紙の本
『自分を捨てる仕事術』
2016/09/22 20:52
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「若いときにしかできない仕事というものがある。
それは、自分の意見を持たないこと」
「何か言おう、言おうって思っていると、人の話が聞けなくなる。
君は自分の意見ばかり考えて、人の話を聞けていない」
「これから3年間、おれの真似をしな。
自分の意見を捨てて、くもりなき眼で世界を観ること」
ジブリの鈴木敏夫のもとで修業した著者による体験的仕事術
鈴木の教えに従った石井の働き方も
石井の目を通した鈴木の生き方も
どちらもカッコいい
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この本を20代のときに読みたかったナ――。
内容はスタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーが若き日の石井プロデューサーに教えた仕事の奥義の数々。冒頭、自分の意見を捨てろ!から始まる。逆説的に言っているのかと思えばそうでもない。文字通りまず意見を捨てろ!なのだ。とても刺激的な本。(※ 以下、わたしが面白いところを抜粋したり意図的に繋いでます)
著者石井プロデューサーが22歳の時、51歳の鈴木敏夫プロデューサーに叩き込まれた。鈴木敏夫いわく「若いということのほんとうの意味は、何もないってことなんだ」いわく「宮崎駿という人は、高畑勲という人の下で20年間、真似をし続けた人なんだ。考え方や立ち振る舞い、話し方、字まで真似たんだよ」いわく「これから3年間、おれの真似をしな。自分の意見を捨てて、くもりなき眼で世界を観ること。それを3年間続けて、どうしても真似できないと思ったところが、君の個性ということになるから」etc.
これまでの自分の全否定から入り、自分を消してゆく作業に見えて、実はそうではない。ひとときの感情や感覚に左右されず、ひたすら目の前の師匠のすべてを徹底して真似ないと、もともと自分に無い能力を自分の中で増やすことなんてできないという話だ。(ううむ、そうかもしれないな、なんとなく思い当たる節もあり納得)
著者は、いったん自分を空にして他者を取り込んでみる、という仏教でいう「空」や、禅における「無」という状態を指すのかもしれないと書いている。その過程で自分の中に残るものだけを必要なものだと判断し、なじまなかったものはきっぱりと捨てた結果、本来自分が持っている「核」を自覚し、新たな一歩を踏み出せるのだという。(そうなのか!やってみたい気がする、今更だけど)
【目次】他人の意見だけノートに取る/怒りを10段階にコントロールする/人の特技を言語化する/「悪い人」をそばにおかない/自分のために謝るな/会議は席順が命/自分にこだわるとスランプにはまる/人の力をどんどん借りる/情報を正確に伝えるだけで問題は解決する
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20代30代で現状に不満を持ち、とにかく今の自分を変えてみたいと思う人ならお勧めの本です。
帯PR曰く・・
「3年間、自分を捨ててオレの真似だけしてろ!どうしても真似できなかったところが君の個性だから」
アニメプロデューサー・石井朋彦。その真摯な仕事の根底にある「自分を捨てる仕事術」とは何か。「自分のなかには何もない。何かあるとしたら、それは外、つまり他人のなかである」という真実を、強い筆力で伝える1冊。スタジオジブリの名プロデューサー鈴木敏夫が若き著者に教えた、会話術、文章術、人身掌握術、トラブル対応ほか、具体的方法論のすべて。・・
何か新しいことを学ぶ(受け入れる)のには、型から入るのが一番です。それは、長年の経験から蓄積されてきたベストな形がその型に凝縮しているからです。
既に業界で活躍している人であれば、それなりの(成功の)型を持っているはず。そこで自分の仕事の師をみつけたら、とことん自分を捨て、師のやり方を真似てみるのがいいと提言しているのが本書です。
いわゆる仕事を盗めというやつですが、おそらくここでのポイントは2点ありそうです。
1つは、ある程度の若さが必要だということ、つまり、40代50代ともなればそれなりの人生哲学や価値観が邪魔して素直に自分を捨てることがむつかしくなるから。
もう1つは、マネをしても自分にあうあわないが必ずあるということ、自分の流儀に合わないのに無理してストレスをためるのも精神衛生上悪いし、第一、長続きしません。筆者も鈴木敏夫氏とぶつかり合いながらも、納得できたからこそ、ついていけたという単純な事実は重要です。
あと気になった点もありました。
本書には若さゆえの意見を全面否定される場面(塩野七生講演会)がありますが、それこそ発言の中身で判断されるべきものでしょう。もちろん、人生経験の浅い若造の言うことなど取るに足りない自己満足の世界である可能性の方が高くても、自分なりに問題にきちんと向き合う姿勢は大事です。(筆者は自分が目立ちたいからという意識しかなかったと反省していますが、それなら相手もそれなりの批判をすればいいわけで全面否定では議論の余地もありません)
まあ結局、そうした自己流を引きづってしまうことが成長の妨げになることもありえるし、鈴木氏は頭でっかちな筆者にまずくぎを刺しておこうと考えたからなのかもしれません。
やさしく書かれている本書ですが、自分の置かれている立場や状況によって、様々な気づきを提供してくれる(はず)かなり深い本となっています。
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海外に行くことで日本のありがたみを体感したことがあります☆
仕事について同じなのかと気付きました!
