏。
しかしその仲はやがて冷え込み、産業史に残る「お家騒動」へと発展していった。
鈴木氏と井阪氏の対立を軸に展開したカリスマの退任劇は
「物言う株主」「社外取締役」「創業家」といった様々な登場人物が入り乱れ、
セブン&アイを大きな混乱の渦に飲み込んでいく。
圧倒的強さを誇るセブンイレブンの内側で、何が起こっていたのか。
「コンビニ」という業態を作り上げた男は、どこでつまずいたのか。
微妙なバランスを保っていた創業家との関係は、なぜ崩れたのか。
カリスマ退場で、コンビニ業界の勢力図はどう変わるのか。
日経の取材記者が、全力を挙げてその真相に迫る。
井阪新社長インタビュー、退任会見の一問一答、サード・ポイント書簡、
セブン1号店オーナーからのメッセージ、年表などの資料も満載。
・「どっちが正しいかは歴史が示す」
・「影響力が残ります。本社ビルからは出て下さい」──井阪は、退任する鈴木に引導を渡した
・「なぜ父親に話すのですか」「おかしいでしょ,PTAじゃないんだから」──激怒した井阪、猛烈な抗議
・「鈴木会長の子息が取締役に就任したことは、彼の経歴と社内での実績を鑑みると問題だ」
・「結果は出している」──いらだつ井阪、凍り付く取締役会
・「不徳のいたすところ」──鈴木は何度も繰り返した
・「獅子身中の虫がいた」──サード・ポイントに漏れる社内事情
・立ち上がった「サード・ポイント対策チーム」
・「権力を1人に集中させすぎですよ」「この国で。公開会社ですよ」──社外取締役・伊藤邦雄の矜恃
・「あなたはどこまで鈴木を貶めれば気が済むんだ」──村田前社長は、烈火のごとく反論した
・「なぜ身内でここまで争うのか。恨み節はもう聞きたくない」──社員の嘆き
・世代交代で崩れた創業家との信頼関係。「鈴木にもう少しでも歩み寄る姿勢があれば……」
・「俺もみっともないな。世間からどう見られているか知っているんだよ」──後継者難、鈴木の苦悩
・「多くの優秀な人材が、会社を去って行った」──成長を支えた「業革」の副作用
・「退任はちょっとだけ遅すぎた」──大手食品メーカートップは語る
・「中長期的に見れば追いつくチャンス」──鈴木退任で、コンビニ戦国時代へ
・期待外れのオムニチャネル、不振にあえぐヨーカ堂、相次ぐ買収の失敗──前途多難な「井阪丸」の行方は
目次
第1部 迷走セブン&アイ
第1章 ビルから出てください
「経営は任せていただきたい」
不信を深めた「2つの事件」
深まる亀裂
鈴木の退任表明に井阪は? ほか
第2章 人事案は私の中にある
「企業統治の専門家」の矜恃
「これで日本の公開会社なのか?」
消えた「最高」の肩書き ほか
第3章 どっちが正しいか、歴史が示す
「恨み節はもう聞きたくない」
「ヨーカ堂のマネはするな」
世代交代とともに崩れた信頼関係 ほか
第4章 祖業でも退場してもらう
「獅子身中の虫がいた」
ヨーカ堂を手放すタイムリミットが来た
「鈴木会長の会社ではない」 ほか
第2部 コンビニの父
第5章 常識を覆す成功モデル
「深川から一歩も出るな」
「呉越同舟」の協同組合が強さの源泉
高収益モデルの完成 ほか
第6章 創業家と中興の祖
ハリケーン・スズキ
経営手法を「輸出」
成長と共に広がる軋轢 ほか
第7章 進化するコンビニ
「絶対失敗する」の声を押し切る
大手メーカーが殺到
社会インフラをつくる ほか
第3部 ポスト「鈴木」
第8章 俺もみっともないな
「不徳のいたすところ」
業革の「副作用」が招いた後継者難
「退任は遅すぎた」 ほか
第9章 井阪丸、羅針盤なき船出
「冷やし中華事件」が生んだ味の見える化
鈴木もできなかったリストラを断行できるか
消えた「鈴木」という羅針盤
「対話重視で改革を進める」──井阪隆一インタビュー ほか【本の内容】
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年7月号より
書標(ほんのしるべ)さん
今年4月、セブン&アイの会長兼CEO、鈴木敏文氏が突然退任を表明した。経済界に大きな衝撃が走ったが、本書はその舞台裏を詳細に取材し、まとめた内容となっている。セブンイレブンなど、グループがここまで発展できたのも、経営陣のチームワークによるところが大きかった。しかし物言う株主、米国の投資ファンドの登場により、いつしかその一枚岩に亀裂が生じたのだ。新生セブン&アイの新たなトップ、井阪隆一氏のロングインタビューも巻末に収録。
紙の本
藪の中
2016/07/30 07:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年(2016年)上半期の経済界のニュースで、セブン&アイ・ホールディングの鈴木敏文会長の退任劇がもっとも衝撃的だったかもしれない。
退任を発表したのが4月7日。それからわずか2カ月足らずにその事情も含め一冊の本にしてまとめるのであるから、日本経済新聞社の取材網はさすがだ。
本書は三部構成になっていて、一部で今回鈴木会長が退任に至るまでをドキュメンタリーとして描き、二部で「コンビニの父」と呼ばれる鈴木氏の足跡をまとめている。この単元では日本のコンビニがどのように変化をしていったのかがよくわかるようになっている。
そして、三部で鈴木氏の退任のあとのセブン&アイの展望をみていく。
もちろん、もっとも面白いのは第一部であることは間違いない。
今回のこの出来事が何故多くの人の耳目を集めたのだろう。
まずはカリスマとまで呼ばれた鈴木氏が退任をしたという事実。そもそもカリスマと呼ばれた多くの経営者は独断専行で物事の舵取りをしてきたはずで、今回の人事をめぐる騒動も以前ならばすんなりと鈴木氏の意向通り決まっていただろう。
しかし、それに横やりをいれたのは指名報酬委員会の社外の2名の委員。
この出来事のあと2人の委員の判断を日本の経営もやっとここまで来たと評価されたが、本書を読むとこの委員会の権限はどうなっているのかと思いたくなる。
できればこの委員会の権限を定めた規則なりが付記されていた方がよかった。
次に、もの言う株主サード・ポイントの存在である。
本書にはサード・ポイントがセブン&アイに出した文書も収録されている。また報酬委員の委員に宛てた文書も同じように載っている。
サード・ポイントが問題視した鈴木氏の次男の存在であるが、彼は現在取締役の一人でもある。取締役であれば将来この次男が経営トップに立つ可能性も否定できない。
ならば、この次男が取締役にまでなった事情ももっと追跡すべきではなかっただろうか。
取締役会での発言も鈴木氏と井阪氏の間で食い違っている。
どちらかが嘘をついているはずなのに、出席した取締役への取材はない。
これでは「臭いものにはフタ」である。
つまり、今回の退任劇で日本の経営スタイルが大きく変化したのではなく、実はほとんどその体質は変わっていないという方が正しいような気がする。
真実は語られないまま、歴史に委ねられたということか。