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紙の本
英語の帝国 ある島国の言語の1500年史 (講談社選書メチエ)
著者 平田 雅博 (著)
英語はいかに世界を征服したか? 立身のために子どもへの英語教育を熱望したウェールズの親たち、アイルランド人のナショナリズムと英語への抵抗、日本の英語教育の始まりと、森有礼...
英語の帝国 ある島国の言語の1500年史 (講談社選書メチエ)
英語の帝国 ある島国の言語の1500年史
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商品説明
英語はいかに世界を征服したか? 立身のために子どもへの英語教育を熱望したウェールズの親たち、アイルランド人のナショナリズムと英語への抵抗、日本の英語教育の始まりと、森有礼の「日本語廃止論」などから解明する。【「TRC MARC」の商品解説】
英語はいつから、これほど世界を覆う言語になったのか。イングランドに出現した言語が、ウェールズ、スコットランド、アイルランドに広がり、ついで、インドやアフリカ、オーストラリア、アメリカをも含む植民地へと達し、さらにグローバルな地域へと拡大した「英語の帝国」。これらの地域は、どのように「英語」と出会い、反発し、受け入れたのだろうか。そして、日本の英語教育の始まりと、森有礼の「日本語廃止論」の真相とは。
日本語もまだ覚束ない幼児を英語塾に通わせる親。「グローバル社会」に対応するためと称し、早期英語教育を煽る文科省。こうした「英語熱」はどのような歴史を経てもたらされたのか。英語はいつからこのように世界を覆う言語になったのか。
本書でいう「英語の帝国」とは、5世紀頃にイングランドに出現した言語が、ブリテン諸島すなわちウェールズ、スコットランド、アイルランドに広がり、ついで近代には、インドやアフリカ、オーストラリア、アメリカをも含む「ブリテン帝国」へと達し、さらにはそれ以外の文字どおりグローバルな地域に拡大した英語圏を指す。これらの広大な地域は、どのように「英語」と出会い、反発し、受け入れてきたのだろうか。
立身のために子どもへの英語教育を熱望したウェールズの親たち、アイルランド人のナショナリズムと英語への抵抗、アフリカでのキリスト教と一体化した「英語帝国主義」など、各地、各時代の英語をめぐる様相を明らかにしていく。そして、日本における英語教育の始まりと、森有礼の「日本語廃止論」の真相とは。
現代日本における一見、滑稽でさえある「英語熱」に浮かされた光景は、長い「英語の帝国」の歴史のあちこちに見られた。「英語の帝国」の構築を推進し、そこから利益を得た人びとは、ふつうの親たちを巧妙にこれになびかせるシステムを作っていたのである。こうした過去を見据え、「自己植民地化」を免れて未来を展望するために必読の書。【商品解説】
目次
- 序章 「英語の帝国」とは何か
- 第一章 「英語は文明への道である」―ウェールズのイングランド化
- 第二章 ハイランドとローランドの「野蛮」―スコットランドの協調
- 第三章 最初の「植民地英語」―アイルランドの抵抗
- 第四章 ブリテン諸島から帝国へ―インドの英語教育
- 第五章 キリスト教の大義と「共通語」―アフリカでの「英語帝国主義」
- 第六章 「膨張する円」の中の日本
- 終章 過去を見据えて未来を展望する
- あとがき
著者紹介
平田 雅博
- 略歴
- 〈平田雅博〉1951年青森県生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。青山学院大学文学部史学科教授。専攻はブリテン近現代史。著書に「ウェールズの教育・言語・歴史」など。
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英語の広がり
2022/03/29 08:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語がウェールズやスコットランド、アイルランドの現地語を駆逐しインドやアフリカで押し付けられ日本を含む世界中で学ばれるようになった歴史がわかる。植民地支配で押しつけられた面だけでなく現地の親が子に出世のため英語を学ぶように望んだ結果、ウェールズ語やアイルランド語が衰退していった様がわかる。現在、日本で行われる英語教育の低年齢化や英語を教えるには英語で行うといった動きが植民地支配下で行われた英語政策との類似点が取り上げられ今の英語教育熱に対して冷静考える必要があると感じた。