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商品説明
果たして怪談を生み出すものとは土地の歴史や死者の怨念なのか、あるいは生きた人間の心の闇なのか…。人気ホラー雑誌『怪処』編集長が、東京23区の怪談とその発生現場を徹底検証する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ブラタモリ的怪談
2016/08/21 14:37
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
現地取材と歴史資料の確認により、東京23区それぞれを象徴する怪談の裏側に迫り、怪談が生まれるメカニズムを解明します。つまり、土地にまつわる死の悲劇が「隠された」時、その「場所の記憶」が怪異なる噂として流布していく。しかも、暗渠や沼・池・海を埋め立てた空間には独特の空気が流れていて、実際の事件と結びつき怪談が生まれる傾向にあるというものでした。
全体として、ブラタモリ的なアプローチを取り入れ、「土地の記憶(特に暗渠)」を辿ることで、それぞれの怪談の裏側を解明していく過程が新鮮で、大満足な内容でした。
具体的には、渋谷区は宇田川暗渠、港区は三田用水暗渠、新宿区は戸山荘庭園跡、豊島区は谷端川暗渠(粟島神社)、杉並区は小沢川暗渠、中野区はくろんぼ川暗渠、練馬区は三宝寺池、板橋区は乳房榎・首塚、北区は稲付川暗渠(柏木神社)、世田谷区は第六天社跡、大田区は穴守稲荷の大鳥居、目黒区は西郷山公園、品川区は鈴ヶ森刑場跡、千代田区は紀伊国坂、中央区は元吉原、台東区は上野公園、文京区は小日向神社、墨田区は鳩の街通り商店街(北十間川)、荒川区は小塚原刑場跡、足立区は江北橋、葛飾区は水元公園、江戸川区は荒川、江東区は森下(富岡八幡宮)。
また、興味深かったのは、原爆に象徴されるような陰惨すぎる事件は怪談として処理されない。つまり、その暴力や動機・精神性が全く理解不能な時は、怪談というアプローチが成り立たないとのこと。「事実は小説より奇なり」ということでしょうか。