本質は「師」を決めたことや言われたことを徹底的に受け入れてること\(//∇//)\
『仕事とはプロジェクトではなく、関わる人間の心そのものである。』
仕事を通じて、お互いを豊かにし合うチームを作りたい☆
また、結果としてこの本を出された「本質」について訊いてみたい☆
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自分の意見を捨てろ。
スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫から、一番最初に教えられたのは、この言葉だった。
ひたすら他人の真似をする仕事術を身に着けた筆者が、鈴木の下で学んでいった仕事術を記す。
三年間、自分を捨てるための仕事をして得たものこそが、自分の核だという。
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一読の価値あり。
私は今鍼灸師として、師匠について学んでいる。
四十の声を聞いての鍼灸師という職。
自分の我をいかに殺して、無心に技を盗むか。限られた時間を有効に活かしきるにはそれしかないので、必要に迫られて読んだ。
今の自分に必要な本と思う。
同時に、十代で読んでおくべき本だったと思う。
自分が、自分が、という我が、結局一番遠回り。
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著者がスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫に教わった仕事術。
「自分を捨てる」というのはとても難しい。
でもそれが出来ることで本当の自分の「核」が生まれる。
様々ある自己啓発の本のなかでは少々異質の内容かもしれませんが大変素晴らしい内容です。
読んで損はない一冊だと思います。
おすすめです。
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ジブリのアニメーション映画プロデューサー
仕事の仕方、考え方が参考になった。
まずはマネしたいと思えるほどの人に出会えるかどうか。
・怒りのコントロール
・話すポイント3つにしぼる
実践します。
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本の内容も面白かったが、著者紹介で「アメリカで少年にイチローと間違えられて『I'm not Ichiro』って言ったら泣かれた」っていうエピソードがツボにはまった。鈴木さんはすごい人だなあ。
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http://www.wave-publishers.co.jp/np/isbn/9784866210070/
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良本。
・自分にこだわると、スランプにはまる
・劣等感を刺激する人に近づく。自分の中身を一度空っぽにして、その人の中身を入れてみる。
・本来の自分をさらけだす方が「得」
まさに「これからわたしはどうすべきか」と心がザワザワ状態な今、これを突破するための具体的な次の行動が見えた。
自分のオリジナリティを見つけようとベクトルを自分の中に向けても、そこに答えはない。すでに輝いている人のやり方を真似て自分に取り入れてみる。完コピしようとして、それでも真似できなかった部分が自分らしさ、自分の核になる部分だ。
あの人を、完コピしよう。
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20歳をすぎてから
「自分とは何か?」「どうあるべきか?」「どうしていきたいか?」と常に考えてきた気がします。
でも、答えは何となくだったり、
曖昧だったり…。
時間ややるべきことに流されて
気がついたら中堅世代。
自分なんてどこにもいない。
自分のなかには何もない。
何かあるとしたら、それは外、つまり他人のなかである。
「はじめに」より
作者と同じ年代を育ったので
最初は、「え!?」と思いましたが、
読み進めていくうちに納得できました。
「自分が見られたい自分」よりも「人が見ている自分」が自分なのです。
p169
求められていることこそ、他人が見た自分の強み。
それを知ることこそ、この仕事術の真髄なのかもしれません。
石井朋彦さんに会いたいなって思いました。
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なんで自分を捨てるんだろう?とタイトルを見た時は思ったが読んで納得した。自分だけでは何も成し得ないということを知った。世界に感謝、ということを思った。解決策を相手に言わせる、はなるほどと思った。
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著者は仕事など存じ上げない方ですが、
スタジオジブリで働かれて あの鈴木プロデューサーの元で指導を受けたからには才能ある人なのかと思うけれど ずっと謙虚な姿勢で綴られている。
鈴木プロデューサーを尊敬していることがとても伝わるけれど 自分はその人に教えてもらったんだという変な自負やプライドがなく 攻撃的な内容だけれど受け入れやすかった。
攻撃的というのは 言葉通りの意味ではなく 衝撃が強いという意味で使いました。
鈴木プロデューサーの名前で出版すれば それはまた違う形と意味を持ちそうなのが石井さんという方のフィルターを通して彼の言葉で綴られたからこそ「自分を捨てる仕事術」の内容ひいてはその奥の意識を受け入れることができたと思う。
過激に一瞬見えるけれど その実 自己啓発やキャリアポルノ本があふれた世の中で内面が伴わないのに自己主張だけが激しい人がいるなか 静かに真実を突きつける良い本だったと思う。
スタジオジブリは とにかく凄まじい才能の人たちと思っていたけれど 一風変わってることは間違いない。
単なる才能のある人たちなだけではなく考え方 行動、姿勢が深く考えられている。
それはこの著作にもかかわるけれど 周りの人を思う気持ちがあるからとれる行動なのだと思う。
だからここまで愛される作品を生み出し続けてきたのだろうな。
自分の仕事が そうなのか、そうでなくとも
この著作に書かれていることは役に立つと思う。仕事は人生の長い時間を費やすものだから、自分が自分がと 見えない自分を求めるよりも 周りから認められ 頼られる力を伸ばして 支え合った方がいいな。
良い本でした。
おすすめ。
もう一回読みたい。
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よかった!
自分を作るとか、探す本はありそうだけど、「捨てる」本ってあまりないと思う。
「人は、自分のために他者を必要とするし、他者に必要とされる自分が自分」
私の得意技は、コツコツとマメにやることかなぁ。