紙の本
思わぬ発見
2017/02/27 22:46
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投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済成長には技術進歩(イノベーション)が必須であり、人口減少は恐れるに足らないというのが、この著作の趣旨である。各紙書評でも紹介され、売り上げも好調のようであり、改めてとりあげるまでもない気もするが、本書の中で、過去100年の日本国内上位30位までの都市別人口ランキングは、大変興味深い内容であった。今では人口流出の止まらない地方都市(和歌山、福井、松江、鳥取、弘前、米沢など)が、明治11年には、30位以内に顔を出している。この100年間の日本の産業・社会構造の変化を思い知らされた。このランキング表をみるだけでもこの一冊に目を通す価値は十分にあると思う。
紙の本
元気がでる
2017/11/06 14:35
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投稿者:スーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口減少社会というテーマを扱うとどうしてもネガティブな内容になりがちだが、本書は問題点を指摘しつつも、ポジティブな未来を示唆してくれているので、元気が出てくる。
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経済成長によって、人は文化的な暮らしを手に入れ、寿命も延びた。成長を支えるのは人口増ではない。よりよい暮らしを実現することで、経済成長をもたらしたい。
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人口の意味について、経済成長との関係を軸に、歴史、世界地域、哲学思想、多くの経済学者の捉え方と、広範な学識を背景に分かりやすく俯瞰的な解説が得られます。巻末では、日本が目指すべき。目指し得るギリギリの経済成長、人口減少の中でのバランスについても具体的な提言があります。サプライサイドだけでない、市場側視点でのイノベーションという視座も大いに考えさせられました。
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ペシミズムカオプティミズムかという視点の差異にそれほど大きな影響力はないと考える。それよりも、論理的構成で将来の人口推計と経済成長予測の関連性を見出すことができればそれでよい。
何がどう関連し、因果関係を持っているのか、あくまでもその追求を学者・科学者としてめざしてもらいたい。
宗教的に賛同者や心酔者を求める活動は、研究活動の妨げにもなりうることを昨今の学者には自覚してもらいたい。
生物学的限界が近付いているかどうかはさておき、寿命の伸長に関する経済学的考察は大変有意義なものだと思う。
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経済と人口について。今の日本の人口減少と高齢化に関する悲観論に対してそうでもないよという論。マルサスなどの人口論など経済学がいかに人口をとらえてきたかから始まって、人口減少や高齢化する日本経済の状況について論じたあと、経済とは何か、何が日本の経済成長につながるかという話。イノベーションをサプライサイドから考えがちだけど、飽和した需要を刺激するプロダクトイノベーションが重要だという指摘はまさにその通り。
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過度の人口減少ペシミズムが問題であるという認識には共感するが、あまり楽観的に、イノベーションを起こせば大丈夫というほど楽観的には、なれない。
安易にイノベーションを連呼されると、”Hey Hey Hey時には起こせよムーヴメント♪”って、歌ってるのを聴いてるような気になる。
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人口減少は経済の衰退は必然ではない。
経済成長に必要なのは人の数ではなく、イノベーションである。
一人当たりの労働生産性を上げることで経済成長を成せる。
高度経済成長は世帯数の増加によってもたらされた。
需要は必ず飽和する。
ブルドーザーは人間の「筋力」、AI・ITは人間の「頭脳」これらは本質的にどう違うのか。
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【169冊目】人口減少は必ずしも経済の停滞にはつながらない、というのが筆者の主張。経済の成長は、単に労働力の絶対数が成長するだけではなく、個々の労働力の生産性の向上によってももたらされる。そして、生産性の向上はイノベーションによってもたらされる、というもの。確かに、それはそうですね。
