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商品説明
心の中を流れる川がわたしにはある 何時までも雨の降り続いたあの日 蝸牛はまだ歩き続けているだろうか あの男はもうあの川の向こうの 見知らぬ街に辿り着いただろうか(「目撃」より) 詩集。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
解離的で途方に暮れるような抒情
2016/07/03 15:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶんチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
扉にある「悔恨も憤怒もそして愛も苦しみもすべて 物質の見る儚い夢の組み合わせに過ぎない」という言葉で詩集が始まり、これが最後の詩である「鳥の影」の最後の二行を構成し、詩集を閉じることになります。
詩集は大きく「旅する男」、「あなたとわたしそしてわれわれ」、「影絵の中の街」、「物質の見る夢」、「鳥の影」の四つのテクストから成り、それぞれ二編から十六編の詩からできています。
自己と他者、此処と彼方、憧憬と諦念、現と夢などが多彩なパースペクティブな記述により語られ、それぞれの存在と意味が、分裂しながら重なり、ふたたび同質なものに還り、あるいは変性した異質なものとして立現われ、さらには異質なものを経ながらもなおも同質なものとして回帰せざるを得ないような、ディペイズメン的なアプローチによって解離的でシュールな心象風景が描き出されていると思います。