ただ、筆者の主たる主張はどうやら、プロダクト・イノベーション、すなわち商品の改革にあるらしい。ロジスティクス曲線が表すように、需要はいつか飽和する。これはケインズの指摘するところでもある。しかし、今後、超高齢社会を迎えるに当たり、商品は変化を迫られる。それにより、需要は飽和を免れ、経済は成長する、というもの。
人口の成長率とGDPの伸び率は必ずしも一致しないことから、人口減少=経済停滞というのは短絡的・悲観的に過ぎるという主張は、若い世代のヤル気を喚起するのではないかな?それと、イノベーションというとどうしても技術的なこと=理系の仕事というイメージがぼくにはあったのだけれど、例えば、
・子どもの商品であった紙おむつを、高齢者用に販売
・観光地に行くためのものであった特急電車(ダイヤ)を、通勤用電車(ダイヤ)にも導入
など、文系でもできそうな工夫によって起こしているということを知り、新鮮な驚き。確かに商品はモノとサービスによって成り立っているのだから、当たり前といえば当たり前か……笑
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豊富なデータで人口と経済について述べられていました。
海外の事例や時間軸的には大昔と言っても過言でないほど古いデータも例示されています。
最近の流行語なのでしょうか、やたらと「イノベーション」の文字が登場するのがやや本題とは不似合いな印象を持ちました。
77ページには、
”スターバックスの誕生は、まさに「技術進歩」、イノベーションなのである。”
との記述がありましたが、さすがにこれはちょっと違うんじゃないのかなぁと思ったり致します。
イノベーションってのは、「技術革新」ではなくて、「新結合」という解釈が適当だと思うのですが。
と、まぁ、本題とはやや外れる指摘をさせていただきましたが、人口と経済の問題を理解するための一冊としては何ら問題はないと思います。
付箋は22枚付きました。
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現在の人口は政府の政策によるもので、人口減少は当然の結果。それを憂うのでなく、高付加価値な経済を目指すことが重要か
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「人口減少は大きな問題だが、しかしその一方で、日本経済の「成長」については、「人口減少ペシミズム」が行きすぎている(p50)」
1993年に大学を卒業以来、日本は「失われた20年」とか言われ、近年は本書が指摘するように「人口減少ペシミズム」が蔓延している。
安易な反成長には与せず、プロダクト・イノベーションを意識しよう。「超高齢社会に向けたイノベーションにとって、日本経済は大きな可能性を秘めている(p187)」のだから。
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人口減少社会に入ったわが国において、今後の経済成長は可能なのかという論点について、経済学の観点からそれを肯定します。経済成長率は、労働人口の伸びと労働生産性の伸びの合計です。労働人口は今後減少していきますが、その分、労働生産性を伸ばせば、人口減少社会でも経済成長はできる。そして、労働生産性の伸びを規定するのは、プロダクト・イノベーションである。という帰結です。
人口論の解説も豊富で、楽しく易しく読める、今後の日本経済のことがよくわかりました。
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人口減少社会と言うと悲観的な未来ばかりを想像するが、先進国の経済成長はイノベーションの元に起こると言う。人口の増加は食料自給率の増減と比例する。ゼロ成長社会における所得分配や適正人口の維持も大切。
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・我が国は日本経済の経済成長について「人口減少ペシミズム(悲観主義)」が行き過ぎている。先進国の経済成長を決めるのは、人口ではなくイノベーション。
・人口にしても寿命にしても、それに大きな影響を与えるのは、「1人当たり」の所得。「1人当たり」の所得を上昇させるのはイノベーション。これが先進国の経済成長を生み出す源泉。
・人口、労働力が減少するから経済成長は不可能という議論は短絡的すぎる。人の数によって経済成長が決まるわけではない。21世紀には、「安い労働力」は大きなメリットではなくなり、むしろ新しいモノを売るマーケットに近いところでつくるメリットのほうが大きくなる。こうしてモノづくりの現場は再び先進国へ回帰する。
・AI・ITは人間の仕事は奪わない。それらによってつくりだされるモノやサービスを消費するのは人間。歴史を振り返ると、伝統的に人間がやっていた仕事の多くは機械によって代替されてきた。しかしその結果、人間はお払い箱になったのではなく、むしろ生産性が上がり、賃金は上昇した。つまり、人々は機械のおかげで豊かになってきた。